よしかわの内省と着想

世界40カ国200都市の酒場とワイナリーを放浪した元バーテンダー&ソムリエ。2…

よしかわの内省と着想

世界40カ国200都市の酒場とワイナリーを放浪した元バーテンダー&ソムリエ。2歳娘育児に奮闘中。 今は広報/PR業を主軸に取材・編集・執筆などいろいろ。 #おいしいはたのしい コンテスト受賞

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そら豆を食べたら10年後にソムリエになった話

「おまえ...そら豆食べたことないのか?」 これは当時弱冠19歳、アルバイトで働いていたバーの店長に言われたセリフである。 「こ、これがそら豆か......」 ぼくは驚きを隠せないまま、はじめてみたそら豆をじっと見つめていた。 お客様を帰した後、カウンターはまかないを食べる場所に変わる。 さっきまでお客様が吸っていたキャスターマイルドの甘い香りがかすかに残っている。 スツールに腰掛け、数百種類のお酒の瓶が暖色系のライトに照らされているバックバーを見つめる。たくさんのお酒

    • アラサーおじさんがピアノをはじめた

      ピアノ弾けたりギター弾けたり、ドラムが叩けたりする人ってかっこいいなぁと思い続けて30年以上経ってしまった。 やりたいと思いつつも、「周りでやってる友達いないしな」「音符読めないしな」「ピアノ高そうだしな」などと理由をつけて結局ず〜っとやらなかった。 最近、思い切ってピアノを買ってみた。 とはいえ選んだのはもう終売になっているCASIOの電子ピアノで、リサイクルショップで6,600円だった。誕生月クーポンを使って6,100円で購入した。 私には十分すぎるくらいだ。 今日はな

      • 「DIE WITH ZERO」を読んでひそかに決めた3つのこと

        DIE WITH ZEROの内容はいろんな人が書いているので省くが、要は「人生は思い出作りで、お金を残して死んでも仕方がない。歳を取れば取るほどお金の価値は減っていく。お金の価値を最大化できるのは26~45歳の間」ということ。 この本を読んでから、ひそかに3つのことを心に決めた。 最低でも毎年2回、家族旅行に行く 車を買う 娘が30歳になった頃、ある程度まとまった資産を渡す 以下、少し分解していきたい。 最低でも毎年2回、家族旅行に行く今年の夏、娘が2歳になった。昨

        • 旅先で偶然出会ったおっちゃんに言われた「君も家族をつくるといい」が、忘れられない。

          大学を卒業してからすぐ、世界一周の旅に出た。バックパックひとつ持って、片道切符だけを買って、西に西に進んだ。気が済むまで滞在して、飽きたら適当に移動する生活をしていた。 この日は、スリランカのとある街に来ていた。目的があって来たわけではなく、なんとなく電車に乗っていたら線路に野良牛が寝ていたために急停車して、しばらく往生していたのでそのまま線路に降りただけだ。下調べもろくにせずに歩き出す。何もなければまたどこかに行けば良い。ただしばらくぶらぶら散歩をしていたが、人が見当たら

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        • とりあえず 30分で書く note
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          サイダーを のどを鳴らして 飲んだ父

          小学生の夏休みの思い出といえば、家族で行った伊豆旅行だ。 両親は白浜が好きで、毎年夏になると車を飛ばして伊豆に行った。 海に入ったり、砂浜で遊んだり、磯でカニをとったりするのはもちろん楽しいのだけど、一番好きなのは砂浜にパラソルとゴザをセットして、家族みんなでおにぎりやアメリカンドッグ、唐揚げを食べながら、三ツ矢サイダーを飲むことだった。 我が家では通常、冷蔵庫には牛乳かお茶しか入っていない。三ツ矢サイダーやカルピスソーダは、こういったお出かけの時でしか飲まなかった。別に禁

