2022ファジアーノ岡山フォーカス12 J2:第6節:A: 大宮アルディージャ vs ファジアーノ岡山「スペース・剥がす・いなす」

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1、前置き

 大宮と言えば、浦和とのダービーが有名であった。長くJ1で戦えてきたのも大口スポンサーのNTTグループの存在が大きい。20年度の事業規模は、J2トップの約30億で、Jリーグ全体でも13位であった。監督も日本代表の元技術委員長であった霜田 正浩監督。ちなみに、当時の岡山は約13億で、30位で、倍以上の差があった。

 しかし、大宮は、試合開始前(5節消化)時点で、J2の22位の最下位に沈んでいた。6得点と、1試合平均で、1点を超えているが、守備は10失点でワースト3である。開幕から2試合で、横浜FC戦で、3失点。新潟、熊本、徳島の3試合で2失点。栃木戦では1失点と、いまだに、無失点に抑えることが出来た試合はない。個人のゴールにフォーカスを当てると、10河田 篤志が、3得点。左IHの19矢島 慎也、左SBの41小野 雅史と、22茂木 力也が、それぞれ1得点決めている。ゴールの内容も良い。セットプレー、クロスから、パスでの崩しからと多彩な攻撃パターン。10河田 篤秀に関しては、アウトにかけた技アリのシュートでのゴール、クロスに対して死角から前に出て頭と足で決めた2ゴール。どれも素晴らしいゴール。ただ、失点内容は、寄せやマンツーマンの対応が甘く、個人技でやられた失点や、その対応で与えたPKから失点している。そして、クロスからの失点を多く重ねていることから、自陣で跳ね返す力が弱いことが分かる。ただ、得点をしっかり決めることが出来ているので、守備が安定すれば、浮上してくることは間違いない。

 その大宮に挑戦する岡山。岡山というか大宮と対峙するチームは、浦和になれるかの挑戦となる。浦和と同じサッカーではなく、今季のJ2での大宮の意識の中での浦和の立ち位置に、近づけるかの挑戦で、ダービーの独特の殺伐とした雰囲気を望んでいるのではなく、大宮に認められることで、岡山には負けたくない。そう意識されるチームになりたい。岡山のチームカラーは浦和の赤とは違うワインレッドだが、岡山が、横浜FCと町田との試合を上位対決と意識したように、対戦する21チームに意識されるチームになれるか。そして、対策してきたチームに対しても勝つことが出来るか問われていく。

 岡山は、15ミッチェル・デュークが、オーストラリア代表でチームを離れている。その選手に代わりに20川本 梨誉が開幕以来のスタメン。リザーブには、出場停止明けの8ステファン・ムークと、コンディションを調整していた9ハン・イグォンが、満を持してリザーブ入りした。8ステファン・ムークの退場した心理的な影響と、9ハン・イグォンのコンディションなどは、気になるところではある。25野口 竜彦は、メンバー外となったが、同様に39白井 陽斗や、2廣木 雄磨といった選手は、リザーブ入りも難しくなるかもしれない。

 大宮の方は、なんと言っても岡山で主軸として活躍していたシーズンもある19矢島 慎也。正確無比の右足は、チームとしては当然警戒するところではある。セットプレーのこぼれ球をミートして突き刺して、岡山在籍時には岡山を救ってきた。10河田 篤秀もFWとしての得点パターンが多彩で、1番の驚異である。CHにベテランの7三門 雄大が、スタメン復帰、攻守での落ち着きを大宮にもたらすのか。DFラインには、20栗本 広輝が、初スタメン。守備のテコ入れをしてきたようだ。33田代 真一も息の長いCB。駆け引きも重要なポジションだけに、キャリアの長い選手が多い傾向にある。今回の大宮のメンバーで行くと、35南 雄太が、42歳で両チームで、1番のベテラン選手となる。GKは、奥の深いポジション。神セーブは、どのように生まれるのか。攻守で、最も沸くプレーが生まれる。ある意味、最も目立つポジションかもしれない。リザーブに目をやると、22茂木 力也が、J2民が長い私からすると、ボランチのCHや、リベロとしてのCBのイメージが強いが、大宮では主にSBで出場しているようである。そして、27中野 誠也。岡山でも裏の抜け出しからのシュートの巧さは、歴代の岡山に所属した選手の中でもトップクラスである。そのため、23ヨルディ・バイスと5柳 育崇の背後には、注意したいところである。なんだかんだ言って、選手名鑑をチェックしなくても知っている選手が多く感じる大宮。最下位であることが、信じられない戦力であることは間違いない。

