Nobuyasu Shigeoka

I work as a curator in Kyoto. I study the history, and the specialty is the Japanese area history from early modern times to modern times.

Nobuyasu Shigeoka

I work as a curator in Kyoto. I study the history, and the specialty is the Japanese area history from early modern times to modern times.

マガジン

  • 身近な史跡、文化財の楽しみ方

    現地を踏査した際に出くわした文化財について、石碑や絵馬など身近に接することができるものについて記します。

  • 食と歴史にまつわる、あれこれ

    史料調査の中での食にまつわる記述や、その出先での食についての体験、食とそれにまつわる文化の話を、書籍の紹介などと併せて行っています。

  • 書籍にまつわる文化、あれこれ

    自分の読んだ本や史料調査で出くわした書籍、編集した本などなど、書籍にまつわるあれこれの小ネタを集めました。

  • 論文執筆、落穂ひろい

    日本近現代史、日本近世史などの論文執筆に係る裏話。論文に書くことが出来なかったような落穂ひろい的なお話をご紹介します。

最近の記事

  • 固定された記事

#139AIに古文書は読めるのか? 続報

 #043「AIに古文書は読めるのか?」において、古文書判読アプリ「みを」の使用感をレポートしましたが、今回は新たなソフトが頒布されたので、そのレポートを書いてみたいと思います。前回については下記のリンクからご参照ください。  今回使用した新たに頒布されたアプリは「古文書カメラ ふみのは」というものです。トッパンの開発、提供しているアプリになります。  前回「みを」で使用した史料の同じ写真で実際に判読を試みてみましょう。写真は四点になります。  判読結果が以下の写真にな

    • #176新聞記事の検索について(2)

       「朝日新聞クロスサーチ」を活用しての記事検索についての話の後半です。 http://www.asahi.com/information/db/2022renewal/  今回の確認では、下記の拙稿に使用した「大阪朝日新聞」掲載の記事がデータベースで検索してヒットするのかを確認してみました。  欄外記事について見てみましょう。拙稿で使用した「大阪朝日新聞」明治四一年(一九〇八)二月二二日付欄外記事として「記功碑除幕式」(原文には圏点あり)という表題の記事が掲載されていま

      • #175新聞記事の検索について(1)

         近年では、新聞もデジタル化が進み、紙の新聞購読よりデジタル版を見ているという方も多いのではないでしょうか。  デジタルの新聞の利点としては、紙面の大きさ、文字の分量にとらわれずに写真を大きく掲載したり、あるいは文章も紙面にとらわれない文字数で十二分な情報を提供出来るという利点があります。また、速報性という点においては、新聞紙面であれば、朝刊、夕刊、あるいは号外というタイミングになりますが、そのタイミングにとらわれずに、いつでも掲載、公表出来るという利点があります。  これ

        • #174江戸時代から明治時代にかけての木綿の話(三)

           前回、前々回と、どのようにして江戸時代の木綿産業が近代化していったのか、その品質、ブランド化の問題、および価格の推移を見ていきました。  今回は明治以降に綿布がどのように評価され、品質、価格の変化がどのように影響していったついて見ていきたいと思います。  なぜ高い評価であった河内木綿が衰退したのかというと、先の表の通りの高価格であったことが理由として挙げられます。というのも、これまで河内木綿の服を一着しか購入出来なかった層が、半唐、丸唐の製品であれば、二着、三着と複数持つ

        • 固定された記事

        #139AIに古文書は読めるのか? 続報

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        • 身近な史跡、文化財の楽しみ方
          27本
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          25本
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          4本
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          11本

        記事

          #173江戸時代から明治時代にかけての木綿の話(二)

           前回はどのようにして江戸時代の木綿産業が近代化していったのかを、その品質、ブランド化の問題から見ていきました。  今回はさらに具体的にどのように品質、価格が推移していったかについて見ていきたいと思います。  前回、縦糸、横糸ともに国産の木綿糸から織った綿布が江戸時代には流通しており、明治以降の産業化に伴って、機械紡績に耐え得る、毛足の長い、細い外来綿糸を使うようになり、国産の綿糸は機械化に伴って徐々に衰退していったと述べました。また、綿布はこれまで日本国内では、国産の綿糸