          サイダーを のどを鳴らして 飲んだ父

          昔ポイ捨てした吸い殻を、娘が口にしていた。

          ある日1歳の娘を公園で遊ばせていると、ポケットに入れていたスマホがブルルと鳴った。いつも読まずに消しているメルマガだった。「メルマガ解除はこちらへ」という案内が妙に目に残り、今日こそはという思いで解除する。この間10秒にも満たない時間だったが、ふと娘を見ると、何かをくわえてむしゃむしゃと口を動かしていた。 娘は木の枝や小石をとにかく片っ端から口にするタイプで、何度注意してもやめない。今回も何か小枝でも噛んでいるのだろうと思い手を差し伸べると、娘の口からタバコの吸い殻が出てき

          昔ポイ捨てした吸い殻を、娘が口にしていた。

          本を買うとき、「この本は次世代につなげられるだろうか」と考えている話。

          東京は家の中に文化がない という記事を読んだ。 都内の極小住宅には、本棚や絵を飾るスペース、ピアノを置く場所がないという。内容自体には賛否あるが、私は以下の部分には共感した。 ミニマリズムなシンプルで質素な生活もいいが、ある程度の雑多は必要なのではと感じる。そこでふと思い出したのは母方の叔父のことだ。 小さい頃から、叔父の部屋が好きだった。 母方の叔父は、42歳という若さで亡くなってしまった。ノベルティの灰皿や外国のコイン、ヴィンテージの古着、洋楽のCDやレコード、そして

          本を買うとき、「この本は次世代につなげられるだろうか」と考えている話。

          人生の最後を考える時、「循環」を意識してみる。森へ還る「循環葬」とは

          日経MJに循環葬についての記事があって、ふと思ったことを書いてみる。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO80490770X00C24A5H24A00/ 高齢者が増え続ける日本では、自分の遺骨の行く末について考える人が増えている。そこで近年注目を集めているのが森への「循環葬」だ。循環葬は火葬した遺骨を土と混ぜ合わせて埋葬し、墓標を立てずに遺骨が自然に還る仕組みになっている。 ・料金は生前に契約 ・管理費などは不要 ・墓標を立てないので埋葬

          人生の最後を考える時、「循環」を意識してみる。森へ還る「循環葬」とは

          他者への贈り物が自然とできるようになった時に、自分の状態が「良好」だと知った話

          今年に入ってから、私の数少ない大事な友人が結婚したり出産したりと、めでたいことが重なり、あれやこれやとお祝いを立て続けに送った。 もちろん、20代の頃から結婚だ出産だといろいろ聞いていたけれど、その時は「お祝いを贈ろう」という流れにはならなかった。LINEで連絡が来て、「お、良かったね。おめでとう!」と返信するだけだったように思う。 そこには相手に対しての妬みみたいな感情は皆無で、ただ単に「何かお祝いを贈ろう」という選択肢がそもそも自分になかった。本当に気が利かない奴だったな

          他者への贈り物が自然とできるようになった時に、自分の状態が「良好」だと知った話

          「空き家ジパング」 外国人が地方で購入、5DK600万円 ノマド生活の拠点になる?

          https://www.nikkei.com/article/DGKKZO78195620S4A200C2H11A00/ 記事の要約 マイホームやセカンドハウスを求める外国人にとって、日本の空き家は割安で手に入る「ジャパニーズドリーム」となっている。リモートで働くスタイルが増えていることもあり、政府も新たな在留資格を創設して需要を取り込んでいる。 総務省の調査によると、2038年には全国の3分の1の家が空き家になるとの予測もある。治安の悪化懸念や倒壊の危険性などから社会問題

          「空き家ジパング」 外国人が地方で購入、5DK600万円 ノマド生活の拠点になる?

