見出し画像

2022ファジアーノ岡山にフォーカス39『 木山監督とプレーオフ 』

 有馬 賢二 前監督の後任として、J1での指揮経験のある監督という情報が出た時に、一番木山 隆之 監督に就任して欲しいと考えていた。そして、就任の発表があった時に、私は嬉しく、チームのJ1昇格への期待は大きくなった。やはり、愛媛でのプレーオフ進出の快挙が、とても印象が強い。

 そして、ストーブリーグでは、23ヨルディ・バイスや7チアゴ・アウベスといった今までの岡山では、想像できない選手の多くの加入が発表される中で、私は、岡山を6位予想で、願望は2位と期待したシーズン。

 シーズン途中の的確な補強もあり、自動昇格ができる2位には届かなかったものの34輪笠 祐士の獲得のように、積極的に動いたことで、3位にフィニッシュ。多くの岡山の記録を更新したシーズンとなった。

 しかし、木山 隆之 監督が、プレーオフに3度も敗れている事で、プレーオフに弱いのでは?という疑問を抱きがちであると思うので、私なりに簡単な記録を整理していく中で、その印象は、正しいのか、簡単ではあるが、考察していきたいと考えて、今回のフォーカスを作成することにした。

 全文無料公開。スキーやフォローや、購読などをして頂ける記事を目指しています。一人でも多くの方に読んでいただけると嬉しいです。

1、J1昇格プレーオフ(千葉編)

千葉の成績
2012年(5位)
勝ち点:72
成績(42試合):21勝 9分 12敗
得失点(+28):61得点 33失点
天皇杯:ベスト8
チーム最多ゴール:藤田 祥史(15ゴール)
チーム最多アシスト:兵働 昭弘(13アシスト)

3位~6位の成績
3位:京都:勝ち点74:23勝 5分 14敗
61得点 45失点(+16):平均(1.5得点 1.1失点)
4位:横浜FC:勝ち点73:22勝 7分 13敗
62得点 45失点(+17):平均(1.5得点 1.1失点)
5位:千葉:勝ち点72:21勝 9分 12敗
61得点 33失点(+28):平均(1.5得点 0.8失点)
6位:大分:勝ち点71:21勝 8分 13敗
59得点 40失点(+19):平均(1.4得点 1.0失点)

プレーオフの結果
1回戦
京都 0-4 大分
横浜FC 0-4 千葉
2回戦
千葉 0-1 大分(昇格)

2、J1昇格プレーオフ(愛媛編)

愛媛の成績
2015年(5位)
勝ち点:67
成績(42試合):19勝 8分 15敗
得失点(+8):47得点 39失点
天皇杯:3回戦
チーム最多ゴール:河原 和寿(11ゴール)
チーム最多アシスト:玉林 睦実(4アシスト)

3位~6位の成績
3位:福岡:勝ち点82:24勝 10分 8敗
63得点 37失点(+26):平均(1.5得点 0.9失点)
4位:C大阪:勝ち点67:18勝 13分 11敗
57得点 40失点(+17):平均(1.4得点 1.0失点)
5位:愛媛:勝ち点65:19勝 8分 15敗
47得点 39失点(+8):平均(1.1得点 0.9失点)
6位:長崎:勝ち点60:15勝 15分 12敗
42得点 33失点(+9):平均(1.0得点 0.8失点)

プレーオフの結果
1回戦
福岡 1-0 長崎
C大阪 0-0 愛媛
2回戦
福岡(昇格) 1-1 C大阪

3、J1参入プレーオフ(山形編)

山形の成績
2019年(6位)
勝ち点:70
成績(42試合):20勝 10分 12敗
得失点(+19):59得点 40失点
天皇杯:2回戦
チーム最多ゴール:大槻 周平(12ゴール)
チーム最多アシスト:中村 駿(7アシスト)

3位~6位の成績
3位:大宮:勝ち点75 :20勝 15分 7敗
62得点 40失点(+22):平均(1.5得点 1.0失点)
4位:徳島:勝ち点73:21勝 10分 11敗
67得点 45失点(+22):平均(1.6得点 1.1失点)
5位:甲府:勝ち点71:20勝 11分 11敗
64得点 40失点(+24):平均(1.5得点 1.0失点)
6位:山形:勝ち点70:20勝 10分 12敗
59得点 40失点(+19):平均(1.4得点1.0失点)

プレーオフの結果
大宮 0-2 山形
徳島 1-1 甲府
2回戦
徳島 1-0 山形
決勝
湘南(残留)1-1 徳島

4、J1参入プレーオフ(岡山編)