          #173江戸時代から明治時代にかけての木綿の話(二)

          #172江戸時代から明治時代にかけての木綿の話(一)

           以前に「#045河内木綿の盛衰と地域の産業構造の変化ー論文執筆、落穂ひろい」において少し書いた江戸時代から明治時代にかけての木綿産業について、今回は補足も兼ねて記したいと思います。  江戸時代に各地で広く生産された木綿。各地で生産されることで、もちろん競合や産地ごとの品質の良し悪しが出てくることになります。著者が分析対象とした「河内木綿」は、毛足が短く、糸が太かったために、布地にした際に厚手で丈夫であったことから、主に作業着などの用途に用いられていました。この河内木綿を含

          #172江戸時代から明治時代にかけての木綿の話(一)

          #171墓や石碑の管轄について(二)

           前回に引き続き、警察による墓や記念碑の管轄についての話を記したいと思います。前回は「衛生警察」という観点から、警察が墓や記念碑を管轄しており、その根拠として「墓地及ヒ埋葬取締規則」という法令がある、ということを記しました。  「墓地及ヒ埋葬取締規則」によると、第二条に、墓地や火葬場は警察が所管する旨が記されており、第八条には、「凡ソ墓地ノ内外ヲ問ハス碑表ヲ建設シ履歴伝賛ヲ彫鐫セントスル者ハ所轄警察署ノ許可ヲ受クヘシ」とあり、墓碑や記念碑なども含めて石碑などを建設する場合に

          #171墓や石碑の管轄について(二)

          #170墓や石碑の管轄について(一)

           これまでにいくつかの話で石碑についての話題を書いてきましたが、今回墓や石碑の管轄についての話を記したいと思います。  著者は墓や石碑についての研究をしていますが、どのように史料を探してきたか、というと、これまで紹介してきた、墓碑や記念碑などについての史料は、偶然にして地域に残る古文書から発見したものも多くあります。あるいは、墓や石碑の現場に行って写真を撮影する、ということも行って情報収集もしています。しかし、実は一定のルールがあり、探しどころが何処か、というポイントがあり

          #170墓や石碑の管轄について(一)

          #169幕末維新の志士とその顕彰(五)―身近な史跡、文化財の楽しみ方(25)

           前回は大正三年(一九一四)に建立された伴林光平の二つの記念碑に関連して、実は明治二五年(一八九二)に既に記念碑建立の動きがあったことが明らかになる史料を新たに二つ見出した旨を記しました。今回はその二つ目の史料について紹介します。  次に二つ目の史料、「伴林翁建碑寄附金取扱手続」についてですが、これは、謄写版ので史料で、七条の条文から構成されており、その内容としては、寄付金は金額を問わずに受け取ることや、受付期限が明治二五年一二月三一日とすること、記念碑には寄付額と氏名を記

          #169幕末維新の志士とその顕彰(五)―身近な史跡、文化財の楽しみ方(25)

          #168幕末維新の志士とその顕彰(四)―身近な史跡、文化財の楽しみ方(24)

           以前に「幕末維新の志士とその顕彰(二)―身近な史跡、文化財の楽しみ方(15)」という文章で、幕末の志士・伴林光平に関する史跡ついて紹介しました。今回はその続報です。  伴林光平(一八一三~一八六四)は河内国志紀郡林村(現在の大阪府藤井寺市林)の出身の人物で、浄土真宗の寺院・尊光寺に生まれ、西本願寺の学寮や大和国の寺院で仏道修行をし、各地で国学や朱子学、和歌を学んだ人物です。弘化二年(一八四五)からは河内国若江郡成法寺村(現在の大阪府八尾市)の教恩寺の住持を務めます。文久元

          #168幕末維新の志士とその顕彰(四)―身近な史跡、文化財の楽しみ方(24)

          #167戦時体制への音楽の活用-戦時下の河内音頭、続報(2)