          久しぶりにワインセラーをあけたら、「コロナ禍でも人生を楽しむぞ」という意気込みがそのまま眠っていた。

          今からちょうど2年前になる。60本収容のワインセラーを買った。ちょっと小ぶりの冷蔵庫くらいのサイズ感だ。 飲食店に行って美味しいおつまみとワインを楽しむのが趣味の夫婦が、コロナのせいで飲みにいけなくなってしまった。それでもなんとか明日への活力を養いたくて、もういっそのことセラーを買ってしまえ、家でお酒を楽しんでしまえと、えいやと気合を入れて買ったのだった。 人間は空白があると埋めたくなる生き物だ。以前から気になっていたワインをはじめとして、あれやこれやと方々からワインを取り

          久しぶりにワインセラーをあけたら、「コロナ禍でも人生を楽しむぞ」という意気込みがそのまま眠っていた。

          長い旅の意味

          がむしゃらに働いていた仕事を辞めて、無期限の旅に出た。片道航空券だけ買って、とにかく西に西に移動した。気に入った場所があればいくらでも滞在して、飽きたら移動するという気ままな旅をしていた。今から5年前のことだ。 とにかくいろんなことにがんじがらめだった自分を開放したかった。そのためには日本を出てさまざまなことから物理的に距離を置くことが大事だと思った。 世界各地で出会った人達が、道を闊歩する野良犬が、当たり前のようにある大自然が、現地の食堂で出される料理が、ローカルバスで流

          昔の服を今も大事に着ている両親の気持ちが、少し分かった気がする

          別に貧乏ではない。 でも、ぼくの両親は本当に服を買わない。 昔のものをずっと大事に着ている。 ヒートテックはヨレヨレだし、ジャージもクタクタだ。 たまに兄弟でお金を出しあっていい服や靴を買ったりすると喜ぶのだけど、「いいよ、そんなの買わなくたって」という態度。 でも父も母もおしゃれには興味があるのをぼくは知っている。 それでも両親は服を滅多に買わず、昔からの服を着続けている。最近のことではない。物心ついたときからずっとだ。 子どもの頃から疑問で、大人になってからも「いつまで

          昔の服を今も大事に着ている両親の気持ちが、少し分かった気がする

          「焼肉食べ放題に行きたい」と産後の妻がおっしゃった

          ある日、妻が唐突に「あー、焼いた肉をお腹いっぱい食べたい。焼肉食べ放題行きたい」と言った。 ぼくは「あ、これはなにかのサインだ。行かなきゃ」と直感で思った。 このところ、ぼくも妻も日々を忙しくしている。 生後2ヶ月半を過ぎたばかりの娘を妻は愛を持って接している。育休を取らずに働いているぼくも、合間を縫ってはできるだけ家事や育児をするようにしている。がしかし、やはり妻の負担が大きくなってしまう。 花よりもケーキよりも、なにより欲しいのは睡眠時間というのは知っている。が、数時

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          娘が産まれて2ヶ月たったので、気づいたこと、発見したことを100個書き出してみた

          娘が産まれて2ヶ月が経った。あっという間という表現はあまりにも陳腐すぎるけど、あっという間と言うしかないほど、あっという間だった(人生はそもそもそういうものだけど)。 でもその「あ」っと言っているその間に、ものすごくさまざまなことが起きている。僕もこの2ヶ月でいろんなことを感じるようになった。 そこで2ヶ月育児してきて感じた気づきをわわっと書き出してみたら、簡単に100個でてしまった。 娘が産まれて、娘を見つめて思ったこと、感じたこと、見つけたこと。 もしかしたらただの赤ち

          娘が産まれて2ヶ月たったので、気づいたこと、発見したことを100個書き出してみた

          水道局から通知が来て、家族が増えたことをじんわりと感じた件

          先日水道局から1通はがきが届いた。 内容は「いつもよりご請求する水道料金が高いです。心当たりはありませんか?漏水の可能性はございませんか?」というものだ。 おぉ、水道局。なんて親切なんだろう。 さて、考えてみる。心当たりはない。 はがきをよくみてみると、心当たりない場合は連絡をくれと書いてある。 おぉ、水道局。なんて親切なんだろう。電話をかけてみよう。 すると感じの良い水道局員が出て、いろいろと説明してくれた。 「例年より1800円ほどあがっています。ここまで高かったこと

          水道局から通知が来て、家族が増えたことをじんわりと感じた件