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【入社エントリ】アラフィフからのリスタート。Z世代の熱量の中で。

マーケティング・リサーチ、いわゆる生活者調査をメインの仕事にしてきた僕が、最近とある出会いの機会に恵まれ、成長真っ盛りのベンチャー企業にジョインすることになった。

その企業の名は「僕と私と株式会社」。
“Z世代の企画屋さん”として、Z世代に特化した企画・マーケティングに強みを持つ企画会社(に留まらない勢いさえ感じる組織)だ。

今回は、僕と私と株式会社(ぼくわた)に入社したての自分が、ぼくわたでの仕事、それを通じて感じたことなどを、「入社エントリ」として記録していこうと思う。ぼくわたに興味関心のある方、もしかしたら一緒に働くことになる方に届くといいな…。


自己紹介とこれまでの経歴

既にいくつかの記事にも書いたことだけど、僕自身の簡単な自己紹介と経歴を改めて。

地元はドの付く田舎。南北を山に囲まれ、見渡すと田んぼと畑と神社と火の見やぐら、古めかしい一軒家がぽつぽつと並ぶ谷あいの村で生まれ育った。
自然だけは豊かだったが、田舎特有の息苦しさみたいなものが肌に合わず、そこから逃げるように東京の大学・大学院を出て、そのまま関東でメーカーの研究職に就いた。

入ってみるとそこは古き良きモノづくりの現場。朝はラジオ体操で始まり、ひたすら紙やフィルムに薬品を塗り付け品質をテストする実験の繰り返し。それはそれで価値があることかもしれないが、単なるモノづくりに飽き足らなかった僕は新たな道を模索し始める。

独学で初級シスアド(ITパスポート)などIT・WEB系の資格を貪るように取得。その後マーケティングの世界に可能性を感じ、業界を調べていく中で、理系の資質も生かせそうなリサーチャーという職業を知った。
メーカーを3年で辞め、いわゆる伝統的な(紙アンケートなどを中心とした)調査会社に転職した。20年ほど前のことだ。

そのいきさつは下記に。

その後、ネット系調査会社や総合マーケティング会社を経たのち、家庭や両親の事情もあり地元にUターンすることになる。
それでも調査の経験値を活かしたかった僕は、フルリモートでリサーチの仕事ができる環境に行き着き、フリーランスのリサーチャーとして新たなスタートに立った。それがちょうど3年前のことだ。

そして今回、縁あってぼくわたのメンバーとしてジョインすることに。

何の自慢にもならないが、僕はいわゆるロスジェネど真ん中。アラフィフのおじさんである。そんな僕が自分の年齢をガン無視する形で「Z世代の企画屋さん」に…。もともと年齢とかあまり気にしないタイプだったが、自分的にはそれなりに「事件」だった。


なぜぼくわたを選んだか

調査の仕事をするには調査会社。
フルリモートでの仕事を求人サイトで探していた僕は、それが単なる固定観念だったことに気付いた。消費者調査、コンシューマーリサーチ、インサイトリサーチ、企業によって表現は異なるが、調査会社ではないITコンサル、事業会社、マーケティング関連企業でもリサーチャーの需要は少なからずあることを(今更ながら)知ることになった。

そんな中でひときわ目を引いたのが「ぼくわた」だった。リサーチ結果をマーケティング施策に生かすという本来の目的を達成するには、調査会社よりも企画・マーケティングを得意とする会社での方が活躍の幅が広がりそうだと感じ、また若年層リサーチを何度となく手掛けていた自分にとって、Z世代の動向を継続的に追いかけてみたいという個人的な想いもあった。

リサーチは究極的には「人間理解」。とかく人は「見たいもの」しか見えない、「聞きたいこと」しか聞こえない、「信じたいこと」しか信じられないという側面があるけれど、それを受容・理解した上で、自分は何を見て、聞いて、何を信じるのか、を深く思考する姿勢に人の知性が宿ると思っている。その知性に迫るのがリサーチであり、とりわけインサイト、N=1の生身の人間、人となりを丁寧に紐解いていくことで、大ヒットまではいかなくても小さなヒットを確度高く生むことに繋がる。

僕がこれまでに手掛けた若年層対象の調査で浮かび上がってきたのは、SNSで自己表現をしたり他者承認を得たりしながら、特有の生きづらさを抱えつつも、いかに自分らしさを手に入れていくかで試行錯誤する現代人の姿そのものだった。それは僕のようなX世代、その下のミレニアル世代(Y世代)など、世代を問わず現代を生きる人々に一定の共感が得られる感覚だと思う。Z世代を科学することは、現代を生きるあらゆる人たちの深い理解に繋がるのだ。

ぼくわたには、それができる環境がある。
コアメンバー、そして代表(著書を事前に読んでもいた)との面談を通じてそれを確信し、Z世代から遠く離れていた自分を、彼らと同じ海に放り込むことを決断した。

※ちなみに代表の著書はこちら↓


ぼくわたでの担当業務

所属したのはインサイト事業部。いわゆる定量調査、定性調査を企画・実行し、集計分析を経た見解をまとめて施策のヒントを抽出するインサイトプランナーという職種だ。世にいういわゆるリサーチャー、リサーチプランナー等と同じ位置づけになる。

インサイト事業部では大きく、クライアントワークと自社調査プロジェクトの二つが(時に絡み合いながら)進行している。

クライアントワークは文字通り、クライアントのマーケティング課題を受けて調査課題・仮説に落とし込み、調査企画を提案、設計・実行する。ここは調査会社でやってきたことと近しい。ただぼくわたは企画会社(それもZ世代に特化した)であるため、どれだけ具体的な企画に落とし込めるような調査結果、インサイトを得られるかが勝負だったりする。ここが単に調査だけをソリューションとする調査会社との大きな違いだろう。