 では、その大宮との一戦を振り返っていく。


2、決まらない1点

 ここまでの両チームの内容を考えたときに、点の取り合いになるのではないかという気持ちで、そういった試合への怖さと期待を抱き、キックオフの時をTVの前で待った。中でも19木村 太哉の前節の活躍を考えたときの期待度の高さは、第三者の解説者の方でも注目選手に推すほどであり、注目していた。実際に開始してしばらくは、ロングスローのこぼれ球に反応してシュートを放つも、GK正面で決められなかった決定機のシーンや、献身的な守備からの裏へ抜け出し、中に折り返して形にを作ったが、得点に、つなげることが出来なかった。

 そして、スコアは動く。正直またかという感じではあるが、19木村 太哉の横パスをカットされてカウンターを受ける。この後に、対応出来たと思われたが、16河野 諒祐の軽率なプレーで、ボール奪取されてしまい。41柴山 昌也の精度の高い速いクロスに、19矢島 慎也のダイビングヘッドでの得点を許した。19矢島 慎也の岡崎 慎司を彷彿とさせる泥臭いゴールであった。巧いだけではない19矢島 慎也の真骨頂。サッカーをよく知っていて、自分の持っているものを100%出し切るサッカーIQの高さは流石であった。

 それにしてもアシストを記録した41柴山 昌也のドリブル突破には、苦しめられた。対応する16河野 諒祐が止めきれないシーンも多かった。突破された後に、5柳 育崇か、23ヨルディ・バイスのどちらか、もしくは二人共、股を抜かれるのもお約束である。もしかすると、J2トップクラスの股の間を抜かれ率の高さを誇るかもしれない。国民的漫画であるキャプテン翼のドイツの大型GKデューター・ミューラーの弱点も股の間であった。忠実に、ここまで抜かれまくる必要はないが、慣れてはいけないが慣れてきた。それぐらい抜かれている。

 16河野 諒祐も攻撃の良さがある程度、発揮できた中で、守備対応が多くなると、どうしてもこういったシーンは増えてしまう。SBとWGの違いはあるものの、16河野 諒祐の攻撃参加はもっともっとみたい。クロスに合わせるという点では、受け手側だけではなく、出し手側にとってもまだまだ改善の余地はあると信じて見守っていきたい。

 それにしても23ヨルディ・バイスのシュートのこぼれ球の一連の流れで、GKのタイミングをずらすような冷静さがあれば決まっていたのではないか。14田中 雄大が、より厳しいサイドに流すシュートや、20川本 梨誉がループを打てていれば、7チアゴ・アウベスのヘッディングシュートが、もう少し内側であれば、23ヨルディ・バイスの前で、こぼれ球が止まっていれば。たらればだが何度も出てくる惜しすぎるシュートの連続であった。ただ、そもそも35南 雄太が、キャッチミスしなければというシーンではあったが、鬼気迫る体を張って、自らのミスを帳消しにする顔面でのセーブを含んだ神セーブで、35南 雄太が、絶体絶命の危機を逃れた。

