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#3 「睡眠時間は90分単位がベスト」これ嘘らしい件

昔、母親に言われたんです。
「睡眠の周期は90分単位だから、7時間半寝れないんだったら6時間にしておきなさい!」
って。28年間信じ切ってたんですが、どうやら睡眠の周期は必ずしも90分単位ではないらしいんです…。

睡眠は、ノンレム睡眠とレム睡眠の繰り返し

私たちの眠りは「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」で構成されています。「ノンレム睡眠」は眼球運動を伴わず、より深い眠りで脳も眠っています。「レム睡眠」は睡眠中に眼球運動が発生し、脳は動いている状態。身体を休めている時間です。
この「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」が1セットで1度の睡眠で3~5セットほど繰り返されます。
この1セットが90分間隔なので、睡眠時間は90分ごとで区切られている。1セットが終わるタイミングで起床すると良い。と思っている方がどうやら多いようです。
と、いうか私も勉強するまでそう思ってました。

ノンレム睡眠中に起きるのは危険!?

前回も記載したのですが、私たちの睡眠は、前半ほど深い睡眠であると言えます。最初の「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」の1セットがいわゆる黄金の90分と言えるのです。

1セットの中では、「ノンレム睡眠」が約60分。「レム睡眠」が約30分の割合で進んでいきます。睡眠のサイクルが進むにつれて、「レム睡眠」の割合が徐々に増えていきます。
また、「ノンレム睡眠」は、ステージ1->ステージ2->ステージ3までの3段階に分けられます。1回の睡眠は以下のようなイメージです。

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「ノンレム睡眠」のうち、ステージ1とステージ2は比較的浅い睡眠です。ステージ3は最も深い睡眠であり、脳と身体を充分に休息させる重要な役割があります。
最初のうちの「ノンレム睡眠」にはステージ3がおおく含まれますが、次第にステージ3の割合はサイクルを重ねるごとに減っていきます。
このステージ3をしっかりと取ればとるほど良質な睡眠になるということなのですが、逆に言うと、このステージ3に目覚めてしまうと非常に不快な睡眠となってしまうのです。

図をご覧いただくとわかるように、次第に「ノンレム睡眠」自体の割合が減っていき、次第に「ノンレム睡眠」のステージ3がないサイクルもやってきます。

このように、睡眠サイクルの1周期は概ね90分であることは間違い無いのですが、睡眠時間を90分ごとにすれば良い理由は特にありません。
重要なのは起床タイミングにあります。

重要なのは起床タイミング!

上記で示したように、睡眠の1サイクルは「ノンレム睡眠」のステージ1~3と「レム睡眠」で構成されています。
「ノンレム睡眠」のステージ3で目覚めてしまうと非常に不快な寝覚めかつ、良質とは言えない睡眠になってしまう一方、逆に言うと「レム睡眠」か、「ノンレム睡眠」のステージ1~2の間に起床をすれば比較的爽快に起きることができるのです。

最近では、睡眠サイクルを自動判定してタイミングよくアラートをかけてくれるスマホアプリやガジェットもありますよね。寝返りなどのタイミングを計測し、人間が睡眠サイクルでどの状況にいるかを判定してアラートのタイミングを考えてくれているというわけです。

Tips:アラームは20分おきにセットする

アラームをセットする際は、「20分間隔」で2回セットすると良いでしょう。こうすることによって、どちらかのアラームがステージ1~2の浅い「ノンレム睡眠」か「レム睡眠」の時間にあたる確率が高くなるからです。

ポイントは、1回目のアラーム音は「微音で短いもの」であること。「レム睡眠」だった場合は覚醒しやすいのでこの程度でも起きることができるはずです。無論、20分程度なら1回目のアラームで起きなくても構わないですよね?もし仮にその小さい音で起きることができなければ、それはあなたが「ノンレム睡眠」であるということなので無理に起きない方が良いでしょう。

睡眠の最後の方は、サイクル内の周期が短いので仮に1回目のアラームで気付かなくとも2回目では浅い睡眠に変わっている可能性が高いです。
ぜひ、20分間隔アラーム戦略を試してみてください。

90分単位の睡眠を意識しなくてもOK

と、いうことで、確かに睡眠周期は90分ほどですが、90分単位での睡眠時間を意識する必要はどうやらなさそうです。
「7時間半は寝る時間がないから6時間にしよう!」せっかく6時間以上睡眠をとることができるのに、こう判断してしまってはとてももったいない…。
目覚まし戦略を意識して良質な睡眠を目指しましょう!

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