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炒飯と可能性と山田章博賞と
●ノベルジャム2018参加記録 [追記]
3月26日、グランプリをはじめとした授賞イベントであるノベルジャム2018アワードへと赴く。どの作品がグランプリを獲得するのか、もちろん気にはなるが、それはそれとして、共に戦った仲間との再会の喜びの方が大きい。主催側も心得ているようで「今日はパーティーですから」とのこと。たった1ヶ月半前なのに、ひどく懐かしい。
結果はもう周知の事だけど、栄えあるグラン
ノベルジャムと再定義されたデザイナーと
●ノベルジャム2018参加記録 [最終回]
あれから1か月半が過ぎた。
ノベルジャムにおけるデザイナーの仕事は主に「創作物の顔としてのデザイン」だったけれど、終わってからの仕事は「コミュニケーションの担い手としてのデザイン」にシフトし、こちらも各所で活発に生み出されている。僕も多分にもれず色々とデザインさせていただいた。
出版自体が終わってのち、デザイナーとして送り出したものはざっと以下の通り。
昭和の終わりとハードボイルド・ワンダーランド
●ノベルジャム2018参加記録 8 [2日目 午後]
「ひつじときいろい消しゴム」のデザイン制作は昼食を挟んで集中して行い、概ね完パケ近くまで持っていけたが、一方の森山さん作品の表紙制作に本格的に入ったのは、午後もそこそこ回った頃だった。
とはいえ焦ってはいない。こちらは完成までのプロセスが既に見えているので、手探り感のあった「ひつじ」に目処がついていることもあり、むしろ余裕を持って制作に臨める
ひつじときいろい消しゴム
●ノベルジャム2018参加記録 7 [2日目 昼]
2日目からの仕事場となる大学院セミナールームへと赴く。
森山さんの案についてはドライブにアップしておいたサムネイルを共有し、基本このアイディアで進行することにOKをいただいた。
根木珠さんの方へは多少の説明を要するので参考資料を交えて提案し、スケッチとともに方針を確認。米田さん根木珠さんともにGOをいただき、こちらも共有が図られた。この日最初
羊とアリスと朝ごはん
●ノベルジャム2018参加記録 6 [2日目 朝]
森山さん作品(のちに「その話いつまでしてんだよ」でリリースされる)のアイディアについて一区切りしたところでもう一人の著者、根木珠さんのプロット、のちに「ひつじときいろい消しゴム」としてリリースされる作品の表紙に移る。
プロットを読む。どこか見知らぬ時と場所で暮らす羊飼いの少年が、現代日本の規定された世界にはめ込まれていく、というアウトライン。
脅迫状とマクガフィン
●ノベルジャム2018参加記録 5 [1日目 深夜]
寝部屋である。ラスイチの「一番搾り」をプシと開けつつノートパソコンを開き、共有ドライブにアクセス。先ほどまで同じテーブルで作業していた著者ふたりのプロットを改めて確認する。
ちなみに寝部屋の相方はBチームの編集、「のじー」さんこと野崎氏である。ちょうど背中合わせにデスクが置かれているのだが、背後からもカタカタと打鍵の音が聞こえてくる。集中して
プロットとヌルい大浴場
●ノベルジャム2018参加記録 4 [1日目 夜]
三木さんのありがたい言葉も頂戴し豚ソテー的な飯も食い、持っていよいよプロット作りに入るのだが、デザイナーの出番はまだ来ない。そりゃそうだ、まだどんな話かも決まっていないのだ。けれどもやることはある。とりあえずデザインの方向性のタネにしようと、著者の話を聞き出す。作風や、好きなものとか。平成と聞いて何を思い浮かべるか、とか。場が緩くなってきたらバ
顔合わせとタブレットTOTO
●ノベルジャム2018参加記録 2 [1日目 昼]
初日、怪しげな建造物が林間のそこかしこに聳える謎の施設、八王子の山中で訪れる者をひっそりと待つ大学セミナーハウスの周りは半月前の雪も未だ融けない酷寒の中にあった。というほど寒くはなかったけど、冬晴れの清々しい土曜日、決戦の場所へと赴いた。
バス停を降り、明らかに目的地を同じくする人々が緊張の面持ちでそれぞれ坂を登る中、たまさか一緒になったアンジ
ノベルジャム2018、前夜
●ノベルジャム2018参加記録 1
結果のみ端的に申し上げる。体重がおおよそ1.5キロばかり減った。
これはノベルジャム参加を挟んだビフォア・アフターのスコアである。1月に受けた健康診断では体重57.9、BMI値も22.2と標準的な40男であったが、減少した。多少の標高差はあれど、施設構内のお散歩程度の運動量で、基本的に学生の新陳代謝に合わせたメニューを提供する食堂にて2泊3日の毎食毎食、糖質
その時デザイナーは何を見ていたか
●ノベルジャム2018参加記録 序
これからノベルジャム2018におけるデザイナーの参加記録を書いていきます。なぜ書くのかを以下に記します。
デザイン、とリわけ商業におけるグラフィックデザインはいわゆる「創作」とは違い、それ自体が何かの価値を持つものではなく、情報の橋渡しをするコミュニケーション手段です。ゆえにこのようなイベントを契機に、セルフパブリッシングにおけるデザインの役割についての議論