 この試合、最大の決定機を決めきれなかった岡山は、1-0で大宮にリードを許して前半を終える。

3、想定外

 後半から顔面セーブの影響で下がった35南 雄太に変わり、31上田 智輝がGKのポジションに付いたことで、後半は大きく動くのではないかという期待感を、この時は、まだ抱いていた。8ステファン・ムークと、9ハン・イグォンが、いつ投入されるのかという楽しみもあった。19矢島 慎也のプレーをもう少し見ることができるのか、27中野 誠也には、出場機会はあるのか。この時はまだ、これから起こりうる展開は予想のできない中、通常の攻防を想像していたが、信じられない展開が待っていた。

 ただ、その前に勢い良く、後半に入っていく。体感的に、前半頭と後半頭は、岡山のゴールに迫る推進力はとても高い印象がある。この試合も例外ではなかった。20川本 梨誉が、前半とは打って変わって、前線で存在感を放つ。ポストプレーやシュートに繋げるパス、そして好セーブに阻まれたが、強烈なミドルシュートを打っていくことで、チームを勢い付けていく。ここから同点や逆転に期待も大きくなる。

 ところが、後半22分大宮に再びアクシデント。再びGKが負傷交代することとなった。JリーグデビューであったCBの栗本 広輝か、急造GKのポジションを任されることとなる。大宮は、シュートを打たせないために、5バックに変更して、徹底的にスペースを消し、クリアもはっきりとさせることで、岡山のロングパスを前線に入れていく攻撃を無力化した。シュートすら打てない時間が続く。そこで、8ステファン・ムーク、10宮崎 幾笑、9ハン・イグォン、6喜山 康平、22佐野 航大と攻撃的なカードを立て続けに投入する。形が出来そうで出来ないという時間帯が続く。

 本職のGKが不在となる状況で、ゲームが壊れてしまう展開と、ゲームが堅くなる心配も同時にあったが、後者となった。ファジ的には、勝ち点3の逆転が理想ではあったが、サッカーの試合的には、見応えのあり、岡山としては考えさせられる攻防となった。大宮の高い集中力を感じる驚異的な粘りの前に、岡山の拙攻もあって、アディショナルタイムの同点打まで20分間以上も、シュート1本に抑えられた。大宮が、一つのケースとして、想定はしていた可能性はあっても、実際に綿密な戦術練習や対策をしていたとは考えにくく、その中でも5バックが機能した時の堅さを、身を持って感じた試合となった。有馬ファジの勝利の方程式であった5バックは、対戦チームからするとこんな感じであったのかと感じた試合となった。同時に、現段階だと、終盤の有馬ファジに勝てないのでは感じると同時に、開幕してから波に乗れない千葉の例もあるので、強さをシーズン跨いでも、維持することは難しく、あの決断はどうであったのかと、ついつい考えてしまう。ただ、もう過ぎたことであり、今は木山 隆之監督の手腕に期待し、これから強くなると信じて、ファジを応援していきたいと、自身に言い聞かせていく気持ちと、自然と成長を期待してしまう気持ちが入り混じっている。

 試合終了間際に、同点に追いつくことが出来たが、チームとしての粗さが、90分間通してどうしても出てくる。この辺りを、影山 雅永監督、長澤 徹監督、有馬 賢二監督。何れの監督のチーム作りも手堅いチーム作りではあったが、それとは全く違うアプローチで、高い理想を持ってチームを作っていると感じた。安定感を求めるのであれば、3-4-2-1にして、5柳 育崇と、23ヨルディ・バイスの背後や動く守備をケアするスピード系のCBと組ませる方が安定すると思うが、木山 隆之監督は、前から行くことで、甲府戦のような爆発力をチームとして安定的に出せる底力を高めていくことで、理想を高く持っていると感じる。どこかのタイミングで、守備に比重を置いていくことは、十分考える中で、この試合の大宮のように、守備にピッチを縦横無尽に走れる選手をIHというよりは、DHの表記となるぐらい守備的な選手を入れていくことで、チームを安定させていく方向に微修正することを迫られるかもしれない。

