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リビングは、理想ではなく暮らしの延長で考える

家族の生活スタイルの変化に対応できる家03

家族が家族として、気持ちよく過ごすための家づくりを行うのなら、これまでのような使われないリビングをつくるのではなく、みんなが集まるように、リビングの形を決めることが第一歩だといえるでしょう。

リビングの形を考え直すことは、家族とのつながりをもう一度見つめ直すことにもなります。華やかさとスケールの大きさに惑わされることなく、家族がそこで何をするのか、そのためには、どんな部屋であればよいのかということを暮らしの延長から考えてみるといいでしょう。


趣味や希望を伝えて生活スタイルを明らかにする

建築家は、希望を聞くことによって、その家族が現在どのような生活スタイルをもっているのか、今後はどうしたいのかを読み取ります。

たとえば、「家族の趣味を大切にする場所」、「家族が集まる場所は、できるだけ日の当たる明るい場所にしたい」 とか、 そのうえで建築家は 「こうすればもっとよくなる」という、建築家ならではの提案をするのです。

具体化できない希望も建築家になら任せられる

建築家にとっては、どれだけ家族の希望をくみ取れるかということが大切になってきますから、家族が具体的に表現できない、潜在的な部分に対しても気を配ります。

それは、希望には表れない部分も、建築家なら意図的につくり出せるということです。

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家族が集まるリビングがほしい、という希望をもっていても、具体的にはどうしたらいいのかわからない場合もあるでしょう。

そこで、わざと、リビングやダイニングを通らなければ洗面室や浴室、トイレといったサニタリー部分へ行けないように動線を工夫して設計します。

家族が交差するための工夫をいろいろと施すことによって、いつも家族の動きや気配を感じられる家をつくり出すのです。

見た目や冷暖房などの経済性はとりあえず置いておき、家族みんなが集まるリビングをどのように使いたいのか。それを家族で話し合い、明確にしてみましょう。

しかし、安易に計画すると落ち着かないリビングやダイニングになりますから、住まいの設計を熟知している建築家と話し合うのがよいと思います。



・前回「家族の生活スタイルの変化に対応できる家02」住まいが家族をつくる

・次回「家族の生活スタイルの変化に対応できる家03」「家族の団欒とLiving Room」


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横山彰人建築設計事務所


これまでに300以上の住宅を手掛け、富な実績を元に、本当に居心地のいい、家族が元気になる住まいをご提案します。noteでは住まいで役に立つトピックスを連載形式で公開します。