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#102初めてのことを学ぶには(1)

 4月に入り、新しい年度に替わりました。今回はこれまで挑戦したことがない新しいことに挑む方もおられるだろうと思い、歴史についてのことが中心になりますが、「今までにしたことのないことを学ぶ際のポイント」ということで書いていきたいと思います。
 著者は昨年度までさる自治体史の執筆で宗教を担当していました。これまで宗教史には触れてこなかったということもあり、初歩的なことから学び直すということをしました。仕事として新しいことと出くわす機会に、新たなことを学んで自分の知識や技術の向上を目指せますので、著者の場合ではありますが、新しいことを学ぶ時にはどのような方法を取っているかをご紹介出来ればと思います。

1:子供向けの本を探して読む

 いきなり必要な情報について難解な本から学ぶことはなかなか難しいです。著者は、昔読んだ司馬遼太郎の本で、「初めてのテーマ、ジャンルのことなどは子供向きの本を読んで基礎知識を得て概略を理解する」という内容のことを書いてあったので、それを参考に、いつも子供向きの本から最初に学び始めます。例えば、宗教史について学ぶ際に最初に読んだ本は岩波ジュニア新書です。村上重良『世界の宗教』(岩波書店、1980年3月)、同『日本の宗教』(岩波書店、1981年3月)の2冊で各宗教、宗派や宗教史の流れの概略をつかみました。岩波ジュニア新書は子供向けの本とあって、内容も平易に書かれているので、非常に判りやすかったので重宝しました。岩波ジュニア新書に限らず、岩波新書や中公新書、あるいは教養選書であるNHKブックスや(日本放送出版協会)、歴史文化ライブラリー(吉川弘文館)、講談社選書(講談社)なども基礎的な教養を得るには適しているかと思います。
 これら一般書のうちでも初歩的なものを読むことが、新しいことを知るための入り口としては適しているのではないかと思います。

2:その時代の概略を知る

 取り扱う時代やテーマに沿って、それに関する通史を読むということを行います。このことによって、時代的な変遷や概略を知ることが出来ます。著者は、例えば幕末、明治維新の頃であれば少し古いですが、『日本歴史大系12 開国と幕末政治』(山川出版社、1996年9月)、『日本歴史大系13 明治国家の成立』(山川出版社、1996年9月)や『近代日本の軌跡1 明治維新』(吉川弘文館、1994年1月)、『近代日本の軌跡2 自由民権と明治憲法』(吉川弘文館、1995年1月)、あるいは『シリーズ日本近現代史1 明治維新』(岩波書店、2010年2月)などを読むことで、通史的な視点が理解しやすくなるでしょう。

 今回はテーマとその時代のことをどのようにして知るかということを記しました。次回は引き続きこのテーマで、地域の情報をどのようにして知るかなどについて触れてみたいと思います。


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