一方、自社調査(自主調査)はZ世代のライフスタイルや価値観を炙り出し、彼ら彼女らの志向性や意識・行動を明らかにするために、自主的にテーマを設定して行う、比較的自由な調査プロジェクトだ。直近だと投資働き方サロンといったテーマで定期的に調査をかけており、結果をプレスリリースやnoteなどで発信している(働き方に関する調査には、僕も全面的に関わった)。いわゆる調査結果リリースという広報施策で、これも調査会社などで自分も関与したことのある業務だ。

僕はどちらかといえばクライアントワーク寄りのポジションで、お客様のマーケティング課題に応じたインサイト調査(定量調査、定性調査)の設計・実行・分析・報告業務がメイン。インサイト事業部にはもう一人、調査設計から分析までを専業で行うメンバーがいるが、彼女と協力してクライアントワークのみならず、自社調査の企画・進行にも一部関わっている。

ハッキリ言って、めちゃくちゃやりがいと手ごたえのある仕事だ。ベンチャーならではのスピード感と勢い、熱量が半端ない。Z世代の企画屋さんは働く人もほとんどがZ世代。お互いをリスペクトし合いながらプロ意識をもって高いパフォーマンスを発揮している。年齢を言い訳にする余地なんてない。一緒に働く仲間が生き生きしている、というのが何より心強い。

ぼくわたでは最初の数か月は「トライアル採用」という形のいわゆる試用期間がある。実際にトライアルとして働いてみた感想は二言に集約される。

  • 働きやすい(フルリモ・フルフレ、コミュニケーションが取りやすい)

  • やりがいの宝庫(面白い仕事が多い、経験値が活かせる)

これまで経験してきたどの会社よりも刺激的でパワフル。一方、フリーランスとしての参画なので自分のライフスタイルに合わせて働き方をある程度自由に選択できる。ワークライフバランスは非常に取りやすい。

おかげさまでインサイト事業部も多種多様なクライアント様から調査のご依頼をいただくようになってきた。今はリサーチャー2名で何とか回しているが、この調子だと近いうちに人手不足になりそうな予感がしている(苦笑)ので、調査に関心がある人や経験者、人の行動や心理を読み解くのが好きな人にも、ぜひ注目していただきたい会社でもある。

全社あるいは事業部ごとに、不定期で「ごはん会」があったりする。和気あいあい。


これからやっていきたいこと

Z世代の熱量が渦巻く「ぼくわた」の中でやっていきたいことが今のところ二つほどある。

一つは、Z世代に特化した調査パネルの構築。現在はまだ、定量調査にしろ定性調査にしろ、一般の調査会社が保有するパネルを用いて調査を実施しているが、一般提供されているZ世代に特化した調査パネルというのは現状ほとんどない。
だったら自前で創っちゃえばいいんじゃない?ということで、Z世代の代弁者となるような自社モニター組織を構築したいと考えた。

もちろん定量調査、定性調査の基盤にもなるし、共創・開発型ワークショップなどのメンバーをアサインすることもできるような体制が構築できれば、ぼくわたならではの強み・競争力になると考えている。モニター組織という形でも良いし、あるいはZ世代のコミュニティ、ファンクラブみたいなものになるのかもしれない。

最初はポイ活目当てであっても、調査に協力することが回りまわって自分たち向けの商品・サービス開発に活かされる(社会貢献)ことが実感できる仕組みになると良いなと妄想している。調査に協力するのは良いことだ!という価値観を浸透させたい。(実際、社会貢献そのものではある)

もう一つは、上記とも絡むのだが、Z世代コミュニティリサーチの基盤づくりをしてみたい。マーケティングリサーチ業界では一昔前に「MROC(Marketing Research Online Communities)」という手法が半ばバズワードのような形で流行したのだが、近年大手プラットフォーマーが次々撤退するなど、国内リサーチの世界には今一つ根付かなかった。
一方でSNSが浸透し、ファンマーケティングが脚光を浴びるなど、Z世代のマーケティングとファンコミュニティの存在は切っても切れない関係にある。時代が一周して、再びコミュニティ型の調査手法が希求されているのではないか、というのが僕の仮説だ。

大手では既に自社コミュニティ(会員)を抱える企業も多く、ユーザー体験やエンゲージメント向上を目的とした施策が日々行われている。ロイヤルユーザーを巻き込んだ商品開発に取り組む企業も多々ある。

一方で、ファンマーケティングの重要性を理解しながらも、なかなかそこに踏み込めない企業も世の中には多い。Z世代コミュニティリサーチはそんな企業(特にZ世代ターゲットの企業)にとって、課題解決の糸口になるのではないかと思うのだ。

更に付け加えるなら、ぼくわた流のZ世代リサーチを業界標準化したいという野望も最近芽生えてきた。これはまだ概念的な域を脱していないが、インサイト事業部の取り組みが、Z世代リサーチのスタンダードとして業界を代表する存在にまで昇華されると嬉しい。もちろん僕も、その一翼を担う存在でありたいと願っている。

「Z世代の企画屋さん」の一員となった今、アラフィフリサーチャーとして、残りの仕事人生をこの会社に全投入していきたい。それが今の素直な気持ちだ。

飼い猫がゲーミングチェアの上で丸くなって寝る姿を眺めながら、ひとり静かなる熱狂を抱えている。


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