見出し画像

久しぶりの引越しはエモくて感慨深い経験だった、という話

6年ぶりに、引越しをしました。社会人になって少ししてから実家を出て、今回の新しい家が3つめの家です。引越しって家探しまでが楽しくて、片づけや荷物詰めやら色々な手続きはだいたい面倒。当日のばたばたもしんどい。そんなイメージを持っていたし、働きながらの引越し準備がある程度大変だったのは事実ですが、今回引越しをとても楽しくエモく、味わうことができたのでその記録を残したいと思いました。

東京の下町と言われるだろう街に住んでいました。20代前半で転職をし、まあまあ働きまあまあ飲む環境になり、職場の近くに住まねばと引っ越したのが6年前。会社から近く、にぎやかで飲めるそこそこ落ち着いた街がいいと思い決めた街。当時はあまり馴染みがない下町エリアだったのですが、とても住みやすく、大好きな街になっていました。家自体も、不足はなく生活しやすく、気に入っていました。まさか6年も住むなんて思ってはおらず、2年更新の契約の中で、「次は同棲、次は結婚」と何度思ったことか(笑)。結局、ひとりで誇らしく(笑)引越しを成し遂げてしまいました。

6年も住んでいると、飲み屋が多い街だったこともあり、思い出に残る飲食店がたくさんありました。コロナ禍でつぶれてしまった名店もあったし、それを乗り越えた老舗も、最近できた素敵なお店も。友達が遊びに来てくれたら絶対に1軒目にお連れしていた名店や、昔の彼氏と喧嘩になり店員さんに顔色を窺われて迷惑をかけてしまったお店も、遅くまでやっているからベロンベロンになった3.4軒めでとりあえずいつも入っていたお店もあった。たくさんの楽しい時間と思い出をくれたお店たちと街にとても感謝しています。

引越しまでのカウントダウンが始まると、街と家を離れる寂しさがどんどん強くなり、仕事の合間や夜に散歩をしては残り少ない時間を味わっていました。居酒屋街やスーパーや公園、休日には人が集う神社、川沿いの夜景がきれいな道。誰かと歩いた思い出や、悔しい仕事帰りに歩いた道、酔って落とし物をしたもはや記憶のない通り、大失恋してこらえきれず泣きながら歩いた橋も。私の20代後半を支えて包んでくれたあの街はずっとずっと忘れないのだろうと思います。

さて引越し前夜に絶対したいことを、前から決めていました。いちばん通った居酒屋でひとりサク飲みをすること。お刺身をメインに和食がおいしい、広すぎない立ち飲み屋さんがとても好きで、何度も足を運んだお店でした。これまで人と一緒にしか行ったことがなく、ひとり飲みをしたことがなかったお店。最終日に絶対にひとりで行き、味わい尽くそうと決めていました。

当日、夜にはミーティングが入らないようカレンダーをブロックし猛スピードで仕事を片付け、お店が混まなそうなちょっと早めの時間の入店に成功。まだ先客は数名しかおらず、カウンター席の角という個人的に最も好きな場所に通してもらえた。ビールと、このお店のお気に入りである真鯛のこぶ締めを頼んで最高にエモいラストナイトがスタート。サク飲みのはずが、気づけば5杯飲んで、途中で隣に来た若いお姉さんと少し会話し、とても良い気分になっておりました。ひとり飲みだと気になるおつまみを食べ尽くせないのがやっぱりデメリットだな~なんて思いながら、最後の夜の最高なひとり時間を味わうことができました。ほろ酔いの帰り道、もうしばらくは来ないだろう大好きな街を歩き回りながら、ちょっぴり泣きそうになりました。

引越し当日。計画性を持ってものごとを着々と進めることが苦手な私ですが、なんとかなったことに驚きました。無事に新しい家に住めるようになり、新生活をものすごく楽しんで今に至ります。お手伝いを人に頼まず、ひとりで(+引越し屋さん)完了した引越しは初めてでしたが、ああなんとかなるんだな、まーたひとりで生きる力を身に着けてしまっただなんて、嬉しさと虚しさを感じたりしています。

今度もまた飲める、楽しい街に引越してきました。そして私の中の重要事項だったキッチンがとても広い家を見つけることができ、非常に満足度の高い新生活を送っています。住む場所を変えることって、よく言われますがやはりとても大きな変化だなあと思います。日々接する人が変わり、景色や行きつけのスーパー、お世話になるコンビニの店員さんも変わる。飲むお店もお金の使い先も変わったりする。前の街は本当に好きでしたが、これからはまたこの街のことをきっととても好きになって、たくさんの思い出が生まれるのでしょう。楽しみです。そして良い日々にできるかは自分次第。これから最低2年は住むだろうこの街と家を一生懸命愛していこうと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?