           今回は仏教音楽協会と盆踊りについて、調べてみたことを紹介したいと思います。  仏教音楽協会の発刊している書籍の『仏教聖歌』には、「花祭の歌」や「仏教青年会会歌」、「盆会の歌」、「仏さま」など、筆者などは聞いたことのないような歌ばかりが掲載されたことを前回に記しました。今回は盆踊りについて紹介したいと思います。「#081戦時体制への音楽の活用-戦時下の河内音頭」でもふれましたが、昭和一一年(一九三六)八月一九日に八尾別院大信寺において仏教盆踊り大会が開催され、その際には参加

          #167戦時体制への音楽の活用-戦時下の河内音頭、続報(2)

          #166戦時体制への音楽の活用-戦時下の河内音頭、続報(1)

           以前に「#081戦時体制への音楽の活用-戦時下の河内音頭」という内容で文章を書きましたが、今回はその続報です。  国立国会図書館や大学図書館で「仏教音楽協会」について調べてみたところ、いくつかの仏教音楽協会発刊の書籍にたどり着きました。余談ですが、筆者の通っていた大学は仏教系の大学だったのですが、学生時代は明治維新史で卒業論文、修士論文を書いたので、ついぞ宗教のことなど調べたことがありませんでした。ふと、そう言えば大学が仏教系だったよな、と思い出して図書館で検索すると、いく

          #166戦時体制への音楽の活用-戦時下の河内音頭、続報(1)

          #165農業関係のデータベースを楽しむ

           著者は下手の横好きで、いろいろな分野の研究、執筆を行っています。それも学芸員が「雑芸員」と言われるゆえんでもあるのですが、担当したテーマでの展示やレファレンスに対応をすることで、必要に応じてさまざまな分野について調査、研究をすることになります。短期間でその分野について調査をして成果を挙げることが求められるため、如何に様々なツールにアクセスできるかが勝負になると言えるでしょう。今回はそのような少し専門外の分野について調査をした際のお話です。  以前に、「#011Import

          #165農業関係のデータベースを楽しむ

          #164国立公文書館デジタルアーカイブを楽しむ(2)

           前回に引き続き、国立公文書館デジタルアーカイブについて紹介します。  前回は「公家系図」が包括的に公家のことを調べることが出来る史料である旨を記しました。今回は「府県史料」について述べたいと思います。  「府県史料」は明治前期の各府県で作成された文書で、近世の各地域でどのように藩から府県に引き継がれたかなどを記した史料です。国立国会図書館憲政資料室の史料紹介によると、太政官正院歴史課の編纂で、一道三府四一県分の史料が政治部、制度部の二つに大別されて採録されています。  

          #164国立公文書館デジタルアーカイブを楽しむ(2)

          #163国立公文書館デジタルアーカイブを楽しむ(1)

           昨年度まで、自治体史執筆の仕事を引き受けておりましたが、無事刊行され、次いで別件の余業を昨年から引き受けています。基本的に近代地域社会史を中心に研究していますが、たまにちょっと守備範囲外の仕事の依頼もあります。ただ、守備範囲外とはいえ、興味関心があればお引き受けしており、それが仕事の幅になって言っているのではないかと思っています。  さて、今回はその余業で調べものをしていた時のお話です。  最近は調べものをするに際して、インターネットを活用することが非常に便利になっていま

          #163国立公文書館デジタルアーカイブを楽しむ(1)

          #162いきものコレクションアプリ「Biome(バイオーム)」も使ってみた(2)

           前回の「#161いきものコレクションアプリ「Biome(バイオーム)」も使ってみた(1)」では動植物の判別ソフト「バイオーム」を使って、実際に植物の判別を試みてみました。  今回はさらにこのソフトの特徴がどのようになっているかを実際に触ってみた感触を記したいと思います。  次にちょっと意地の悪い使用の仕方をしみてましょう。次に挙げる写真は、ヤブツバキとヒサカキが混植されている(混在して植えられている)ところを撮影したものです。このような状況の写真を判別に掛けると、かなりの

          #162いきものコレクションアプリ「Biome(バイオーム)」も使ってみた(2)