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地元愛強めの昭和生まれフリーランス。 化学屋さんから調査屋さんに転向して気付いたら20…

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地元愛強めの昭和生まれフリーランス。 化学屋さんから調査屋さんに転向して気付いたら20年近く生活者の行動と意識を探り続けていました。 人生回り道しすぎて常に迷子ですが、悪運だけは強い(らしい)。生きろ。 ISFJ/擁護者

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【入社エントリ】アラフィフからのリスタート。Z世代の熱量の中で。

マーケティング・リサーチ、いわゆる生活者調査をメインの仕事にしてきた僕が、最近とある出会いの機会に恵まれ、成長真っ盛りのベンチャー企業にジョインすることになった。 その企業の名は「僕と私と株式会社」。 “Z世代の企画屋さん”として、Z世代に特化した企画・マーケティングに強みを持つ企画会社(に留まらない勢いさえ感じる組織)だ。 今回は、僕と私と株式会社(ぼくわた)に入社したての自分が、ぼくわたでの仕事、それを通じて感じたことなどを、「入社エントリ」として記録していこうと思う

    • クラスター分析がうまくいかないあなたへ(簡易的クラスタ判別法の提案)

      クラスター分析。定量的なデータから具体的なユーザー像をタイプ分けし、ペルソナを作る場面などで多用される、マーケティングリサーチの定番分析手法だ。 基本的にはデータ傾向が「似たもの同士」を束ねてグループ分けする。ビッグデータ(データマイニング)の世界でも使われるが、僕の専門領域は一般的に言うところのアンケート調査なので、その前提で考える。 クラスター分析自体は、SPSSとかの高額なツールを使わなくても、もっと安価な分析ツール、調査会社が無償で配布している集計ツールなどにも機能

      • 徒然なるままに、情報量と幸福度について。

        久しぶりに仕事しない1日を過ごした。低気圧と湿度の影響なのか、身体は重く、心も若干鬱傾向に寄り気味のせいもある。パソコンを開いたが、企画書に事細かに書かれた(自分が書いた)文字列が脳内で像を結ばない。諦めてパソコンを閉じる。 積ん読の本を片付けたかったが、小さな文字を追うには目が痛くて、これも止めた。今日は何もしない日にしようと思った。 妻とダイソーに行き、300円の起き時計と1,000円の卓上扇風機を買った。いずれも妻が欲しがっていたもの。ダイソーので充分だよ。そう言う

        • 働くことを、諦められない。

          フリーランスと呼ばれるようになってから3年が経った。3年目、4年目といえば、会社員ならある程度中核社員として最前線で仕事をし、後輩の指導やマネジメントにも関わるポジションだろう。 スタートは遅かったが、それだけの年月を、会社というものに縛られない環境下で過ごしてきて思うことをつらつら書いてみた。独白にも近いけれど、何か引っかかるところがあれば誰かに読んで欲しいし、自分でもまた何かの折に読み返すことになるであろう要素を含む作文になった。 しばしお付き合いを。 残り時間の計

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        【入社エントリ】アラフィフからのリスタート。Z世代の熱量の中で。

          コミュニケーション、そして愛ある仕事について

          仕事がだいぶいい感じに詰まってきた。歓迎ではあるが、ミーティングの多い平日はなかなか着手できない案件もあり、土日にカバーして追いつく、みたいなことが多い。それができるのは一種フリーランスの特権(?)みたいなものだが。 本来、コンスタントに満遍なく仕事を進めたいタイプだ。夏休みの宿題みたいに期限ギリギリになって慌てて片付けるのが性に合わない。自信を持って作り上げた企画やロジックも、1晩寝て改めて見てみると穴があったり、方向性が微妙にズレていたりする。それをカバーするという意味

          コミュニケーション、そして愛ある仕事について

          扉が開くのを待っている

          関東甲信の梅雨入りが発表された翌日に東京へ行くことになった。元々決まっていた予定だし、梅雨シーズンなのは分かっていたものの、たっぷりの水蒸気をたたえた曇天の下では、駅に向かう足取りも決して軽くはない。 今回の上京は会社の親交を促すイベントで、まあいわゆる飲み会だ。わざわざそのために新幹線に乗ってまで行くのかと驚かれたりもするが、僕の上京理由なんて大概そんなものだ。 今日のためという訳でもないが、最近新調したスニーカーを足に慣らしながら歩く。駐車場からコンコースまでの階段を

          扉が開くのを待っている

          メンバーインタビューを受けてみて思ったこと

          ぼくわた(僕と私と株式会社)のメンバーインタビューを受けた。普段生活者インタビューしてる側だけど、逆にインタビューされたことなど皆無なので、必要以上に緊張した。なんかよくわからないことを口走っていたような気がする…。 インタビューの中で、以前書いたnoteの記事についての質問があった。 どうしてこのような想いに至ったのか、その背景を教えてほしい。 そんな質問だった。 昔から流行の最先端は原宿の女子高生から始まる、みたいな話があって、若者が時流の発信源だということは散々言