岡山の成績
勝ち点:70
成績(42試合):20勝10分12敗
得失点(+19):59得点40失点
天皇杯:2回戦
チーム最多ゴール:チアゴ・アウベス(16ゴール)
チーム最多アシスト:河野 諒祐(10アシスト)

3位~6位の成績
3位:岡山:勝ち点72:20勝 12分 10敗
61得点 42失点(+19):平均(1.5得点 1.0失点)
4位:熊本:勝ち点67:18勝 13分 11敗
58得点 48失点(+10):平均(1.4得点1.1失点)
5位:大分:勝ち点66:17勝 15分 10敗
62得点 52失点(+10):平均(1.5得点1.2失点)
6位:山形:勝ち点64:17勝 13分 12敗
62得点 40失点(+22):平均(1.5得点1.0失点)

プレーオフの予定
1回戦
岡山 vs 山形
熊本 vs 大分
2回戦
1回戦の各勝者(引き分けの場合は上位チーム)
決勝
勝ち進んだJ2の3位~6位のチームの内1チーム
vs
清水or京都orG大阪or福岡の何れか1チーム(10月29日試合結果を反映済み)

5、木山監督とプレーオフの考察

プレーオフ通算成績
2勝1分2敗
1回戦(2勝1分)
2回戦(2敗)

 プレーオフのシステム上では、4チームの内1チーム(制度変わって0チームの可能性もある)しか昇格できない条件の中であったが、その内2試合ではしっかり勝って2回戦(決勝)に進むも、そこで2度敗れて、昇格もしくは、決勝進出を逃している。特筆すべき点は、勝たないといけない状況の試合(1回戦)で、3試合の内2勝しているという点で、上位チームの心理的な隙を突いたのかもしれないが、1回戦では、愛媛での引き分けでの敗退を除いて、しっかり勝利して2回戦に進んでいる。

 2回戦では、何れも0-1で、力及ばず敗れはしたもののプレーオフ進出を決めた順位は、5位か6位での挑戦であり、リーグ戦での順位が、実力であるとすれば、上位のチームに対しても互角以上に戦えていたことを示す。千葉の戦力的な充実や勝ち点を考えると、責任を取って辞任してしまった通り、昇格できる力は、あったのではないかと感じるチームであった。

 今まで、木山 隆之 監督は、2回戦では何れも敗れており、1度目(千葉)は、6位の大分に0-1で敗れ、2度目(山形)は、4位の徳島に1-0で敗れている。

 2022シーズンの木山 隆之 監督は、岡山が、水戸→千葉→愛媛→山形→仙台に続いて、6チーム目のクラブであり、プレーオフも4度目。そして、初めて3位で、J2クラブと対戦する1回戦と2回戦を有利な条件で、戦うことができるシーズンである。開幕前の木山 隆之 監督の調べた記事もあるが、やはり決まった形を持たない中で、そのチームに合ったチーム作りをしてきた監督であることは予想していたが、シーズンの戦い方を見てもやはりその印象は正しかった。

 ただ、木山 隆之監督の挑戦の歴史はJ1昇格こそ手にできていなかったが、その経験は、木山 隆之 監督の感覚をより研ぎ澄ませて、ファジアーノ岡山に就任した一年で、個性が強いチームを、一つに束ねてきた。負けても勝利しても、チームの雰囲気の良さは感じられた。ここは、岡山らしさかもしれないが、岡山らしい強さを良い方向に導いたのは、木山 隆之監督の手腕によるところも大きかったのは、間違いない。

 木山 隆之 監督とファジアーノ岡山の歴史の中で、2回戦の壁を越えるは今まで出来ていなかったかもしれないが、今季の岡山であれば、その壁は、越えてくれるのではないか?そういった期待を抱けるチームではないだろうか?

 一回戦で当たる山形とは、2勝(実質3勝)こそしているが、これが2敗であれば、立場は逆であった。そう考えると、実質3位同士の試合と言っても過言ではない。引き分けでも良いという気持ちで挑めば、歴代の3位のチームのように1回戦で姿を消す事となってしまっても不思議ではない。

 しかし、ここを見据えて、岡山は勝てるチームを目指した戦い方をして来た。それによって、結果的には勝ち点を取りこぼした試合もあったかもしれないが、だからこそ辿り着いた強さもあるはずである。自動昇格こそ逃したが、それによって、プレーオフの2回戦の先の決勝、そして、その先のJ1に手が届く力をファジアーノ岡山は、手にすることを出来ていると信じたい。

 明日は、ファジアーノ岡山ファミリーの全ての方の力を結集して、J1に繋がるように選手を全力で応援したいですね!

