スギモトユニ

大学卒業から約10年間、関西で文化財修復の仕事に従事。2017年からイタリアで彫刻活動…

スギモトユニ

大学卒業から約10年間、関西で文化財修復の仕事に従事。2017年からイタリアで彫刻活動を始めました。インスタ、フェイスブック、ツイッターの方で日常の活動を発信しているのでそちらもよろしくお願いします。https://www.yuji-sugimoto.com/

最近の記事

作品の輸送と協力される事へのリスク。

初めまして。イタリアで彫刻をしているスギモトユニです。 私は12月19日からイタリアのプラートで始まる展覧会の準備のためにプラートという街に行ってきました。 こういう展覧会の形式を何と言うんでしょうか?ボクは美術で育った人間ではないので分からないんですが最初に作品の選考があって合格者だけが展覧会に作品を出品できます。コンペティションみたいなもんです。それに選ばれて作品を運びに行きました。 最初はいつもの運送屋に作品の発送を注文しようと思っていたんですが今回の作品は通常の

    • コンペの話。どんな勝負も勝ち切らないと意味がない。

      初めまして。イタリアで彫刻をしているスギモトユニです。ボクは12月6日にイタリア北部の街、ヴィツェンツァという街で行われたアートのコンペティションでファイナリストに選ばれていたので授賞式に参加にしに行きました。 会場は第二次世界大戦時に地下病棟と防空壕を兼ねたBunker di Caldognoという施設で行われました。会場には展示を許されたアーティストの作品のみが並びました。その中から9人のファイナリストが選ばれます。ボクはその9人の1人でした。 ヴィツェンツァには作品

      • 「イタリア人を殺しに来た」と言われる留学生。

        初めまして。イタリアで彫刻をしているスギモトユニです。ボクはイタリアのアカデミアでよくこう呼ばれます。 「イタリア人を殺しに来た日本人」「まだ戦争を続けている日本兵」 後から聞いた話だと今までボクのような日本人はいなかった、と教授達に言われました。納得も出来たし理由が面白かったので今回、記事にしようと思いました。 これでアナタも日本兵と呼ばれるかも、、、。 ◼️「イタリア人だからね、、、。」という言葉では絶対に許さない。周りのアジア系の学生は揃えてこのセリフを言います

        • 建築業界から海外に来て実感出来る自分の存在、その1。

          ボクはイタリアに来るまで日本から出たことが無かった。漫画、アニメの見過ぎで外国が本当にあるのかさえ心の底から信じていなかった。田舎に住んでいた事もあって外国人と見る機会もほとんど無かったと言っていい。全ては画面の向こうの話だった。 しかし大学生の時にたまたまボクをお世話してくれた教授達がイタリアに留学経験があってイタリアで彫刻を勉強する事はボクにとって通過点の一つとして人生の中にセットされていた。そこから教授の言う事をそのまま真に受けるのがシャクだのといつまで経っても反抗心

        作品の輸送と協力される事へのリスク。

          すぐに分かるイタリア人学生の恋愛関係。

          初めまして。イタリアで彫刻をしているスギモトユニです。 今回はボクの知っている狭い範囲ですがボクが所属しているクラスの恋愛事情について書こうと思います。なぜかというと最近またボクの周りで恋人関係になった生徒達がいてあまりの変貌ぶりと共通点に気付いて面白いなと感じたからです。彼らは関係が発展すると劇的に変化します。日本人としては恥ずかしくて見ていられない笑。 ◼️5つの共通点。作業中だって一緒。ずっとピッタリ。ボクがイタリアに来て2年が経ちましたが合計で5組のカップルを見る

          すぐに分かるイタリア人学生の恋愛関係。

          イタリア、カラーラの彫刻事情。

          初めまして。イタリアで彫刻をしている杉本ユニです。 今日はボクが住む大理石の街、カラーラの彫刻事情について話そうと思います。カラーラはフィレンツェやローマのように有名な観光地ではありませんが大理石で発展してきた少し特殊な街なので彫刻に対する考え方も他の地域と違っていて面白いと思います。 ◼️歴史ある大理石の街、カラーラ。ご存知の方もいると思いますがカラーラは大理石の産出で世界的に有名です。有名な芸術家ミケランジェロが彫刻用の大理石にカラーラ産を使っていた話はイタリアで有名

          イタリア、カラーラの彫刻事情。

          イタリアのアートフェアで見た南北の差。

          初めまして。イタリアで彫刻をしている杉本ユニです。 今回はイタリア国内で最大級のアートフェア、Artissimaに行ってきた事を書きます。 ボクがアートフェアに行く時はもちろん現在イタリアのギャラリーがどんな作品を取り扱ってるのか、それと作品が売れる瞬間、ギャラリストとコレクターがどんな会話をして感情を盛り上げているのかを見に行っています。 ボクはずっと建築業界にいたのでアート業界はもちろん、そこに関わる人達と話したことは日本にいる時はありませんでした。だから日本、海外

          イタリアのアートフェアで見た南北の差。

          イタリアで遺品を求めて。

          ある日、ボクの電話に普段、アルバイトさせてもらっている日本人の知り合いから電話がかかってきた。 大学の実習室にかつて在籍していた日本人の作品が保管されてるから確認してきてほしいという事だった。誰の作品の事か聞いた時、ふとイタリアに来て最初の頃に聞いた話を思い出した。 それはボクがイタリアに来る一年前に自殺した日本人留学生の話だ。 ◼️入れ替わりで入っていたボクその学生は日本で職人関係の仕事をした後にイタリアに来たようで年齢も結構高かったように聞いた。自殺する数日前まで周

