妻の相談は、自分ごと?他人ごと?
先日、妻に「真面目に考えてくれて嬉しいけど、話を聞いてくれるだけでよかったのにな」と言われて、ハッとした。
男女でこんなに違うの?と表を見て驚く人もいるだろう。
でも中には「男だけど妻側だな」「女だけど夫側だな」と感じる人も少なくない。いわゆる「解決型の男性脳」と「共感型の女性脳」は、性別によって分けられるものではない。
ぼくはよく、昔から相談を受けることが多かった。今の今まで一貫して言われることは「話を聞くのが上手」ということだった。
いわゆる聞き上手ってやつだ。特に意識していたわけじゃないけれど、ビジネスでも恋愛でもすごく強い切り札になるから、我ながらいい特技をもっているなぁと思う。
でも、結婚して妻と暮らすようになってから、「自分は本当に聞き上手なのか?」と半信半疑になってきた。
今まで友人や仕事のお客さんから受ける悩み相談は、ひたすら相づちを打って、しっかり思いを吐露させることでスッキリさせていた。下手に結論を急がず、リアクションを変えながら傾聴していく。タイミングよく質問をする。バーテンダー時代に覚えたコミュニケーションスキルである。
でも妻から相談を受けたとき、真剣に解決策を考え始めてしまっている自分がいた。自分の中に聞き流せないなにかがあると、ついつい口を挟んでしまっている。
この違いはなんだろう。
おそらく、「自分と切り離しているかどうか」だと思う。
今までの相談は「自分ごととして捉えない」のが前提だった。ぼくは「他人は他人、ぼくはぼく」の思想がとても強いので、人からいろいろ言われても、あんまりダメージを受けない図太さがある。あくまで共感はしつつも、「そうだよね、でも自分とは関係がない」と、心のどこかで線引をしている。だから人からの相談を常に客観視できる。
一方で、妻から受ける相談に関しては、以前のような距離感が取れなくなっていることに気づいた。
「それはこうなんじゃないか」「その場合はこうしたほうがいい」「たとえばあの人はこう言っていたよ」「それ、ちゃんと調べた?」
......。
いやな夫だなぁと反省している。どうして妻に対してはこんな風に返答してしまうのか。
友人との会話だったら「そうなんだ、いいね」「その悩み、わかるわ〜」「へぇ〜そうなんだ。」と、どんどん会話を続けていけるのに。
それはおそらく、妻の相談を「自分ごと」として考えているからだ。
もちろん、妻には妻の人生があって、ぼくはぼくだから過干渉はNGだし切り離して捉えるべきなんだろうけど、一生パートナーとして暮らしていく以上、適当なアドバイスはしたくないし、ベストな解決法をなんとかして見つけたい、と思ってしまっている。
ぼくはプライベートだと、女性の友人から相談を受けることが多い。「最後まで話を聞いてくれるからすっきりした」とよく言われる。話を聞くのが上手いか下手かは別として、僕は人の話を聞くのが基本的に好きだから、ストレスなくずっと聞ける。でもそれはきっと、相談を受ける際に「自分と他者との切り離し」がしっかりできていたからだ。
大事に思っているが故、妻の相談に自分ごととして考えてしまうんだけど、いやいやこれって迷惑なアドバイスおじさんになってるやん...。とショックを受けた、ここ最近のお話。
親切という名のおせっかい、そっとしておく思いやり。
そっとしておくって、むずかしい。
毎朝30分でクオリティを気にせず「とりあえず」書くnote、5日目。
(明日には終わりそう)
娘のオムツ代とバナナ代にさせていただきます。