 勝ちましょう!そして、1つの夢の実現に向けて進み、叶えましょう!

6、今だから読み返して欲しい記事

2022ファジアーノ岡山にフォーカス2
「木山 隆之新監督についての情報まとめ」

2022ファジアーノ岡山にフォーカス31
J2:35節:岡山vs山形(H)『唯一無二の風』

2022ファジアーノ岡山にフォーカス27
J2 第32節 横浜FC vs 岡山(Away)『 無情の結末と滾る決意 』

2022ファジアーノ岡山にフォーカス23
新潟vs岡山「魂の鼓動」

2021ファジアーノ岡山にフォーカス46
J2:第42節:ファジアーノ岡山 vs ジェフユナイテッド千葉
「有難う有馬さん、有難う椎名さん、有難うファジ」

 悔しい敗戦や上位チームとの激闘、42試合で得た経験、悔しさ、嬉しさ。全ての喜怒哀楽の感情が、岡山を強くし、3位へとたどり着いた。自動昇格を残念ながら無理であったが、岡山が目標として来たJ1昇格への可能性は、幸いにも残っている。

 それは、険しい道で、一緒に戦った選手のいるクラブとの対戦、想い入れのあるクラブ。そういった心情的にも厳しいクラブと最後に戦う可能性もあるが、チームとしてそういったチームに対しても、心を鬼して、勝利しなければ、昇格することはできない。

 ただ、挑戦できる喜びを1試合でも多く経験したい。そして、喜怒哀楽をファジアーノ岡山ファミリーと共に経験したい。どういった結果になるかは分からないが、岡山サポーターとして、今は、勝利を信じて応援したい。そういった気持ちだけである。

文章・図・写真=杉野 雅昭
text・figure・Photo=Masaaki Sugino

アディショナルタイム(おまけ)

ファジ造語

チアゴ・タイム
 7チアゴ・アウベスのプレーの一つ一つにサッカーを楽しむという遊び心があり、そこに技術が伴った左足の凄さを称えて「悪魔の左足」と、呼ばれている。その左足を活かして、何処からでも何時でも狙っていて、7チアゴ・アウベスが出場している時間帯は、岡山の大きな得点源と言える。

本山丸(イメージは真田丸)
 大阪の陣で、大阪城に迫る徳川の軍勢に対して、真田丸は、大阪城の弱点を補う出城として築かれた。23ヨルディ・バイスと5柳 育崇の弱点は、釣り出されたときや、スピードであるが、26本山 遥かが主に、そういった守備対応をすることで、3選手の良さをお互い引き出すことで、守備が安定して、堅守を構築に繋がっている。

参考
2022ファジにデータでフォーカス2
「中盤の真田丸(本山丸)」
2022 J2第2節 岡山 1-1 徳島 レビュー
は、こちら(別サイト:SPORTERIA)。
URL:https://sporteria.jp/blog/sugi8823/6905499896963403777

ヤバス要塞
 語呂を意識して、5柳 育崇の「ヤ」と、23ヨルディ・バイスの「バとス」の二文字を抽出して、「ヤバス要塞」と、表現した。防衛において重要な地点の砦。砲台もある砦のことも指す。高い対人守備だけではなく、ロングパスの精度やセットプレーの得点力があり、まさしく要塞と言える。攻守で強みを発揮できる「ヤバス要塞」として、難攻不落を目指す。

梅田アウォール
 ファジの最後の壁。ファイアウォールに比喩した表現。戦術や個の力、連動性といった攻撃で、ゴールを狙ってくる様々な攻撃をシャットアウトする。そして、バックパスの受け手として、フィードや組み立てる一人として、パス交換(情報通信)。後方からの冷静なコーチング(情報の発信)。多くの情報を整理し、最的確な決断ができるGKである1梅田 透吾の良さを表現したファジ造語。

0バックシステム
 攻撃的で積極的なオーバーラップや得点力のあるCBである5柳 育崇や23ヨルディ・バイスのCBの2選手と、SBが本職である26本山 遥といった流動性のあるDFラインを形成することで、攻守において、自由に動くことで、攻守での手厚い状態を作り、数的不利になりがちな局面で、数的有利の攻撃シーンを演出し、守備でも積極的なアクションで、事前にピンチの芽を摘み、流動性から生じる集中力と緊張感から、カバー&フォローで、リズムを作り出す戦術システムのファジ造語。

