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五つのポイントを考慮して家族に最適な家を実現する

家族の生活スタイルの変化に対応できる家02

リビング、キッチン、ダイニング、子供部屋と、それぞれについて 「これからどのように暮らしていきたいのか」ということを中心に考え、以下の五つのポイントに注意して、建築家とともに家づくりを考えていけば、
家族の触れ合いの場のある家、自分たちの家族に最適な家を実現することができるでしょう。

①家づくりにおいて大切なのは、それぞれの部屋が分断されるような間取りを避けること。

②必要のないリビングをつくらず、生活スタイルに合った空間をつくりだすこと。

③キッチンとダイニングの関係を、家族とのコミュニケーションがとりやすい形にすること。

④子供部屋を与える時期を考慮し、決して孤立させず、むやみに広くしないこと。

⑤光が十分に入り、風通りのよい家をつくること。


将来の生活スタイルをシミュレーションする

たとえば、10歳の子供一人と35歳の夫婦という三人家族がいるとします。10年後には、子供が自立する時期を迎えますから、これまで利用していた子供部屋は必要なくなる可能性が出てきます。また、その夫婦が40歳の時点で、60歳半ば前後の親がいるとすると、そろそろ一人で暮らすには心配な年齢です。そのころには、同居するという可能性も出てくるわけです。

つまり、この家族では、三人家族から四人家族へ、そして再び三人家族へというように、家族の構成人数が変化し、それにともない生活スタイルも変化するわけです。

子供が出て行ったあとにその部屋の使い方を考える、親と同居することになってはじめて部屋をどうするか考えるのではなく、あらかじめそのような事態を想定して、間取りを考えておく必要があるでしょう。

親と同居する可能性に対しては、たとえば、リビングに接する部分にあらかじめ間仕切りを取り外せる和室をつくっておきます。

親と同居するまでは、間仕切りをはずして広々と利用できるでしょう。そして、親が同居するようになったら間仕切りを入れ、親の部屋とします。間仕切りを開けると家族が集まるリビングですから、親は寂しい思いをすることもありません。

このように、将来を想定して家をつくることは、変化に戸惑うことなく暮らしていくこと、むだなスペースを省くことにおいて重要です。

体の衰えにも対応できるプランつくりを

また、現在健康な人は、これからも健康でいられると思い込んでしまいがちですが、年をとるごとに体が弱っていくことは避けられないことです。

私たちはこの点でも将来を見通した家づくりを行わなくてはなりません。 家をつくるまえに、生活スタイルはどう変化するのか、それにともない何が必要かについて、十分シミュレーションしておきましょう。


次回「家族の生活スタイルの変化に対応できる家03」ー家族のかたちは生活スタイルからーです。

おたのしみに。

・前回「家族の生活スタイルの変化に対応できる家01」住まいが家族をつくる




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横山彰人建築設計事務所


これまでに300以上の住宅を手掛け、富な実績を元に、本当に居心地のいい、家族が元気になる住まいをご提案します。noteでは住まいで役に立つトピックスを連載形式で公開します。