 何れにせよ、アクシデントの際に苦笑いしてしまう事態の大宮の選手の変な力みを失ったことで、本来の個の力をだすことが大宮は出来たのかもしれない。見返して貰えば分かるが、同点ゴールを許した直後には、すぐに立ち上がれない大宮の選手がいるように、勝ち点3、今季初勝利への執念、ホームの意地、選手としてのプライド。様々な心理的な要素を力に変えていたことが、大宮の選手から犇犇(ヒシヒシ)と感じた試合となった。岡山もこういった勝利への執着力を発揮することで、横浜FCのように、接戦をものにして、勝ち点を積み重ねていく。町田のように安定的に個の力や組織力を結果に繋げていく。こういったことが出来ないと、序盤ではあるが、自動昇格争いに、絡めなくなる可能性すら出てきている。

4、スペース・剥がす・いなす

スペース:自由にプレーを選択できる
剥がす:マークを避けてのパスコースを作る
いなす:プレスを避けて前を向くプレー

 守備を固める大宮に対して、攻めあぐねたことで、岡山の攻守の本質と課題が見えてきた。

【 スペース 】

 まずは、スペースに関しては、岡山は「ミドルシュート」という武器がないのが、最大の弱点であることが、周知の事実となってしまった。打てる選手は、出場機会を掴んでいる選手では、20川本 梨誉と、7チアゴ・アウベスの2選手のみである。岡山としては、幅や高さを使って、スペースを作り出す工夫をしているが、そもそもスペースを空けて対応する気がないチームに対しては、あまりに無力であることが分かった。7チアゴ・アウベスに対して、シュートコースを空けなければ、この試合のように壁に当たって、ゴールまで届かない。それでも強引に打とうとするため、壁に当たるシーンは多かった。20川本 梨誉も守備対応をしていれば、前をなかなか向けない1トップであり、前を向かれてしまえば、対戦チームにとって、ピンチのシーンであることが多く、前を向いた時には、実際に20川本 梨誉からそういったシーンが生まれている。

 この試合のように、ロングパスを蹴って、こぼれ球を拾っての選択肢がドリブルやクロスであっても、ミドルシュートがないので、ゴール前を固めれば良い。ドリブルで如何に突破しようが、競り勝ってもゴールをこじ開ける術がなければ、ゴールどころかシュートすら打てない。その結果、特定条件下、つまり、スペースがない状態での深刻な得力不足に陥ってしまったのである。この状況を打破する手段としては、20川本 梨誉のIHでの起用や、ここまで出場機会を掴めていない28疋田 優人の怪我からコンディションが回復し、チームにフィットしてきた時に、メンバーに入れていくことも考えたい。9ハン・イグォンもそういったゴール動画も多く、そういったプレーには期待したい。もしくは、移籍ウインドが開いたときに、ミドルシュートという武器があって、プレースキッカーを任せられる選手の獲得。こういった手を打てば、得点力は間違いなく上がる。本当に、スペースを作るために、ミドルシュートが打てる選手がいればと強く感じた試合となってしまった。

【 剥がす 】

 次に剥がすことに関しては、パスの受け手ではあるが、チームとしてフリーで受ける状態が作れず、出しどころを探すシーンが、後ろで目立つ。プレスを受けているという制限下でのパス回しが常に強いられていることで、パスミスやパスが通る前にインターセプトされるというシーンが続いている。チームとして、パスを引き出す選手が、如何にマークを剥がしていくのか。ここが、不十分。もしくは、そういった動きや受け手が少ないことで、出しどころに困って、結局ボールロストしてしまうというシーンが散見されている。中盤の人数が少ないことや、システム的な噛み合わせ故に仕方ない側面こそあるが、特にSBの選手の所でのボールロストが際立って多く、CBの2選手のように、ロングパスを蹴る余裕があればいいが、そういった状況は少なく、どうしてもボールロストするという結果になっている。ここの交通渋滞が解消されて、スムーズなパス回しが出来るようになれば、チームが劇的に良くなるが、それが出来なければ、チームとしての一種の限界というか大きな成長の障壁ともなりうる。