木山ファジVer1
 2022シーズンの開幕からトライした新システムの4-3-3。超攻撃的なサッカーで、7チアゴ・アウベスを軸とした、自由と個の力を前面に展開していく。選手のコンバートやルーキーの積極起用で、勢いと爆発力があった。攻撃だけではなく、前からの守備でも効果的で、嵌める・奪うから得点に繋げることのできた試合もあった。ただ、対戦チームの対策が進む中で、勝ち点3が遠く、順位を下げて行く中で、4-3-3の戦術的アップデートの一時中断からの路線変更を余儀なくされた。

木山ファジVer2
 10節という節目で採用された4-4-2。4-2-2-1-1とも言える形で、4-2-3-1とも言えるが、ダブルボランチを採用することで、攻守での安定感が高まった。有馬ファジの4-4-2とは違い攻撃的な選手と、ロングパスの得意な選手が多く、速攻を主体として、速さ・強さ・高さを前面に出して、ゴールに出したことで、今季のメンバーに寄せた4-4-2。効果的なサイド攻撃やカウンター攻撃は切れ味鋭く、中央ラインの強固さで、J2屈指の堅守となった。

ヤバスギタ山城
 柳の「ヤ」、バイスの「バ」と「ス」、喜山の「キ(’’)」、堀田と梅田の「タ」、そして本山と喜山の「山」。まさしく攻略の難しい山城。そしてセットプレー=飛び道具が効果的な組み合わせとして、岩政 大樹時代を彷彿させる高さと強さを感じる。今後も色々な選手や形を試して行く中で、より強固にして欲しい。

木山ファジVer2.5α
 現状の個の力に赴きをおいたサッカーに組織力を強化することで、攻守でのより高みを目指す。特に重視するのが、「主導権を握るサッカー」。ただ、現状は、後で回すだけに留まり、プレスを受けてしまうことやパスコースが限定される中で、前線の選手の自由が制限されてしまうことで、パスがカットされたり、ゴールに向かってシュートに行く前に奪われたりと、逆にカウンターを受ける事が多くなってしまっている。もしかすると、別の形を模索することとなるかもしれないが、現状は明確な方向性のサッカーを体現できていない。

木山ファジver3
 前半は、15ミッチェル・デュークを軸としたサッカーを展開し、7チアゴ・アウベスの投入を皮切りに、パスに赴きを置くサッカーに展開して行く中で、22佐野 航大のプレーの変化や15デュークと7チアゴの連携、SBの関与、セットプレーの回数を増やす事で、ゴールに迫るスパークをかけることで、90分間での得点機会増に繋がっている。ただ、自分達が主導権を握るサッカーという点では、依然として課題が残っている。そこを残り約10試合で、カバーできるかどうか。

雉プレス(ファジアーノプレス)
 90分間のフルタイムの間、岡山式のハイプレスを続けること。2トップ、2列目、アンカーの7選手が積極的に、前からプレスをかけて、相手の組み立てを大きく牽制し、ボールを奪えれば、強力な2トップと2列目の選手が襲いかかる。そのプレス網を抜けても最終ラインの選手が、前に出て対応し、プレスバックで、自由を与えない攻守一体の岡山式プレス。

木山ファジBEST Ver1
 木山ファジの完成形。岡山が採用してきた3バック、4バック、5バックを1つのサッカースタイルとして体現。時間帯によって形を変える事で、対戦チームの対策を許さない。個性豊か選手を巧く起用することで、個の力を最大限引き出す。チアゴタイム、本山丸、ヤバス要塞、雉プレスと組織と個を融合した攻守にアグレッシブな完成形の1つ。

木山マジック
 あらゆる選択肢と可能性にセオリーや絶対はない。挑戦から修正、そして正解に近づいて行く中で、サッカーの完成度、総合力を高めていく。チームとしての戦術の幅は広がり、対応できないサッカーにより近づく。徹底した個人戦術と、組織的に戦術を兼備。予測不可かつ大胆な起用や策は、実は最適格。正攻法もしっかり採用し、その本質を見抜く慧眼と決断する豪胆さを持った勝負師でありながらリアリスト。その一手で、勝利を手繰り寄せる。

岡山一体
 輪笠 祐士が「秋田一体」のDNAを岡山に持ち込んだ。その時と同時にチームは、コロナで主軸に陽性者が続出の危機的状況に陥った。ただ、「秋田一体」のようにチームの総力戦で、新加入の輪笠を含め、横浜FCにこそ敗れたが、結束して2勝1敗に乗り越えた。こうした経験がチームを一つにし、粘り強さと勝負強さを兼ね備えた結束力が、今の岡山にはある。