          イタリアで遺品を求めて。

          イタリアンアタック !!第一回:予想以上のデキ。

          初めまして。イタリアで彫刻をしている杉本ユニです。 今回はボクがイタリアで心の底から「ここは日本と同じではない!!」と痛感した出来事を話そうと思います。勝手知ったる日本ですぐイライラしてたらイタリアでは寿命が縮みますよ。(笑) ◼️打ち合わせしたじゃん・・・?ボクはイタリアに移り住んでからすぐに自分の露出を上げるために作品の展示機会を探し始めました。そのためにインターネットでコンペティションを検索していたらイタリアのオリンピック協会がコンペを開催していたのですぐにそれに応

          イタリアンアタック !!第一回:予想以上のデキ。

          だからこそ怒れ。怒りのエネルギー。

          初めまして。イタリアで彫刻をやっている杉本ユニです。 みなさん最近、激怒しましたか?自分や他人を許せなくて爆発した記憶はありますか?今回は怒りの感情について自分のケースを考えていこうと思います。 今回はボクの怒りの根本を見つめてみようと思いました。ボクと直接、会った事がある人間はnoteはやってないと思うんですが自分でいうのも変ですがボクは結構、怒りっぽいです。常に4割くらい怒って歩いています。この性格で周りに迷惑をかけて生きてきた事は自覚しています。しかし自分の怒りの感

          だからこそ怒れ。怒りのエネルギー。

          暴力を肯定してしまう自分。

          初めまして。イタリアで彫刻をしている杉本ユニです。 今回はショッキングなタイトルですが自分が成長出来たと思えたキッカケについて話そうと思います。昭和のど根性論が満載ですがこういう世界も否定して欲しくないのです。 もし暑苦しい根性論が嫌いな方はここで読むのを辞めて下さい。ボク個人の非常に偏った考え方だと思います。でもボクはこの経験で成長出来たと思うので批判はお手柔らかにお願いします。(笑) ボクは4年間の大学生活を終えた後、左官の道へと進みました。格闘技に夢中だったのでや

          暴力を肯定してしまう自分。

          イタリア人学生とお昼ごはん。

          初めまして。イタリアで彫刻をしている杉本ユニです。 今回は・・・というか今日の話です。留学で大学とかに入るとどうしても他の学生とご飯を食べる時間に遭遇してしまいます。 「なんか文章の表現おかしくね?」と思った方がいると思いますがボクは人とご飯を食べるのが苦手なんです。でも海外では一人で出来る事が限られているしあまり孤立し過ぎるのも印象が良くないのでイタリアでは頑張って他人とご飯を食べます。こういう時、心から思うんです。 「友達作ったりコミュニケーションが目的の留学が出来

          イタリア人学生とお昼ごはん。

          ヨーロッパの玩具屋さんの話。

          初めまして。イタリアで彫刻をやっている杉本ユニです。 ボクの趣味の事を書こうと思います。ボクにとって趣味は本当に重要で絶対に切っても切れない関係だと言えます。 それは玩具です。具体的に何かジャンルがあるわけでもないんです。とにかく玩具が好きなんです。ガンプラやミニ四駆でもロボットでも車でもプラレールにシルバニアファミリーでもボードゲームでも何でもいいんです。とにかく玩具を見ているのが好き。言うなれば「玩具屋」に行くのが大好きなんです。 そんな趣味のせいかイタリアに留学し

          ヨーロッパの玩具屋さんの話。

          留学先の土地柄って考えました?

          こんにちは。イタリアで彫刻をしている杉本ユニです。 みなさんはどんな場所に住んでいるでしょうか? noteは日本語なので日本に住んでる方が大半だと思います。ボクはイタリアに留学するまで日本から出た経験が一度もありませんでした。今回はボクが留学している場所の土地柄の事と予想外だった出来事を書こうと思います。 ボクが留学している大学はカラーラという街にあります。もしかしたらご存知の方もいるかも知れませんがこの街は大理石が非常に有名です。石切場のある山も一見するだけだと雪が被

          留学先の土地柄って考えました?

          芸大から職人の世界へ入るきっかけ。

          こんにちは。 今回はボクがイタリアに渡るまでのストーリーを書こうと思います。 ◼️強くなりたい:ボクが職人の世界を目指したのは大学4年生になろうとしている時です。当時のボクはブラジリアン柔術に熱中しており毎月発売される格闘技雑誌は全て買うほどに入れ込んでいました。そんな精神状態でやっぱり思うわけです。 「弱者は罪。強くなりたい。」 今考えると高校まで男子校にいたのも影響してか女子の割合が圧倒的に多かった大学の雰囲気に馴染むことが出来ていませんでした。だから毎日、道場に

          芸大から職人の世界へ入るきっかけ。

          挨拶と現状。

          みなさん、こんにちは。杉本ユニです。 初めての投稿なので読んでくれた方に少しでも近く感じてもらえる様に簡単に自身のことを説明させていただきます。 ◼️経歴:ボクは大阪芸術大学で彫刻を学んだ後に約10年の間、関西で左官として店舗内装や文化財修復に従事してきました。そして現在はイタリアでアート活動に専念しています。 すごい簡単に書きましたがこんな感じの人間です。ではどうしてnoteを始めたかというと特別な理由は何もないんです。海外生活を経験した方なら共感してくれるかもしれま

          挨拶と現状。