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多様性を受け入れる意味とは?

※ このエントリは"iCARE Advent Calendar 2021" 4日目です。

iCARE Advent Calendar 2021向け記事として、当初は12月1-2日に開催されたCarely Sustainable Expo 2021の振り返りを書こうと思っていたのですが、別途インタビュー記事になる予定なのでこのカンファレンスのセッションテーマとしても取り上げられていた多様性について、思うところを書いてみたいと思います。

お伝えしたいことは、以下の3点です。

1️⃣ 何となく普段使っている言葉の意味を具体的に自分の頭でちゃんと考え、実行しよう。

2️⃣ マネジメント側の都合でメンバーに同質化を一方的に押し付け、個性や発想を阻害していないか振り返ろう。

3️⃣ 採用時に自分と同じタイプの人間ばかりを選んでいないか、チェックしよう。


1️⃣ 何となく普段使っている言葉の意味を具体的に自分の頭でちゃんと考え、実行しよう


昨今、多様性、ダイバーシティという言葉がメディアでさかんに取り上げられていると思います。

おそらく健康(経営)という言葉同様、「多様性はけしからん!」と思う方は同質性が高いと言われている日本人の中でも少ないのではと推測します。

しかし、なぜ多様性が大事なのかを掘り下げて考え、具体的な行動に落とし込んでいる組織・個人はまだまだ少ない印象です。

おそらくそれが日本で多様性がなかなか実現しない理由の一つなんだとも思います。

人間には現状維持バイアスがありますからね。

そういう自分も最近まで深くは考えられていませんでした。

そこで下記3冊の本などを読み、多様性の意味合いを改めて考えてみました。


2️⃣ マネジメント側の都合でメンバーに同質化を一方的に押し付け、個性や発想を阻害していないか振り返ろう


人は自分と同様な考え方、外見をもつ人に囲まれている方が安心でき気持ちよく感じます。

チーム内のコミュニケーションコストも少なくて済みます。

一方でこの同質性からの居心地の良さは、発想の豊かさ、イノベーション、リスクの検知という観点ではマイナスに作用します。

口当たりがよく病みつきになるフライドポテトやソーセージなどが、実は体の健康にとっては大きなリスクであるのとある意味同様ですね。

多様性と同質性 (3)

複雑な社会現象に対応するには、一人ひとりの能力がある基準で優秀な人を多数集めるよりも、能力にバラツキがあるものの多面的視点をもった異なるタイプの人を多数集める方が、組織全体としてのパフォーマンスが高まるというわけです。

上述の「多様性の科学」の中では、個人個人で見れば高い洞察力を備えているものの、集団でみると盲目になり、9.11のテロ計画を未然に防ぐことができなかったCIA職員の長年の同質性によるパラドックス問題が指摘されています。

また、ジェット機黎明期の1940年代末から1950年代、墜落・急降下などの事故(1950年2月だけで172件)の原因究明に悪戦苦闘していた米空軍において、問題は機械系統や電気系統、パイロットのスキルでなく、標準規格化されていいたコックピットにあったと指摘されています。

実際、パイロットの10箇所の身体測定の平均値の大小30%以内を許容範囲として設計されたコックピットに対して、実は10箇所すべて許容範囲に収まったパイロットは4,000人中ゼロだったと。

この問題に気づいた後、コックピットをパイロット個人個人の多様な体格に合わせて可動式に設計し直したところ事故は激減し、設計コスト上昇分は事故によるコストに比べわずかだったようです。

このコックピットの設計方針は、学校での教育企業の従業員に対する様々な施策にも当てはまる問題といえそうです。


皆さんも学生時代、変テコなルールとかありませんでした?

僕が在籍していた中学・高校では、真冬でも全員毎朝上半身裸になって白いズボンに着替えさせられ、校庭を何周かしてラジオ体操をするという行事を行っていましたw

世の中には「ポニーテール禁止」、「傘は無地のみ」とか、多種多様な細かい謎ルールが未だあるようで。。

これらは歴史を紐解くと、島国という地理的特性による人の非流動性と、地震・津波・台風といった自然災害の多さからくる復興のための集団結束力の強さに起因するとも言われています。

平成初期までの人口増加とともに経済全体が成長していた時代はこうした同質化した人材の方が好都合でしたが、失われた30年を経た現在は全く環境が異なりますからね。

もちろん同質化や標準化がすべて悪いわけではなく、時代や対象とする問題によってむしろ取り入れたりする方がメリットが大きいとは思います。

実際、システムのリリース前のテストなどではプロセスを標準化する方がスムーズです。

3️⃣ 採用時に自分と同じタイプの人間ばかりを選んでいないか、チェックしよう


急成長する組織では特に人材採用が極めて重要ですが、ここにも気づきにくい同質化問題の罠が潜んでいるように思います。

人間は理性的に考えていかないと、自分に似たタイプの人を好きになりやすいからです。

応募する人材の方も、事前に応募会社や面接官の情報をSNSなどで事前に調べて相手に気に入られるようにふるまいがちなので、ますます似た者同士が集まりやすくなります。

その結果、先にふれたようにイノベーションやリスク検知が難しくなるというわけです。

”人類とイノベーション:世界は「自由」と「失敗」で進化する”というイノベーションの歴史を分析した書籍からわかるのは、イノベーションは自然淘汰に似たプロセスを通して多様な人々が協力する中で起こる、段階的・漸進的・集積的な現象ということです。(下記「ブックレコメンド」というサイトに「そら丸」というペンネームで書評を寄稿しています。)

イーロン・マスクやジェフ・ベゾスのような一人の英雄の才能だけで成し遂げられてきたものではないのです。

下記12月4日付けマイナビニュース記事にあるように、iCARE社では企業と従業員の関係や事業成長のための健康施策において、一律のルール適用ではなく従業員一人ひとりや企業ごと違いをいかに活かしていけるかを大事にしています。


わがマーケティングチームでは下記広報・PRWebマーケターのリーダークラスの人材を募集中で、毎月面談・面接を行っているのですが、上記のことに留意していきたいと、改めて思っているしだいです。

異質で個性的な方。カジュアル面談からでも歓迎です。下記リンクよりぜひエントリーください!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
少しでも気づきがあったら「スキ」や「フォロー」をください!僕もそら丸(うちの猫)も跳んで喜びます!

※ iCARE Advent Calendar 2021の明日はDev VPoEの安田が投稿します!

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