「岡山一体」のファジ造語の由来は、もちろんブラウブリッツ秋田の「秋田一体」

Okayama Style
「ハードワーク・堅守・デュエル」の3本柱をベースに4バックと3バックのメインシステムを軸にしつつ、攻守や状況に応じて変化する可変式を採用しつつも、システム自体も変更できる点が武器で、戦術の幅が広い。自由な発想をベースに個の力も躍動。自由と組織が一体となった新しいKIYAMA STYLEとも言える2022シーズンのファジアーノ岡山のサッカースタイル。

マリオネットストラテジー
 操り人形という意味ではなく、操り人形の構造をイメージしたファジ造語。選手と監督が意図(糸)で繋がっているが、選手と監督に主体性が存在して引っ張り合っても、切れない意図(糸)。それが、絶妙な組織力として強さに繋がっている。2022シーズンのJ2においては、試合の意図したように操る。この戦い方を極めていくことで、岡山の土俵で戦える術を岡山は、磨いてきた。対戦チームには、異質(別の競技)のサッカースタイルにも映るかもしれないが、これが、Okayama Styleの完成を目指すマリオネットストラテジー(主導権を握る戦略)によって、作り出されたサッカーなのだ。

ウルフシステム
 後方の守備のバランスとパスの選択肢を増やす事で、攻守でより手堅く戦える受けの守備スタイルカラーを強めた形。スペース(隙)を少なくして、距離感を良くすることで、安定が生まれた。その結果、前線の1トップ2シャドーは、攻守でより自由に動けるようになった。中盤からのインターセプトからのカウンターの切れ味や中盤から前に出て行く推進力もこの形の武器であり、魅力。今後のオプションの1つで、雉プレスも新たなフェーズに突入した。

岡山の矢(3本の矢)
 試行錯誤の経て3-1-4-2をベースとした3バックと4バックの可変式に辿り着いたOkayama Styleで得た3本の矢。1本目は、右サイドの全権を握る16河野 諒祐の攻守の上下動からの右足で生み出される攻撃の矢。2本目は、左WBを任せられるタイプの違う選手達の仕掛ける自由と崩す自由のゴールへ向かって行く攻撃の矢。3本目は、41徳元 悠平がCBを兼任することで負担を軽減し、90分間ロングスローをする可能とする攻撃の矢。

雉語録
 ファジアーノ岡山も歴史を歩むごとに多くの人がそれだけ絡んで来た。監督や選手だけではなく、スタッフやサポーター、ボランティア、記者の方々など。その1人1人想いは、歴史として語り繋がれる。中でも木村元社長、岩政先生や椎名選手、バイス選手の言葉は、人の心を掴んで来た。その言葉は、記事のように多くの人に伝わり、多くの人の心を動かした。そして、その言葉の数々は、雉(ファジアーノ)の言葉として、将来の世代へと羽ばたいていく。そうした言葉の1つ1つは、岡山の力となる。それが、雉語録である。

代表作
2021ファジアーノ岡山にフォーカス46
J2:第42節:ファジアーノ岡山 vs ジェフユナイテッド千葉
「有難う有馬さん、有難う椎名さん、有難うファジ」
は、こちら(別記事)。
URL:https://note.com/suginote/n/n511a1b501907

筆者紹介

杉野 雅昭
 某ゲームから野球派からサッカー派へと移籍。当時チーム名が、ジェフユナイテッド市原であった現ジェフユナイテッド千葉に興味を持つ。オシム(監督)と阿部 勇樹(選手)を中心にJリーグと代表をチェックしてきた。2008年より地元クラブであるファジアーノ岡山のサポーターデビュー。そこから、多くのファジの試合を見てきた。忘れることのできないエピソードが年々増え、シーズンを重ねる毎に想いは強く深くなり、2021シーズンは、初めて号泣。心からサッカー好きで、戦術の奥深さや、プレーの凄さなど、サッカーの本質での攻防にフォーカスを当てて、客観性と冷静さを意識した文章を投稿している。そのレビューへと突き動かす原動力は、サッカーへの情熱。熱さと冷静さを兼ね備えたフォーカスを今後も目指して、投稿を目指していくことで、サッカーの魅力の発信と、サッカーを通じた交流による、感動の共有と縁の繋がりが、楽しみ。ただ、たまに調子に乗り過ぎて失敗する悪癖もあるので、治したいとは思っている。そんな私ですが、noteやSNS、スタジアム等で、交流できたら嬉しく思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

ここから先は

0字

¥ 100

自分の感じた事を大事にしつつ、サッカーを中心に記事を投稿しています。今後とも、よろしくお願いいたします。