 試合を重ねる毎に、良くなってはいるが、それ以上に研究され対策の方が先行している感がある。監督やコーチなどと違い、試合しか見ることができないサポーターの立場の私達には、この打開策というのを見つけるのは、困難かもしれないが、他のレビュワーの方も選択肢の一つして可能性を言及していたアンカー(AN)を廃止して、2ボランチにするという選択肢も視野に入れていく必要もあるかもしれない。27河井 陽介が降りてきて、フォローしてチームを助けていて、実際に中盤において、トップクラスのボール関与率を誇っているが、一人に出来ることには限界がある。22佐野 航大のSBや26本山 遥のSBもテストされてきたが、状況の打破までは至らず、4バックをやる上での粗さばかり目立っている。2ボランチどころか、3バックも当然取りうる選択肢である。水曜に、試合があるので、メンバーのターンオーバーも考えられ、何らかのヒントや新たな選択肢が見つかる試合となってほしい。

【 いなす 】

 当然、パスの受け手としてできることはある。プレスをいなすプレーである。ボールコントロールで、プレスの対象からボールを離して、安全圏にいなすことができなければ、奪われて即失点に繋がる絶体絶命に陥るプレーであるが、今季の岡山では既に何度か見受けられるプレーでもある。23ヨルディ・バイスは、技術のある選手なので、少し怖いとはいえ、そのプレーが出来ている。同時に、プレスを受けても前に出ていくプレーだけではなく、通す確率を高める正確なパスを出す技術が、岡山のサッカーを展開していく上で、不十分であるように感じる。バックパスや横パスが多いほど、プレスやマークの影響を受けているため、マークを剥がすだけでは限界もある。有馬ファジでは、プレス方向さえも限定して、プレスを誘い込んでいるのではないかと感じるぐらい「いなす」プレーが出来ていた。細かいボールコントロールが難しい長身CBコンビであることも考えられるが、こういったプレスで、ビルドアップが制限されるようでは、ビルドアップは巧く行っていないと考えるべきで、逆にプレスを制限させて、プレスを誘い込むと感じられるぐらいの安心感が必要である。

 5柳 育崇と、23ヨルディ・バイスが、足元の技術が高いだけに、パスを出すという意識が高く、周りをフォローするという優先順位が低くなっている。何もしない訳ではないが、ビルドアップをしていくというよりは、何処にフィードを出すかという意識が高く、その間にプレスを受けて、横パスやバックパスなどを、プレスの追走を受けて出してしまい、受け手となった選手が、出し手としてパスを出すときに、苦し紛れのパスとなって、ラインを割るシーンが目立っている。この辺りを、どうバランスをとるかが、攻守での主導権を握るための一つのテーマとなる。ここが、クリアできれば、別チームなのではないかというぐらい劇的に、変わることとなることは間違いない。CBの組み合わせを弄るのか、システムの並びを変えるのか、約束事を徹底した上で自由にプレーする方向転換か、考えられる選択肢は、修正だけでチームを良く出来るのが、理想ではあるが、決断する必要性を迫れる時が来るかもしれない。今後、その辺りに注目していきたいが、現状でもワクワクするサッカーを出来ているが、ここ3試合で、0勝2分のというのもまた事実である。

5、次節に向けて

 昇格組の岩手(盛岡)との一戦。いわきと岩手が、紛らわしくて間違えまくっているため、申し訳ないが、岩手(盛岡)という表記で、通していきます。どういったチームなのか、あのJ3を勝ち抜いてきたチームなので、この試合もむずかしくなることは、間違いない。

 個人的には、ターンオーバーによるメンバー変更によるサッカーの変化の可能性があるかどうかに注目している。スタメンをここまで、固定されることは予想外ではあったが、納得の采配で、着実に前進している。その成長のベクトルを少しでも強くするサッカー。そこに期待したい。

文章・図=杉野 雅昭
text・picture=Masaaki Sugino

ファジ造語

チアゴタイム
 7チアゴ・アウベスのプレーの一つ一つにサッカーを楽しむという遊び心があり、そこに技術が伴った左足の凄さを称えて「悪魔の左足」と、呼ばれている。その左足を活かして、何処からでも何時でも狙っていて、7チアゴ・アウベスが出場している時間帯は、岡山の大きな得点源と言える。

本山丸(イメージは真田丸)
 大阪の陣で、大阪城に迫る徳川の軍勢に対して、真田丸は、大阪城の弱点を補う出城として築かれた。23ヨルディ・バイスと5柳 育崇の弱点は、釣り出されたときや、スピードであるが、26本山 遥かが主に、そういった守備対応をすることで、3選手の良さをお互い引き出すことで、守備が安定して、堅守を構築に繋がっている。

参考
2022ファジにデータでフォーカス2
「中盤の真田丸(本山丸)」
2022 J2第2節 岡山 1-1 徳島 レビュー
は、こちら(別サイト:SPORTERIA)。
URL:https://sporteria.jp/blog/sugi8823/6905499896963403777

ヤバス要塞
 語呂を意識して、5柳 育崇の「ヤ」と、23ヨルディ・バイスの「バとス」の二文字を抽出して、「ヤバス要塞」と、表現した。防衛において重要な地点の砦。砲台もある砦のことも指す。高い対人守備だけではなく、ロングパスの精度やセットプレーの得点力があり、まさしく要塞と言える。攻守で強みを発揮できる「ヤバス要塞」として、難攻不落を目指す。

梅田アウォール
 ファジの最後の壁。ファイアウォールに比喩した表現。戦術や個の力、連動性といった攻撃で、ゴールを狙ってくる様々な攻撃をシャットアウトする。そして、バックパスの受け手として、フィードや組み立てる一人として、パス交換(情報通信)。後方からの冷静なコーチング(情報の発信)。多くの情報を整理し、最的確な決断ができるGKである1梅田 透吾の良さを表現したファジ造語。

0バックシステム
 攻撃的で積極的なオーバーラップや得点力のあるCBである5柳 育崇や23ヨルディ・バイスのCBの2選手と、SBが本職である26本山 遥といった流動性のあるDFラインを形成することで、攻守において、自由に動くことで、攻守での手厚い状態を作り、数的不利になりがちな局面で、数的有利の攻撃シーンを演出し、守備でも積極的なアクションで、事前にピンチの芽を摘み、流動性から生じる集中力と緊張感から、カバー&フォローで、リズムを作り出す戦術システムのファジ造語。

筆者紹介
 某ゲームから野球派からサッカー派へと移籍。当時チーム名が、ジェフユナイテッド市原であった現ジェフユナイテッド千葉に興味を持つ。オシム(監督)と阿部 勇樹(選手)を中心にJリーグと代表をチェックしてきた。2008年より地元クラブであるファジアーノ岡山のサポーターデビュー。そこから、多くのファジの試合を見てきた。忘れることのできないエピソードが年々増え、シーズンを重ねる毎に想いは強く深くなり、2021シーズンは、初めて号泣。心からサッカー好きで、戦術の奥深さや、プレーの凄さなど、サッカーの本質での攻防にフォーカスを当てて、客観性と冷静さを意識した文章を投稿している。そのレビューへと突き動かす原動力は、サッカーへの情熱。熱さと冷静さを兼ね備えたフォーカスを今後も目指して、投稿を目指していくことで、サッカーの魅力の発信と、サッカーを通じた交流による、感動の共有と縁の繋がりが、楽しみ。ただ、たまに調子に乗り過ぎて失敗する悪癖もあるので、治したいとは思っている。そんな私ですが、noteやSNS、スタジアム等で、交流できたら嬉しく思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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自分の感じた事を大事にしつつ、サッカーを中心に記事を投稿しています。今後とも、よろしくお願いいたします。