          メンバーインタビューを受けてみて思ったこと

          【小説】Eternity

          ジョニ・ミッチェル 半日かけ、8割方完成していた報告書ファイルをDeleteキーで消し飛ばしてしまい、思わず舌打ちした。バックアップとして唯一ローカルに保存しておいたファイルを開いてみたが、最初の3ページにしか手がついていない。わかっていたことだ。サーバ上のファイルをLAN経由で削除しちゃったらどうなるんですかね?そう隣の先輩に聞くと、先輩は画面と向き合ったままつまらなそうに答えた。消えるね、ゴミ箱にも入らずに、跡形もなく、消える。イッパツだよ。  もちろん僕だってそんな

          【小説】Eternity

          うまくいく組織、うまくいかない組織

          これまでに経験した社数は7社ほどある。大企業からベンチャーまで、多い方なのか少ない方なのか分からないが、それなりに渡り歩いてみて思うことは、世の中にはうまくいくタイプの組織とうまくいかないタイプの組織があるということだ。 うまくいかない組織の特徴を挙げるとすると、例えば、 メンバー同士の上下関係が強力(対等でない) 縦割り組織(隣が何をやってるのか分からない) ジョブ型でなくメンバーシップ型(専門性が育ちにくい) みたいなことに思い当たる。 特に3つ目はかなりクリ

          うまくいく組織、うまくいかない組織

          「タイトル未定」

          タイトル未定。いい言葉だ。 とかく人は(特にnoteユーザーは)にタイトルに凝る人が多い。noteは絶妙の長さとエモさでタイトルを付けるのが文化みたいになっている。読んで欲しい気持ちは分かるが、エモエモのタイトル合戦みたいになってて何とも居心地の悪さを感じたりもする。 自分の読書遍歴において絶妙にエモいタイトルと言えば村上春樹の「風の歌を聴け」や村上龍の「海の向こうで戦争が始まる」ぐらいだろうか。いや、それもnoteで流行ってるタイトルの付け方に比べたら大してエモくもない。

          「タイトル未定」

          Z世代っぽさって何だろう

          Z世代の企画屋「ぼくわた」に入社してから3ヶ月が経過した。結構怒涛の毎日で、いつの間にか会議回数も増え、それなりに忙しい日々を送っている。 これまでジョインしていた会社は調査系の仕事がだいぶ減っていることもあり、低稼働状態が続いている。気付けば「ぼくわた」が自分の本業になりつつある。 時々クライアントから求められるのが、「Z世代(若者)っぽい価値観を知りたい」というオーダーだ。Z世代が確実に消費の主人公になりつつあることの証左だと思うが、Z世代っぽさ、Z世代ならではの価値観

          Z世代っぽさって何だろう

          結婚式ロス

          40才を過ぎたあたりから、すっかり結婚式からご無沙汰になってしまった。 20代後半から30代にかけて、平均で年に1~2回、多いと3~4回ほど誰かの結婚式に参列する機会があり、嬉しいし有難いことだったが、いわゆるご祝儀貧乏みたいになっていた時期があった。 大学のサークル仲間や先輩、新卒で就職した同期、会社の同僚、親族の結婚式などに幾度となく参列し、新郎新婦に向けて「おめでとう」と笑顔を向ける。自分自身の結婚式で呼んだ相手からも大抵は招待状が届く。結婚式自体は恐らくプランナーが

          結婚式ロス

          昔書いた短編小説をリライトしてみました。メルマガで掲載した作品で前後半に分かれてる。前後半の「間」があった方が自分の作品らしさが出る気がしてそのままに。 創作大賞にはカスリもしないだろうけど、当時の乾いた人生観と戸惑いがよく現れた作品だった気がしています。

          昔書いた短編小説をリライトしてみました。メルマガで掲載した作品で前後半に分かれてる。前後半の「間」があった方が自分の作品らしさが出る気がしてそのままに。 創作大賞にはカスリもしないだろうけど、当時の乾いた人生観と戸惑いがよく現れた作品だった気がしています。

          【短編小説】フリーネス(後編)

           じゃあ、『職場の教養』をお願いします、大崎君。  はい、○月□日木曜日、“笑顔の力”。Aさんの働く事業所では、連日のように深夜まで残業が続きます。Aさん以下、5名のチームは――、  僕はブラインドの隙間から外の景色を眺めている。国道沿いの回転寿司店、カーショップの看板が見える。遠くには団地のマンション群が林のように建並んでいるが、工業地域であるこの地区には全体的に背の高い建物が少ない。 一つ一つの建物は細胞のように並んでおり、無数の電線が毛細血管のように走っている。寂れた

          【短編小説】フリーネス(後編)

          【短編小説】フリーネス(前編)

          「製紙研究室は、永岡室長が開発会議のため飯田橋事務所に出張です、17時頃戻ります。青山係長と島田主任が、水溶紙の試作立会いのため三島工場、大崎さんが導電パルプの評価で愛媛大学に出張です。3名とも戻りません。中田さん、岡本さんが有休、ほか出勤です」  背後に立っていた同期の新井君が小声で、ほかっていうか一人じゃん、と言って笑う。その通りだった。全体昼礼はまだ続いている。デバイス材料研究室は、赤池主任がキャリアテープの試作で明日まで福島工場、佐伯君と佐藤さんが認識装置の展示会で

          【短編小説】フリーネス(前編)

          君はそこで、輝いていた。

          仕事の関係や体調面など、様々な理由で活動自体は1年限定だったが、かつて弾き語りシンガーの真似事をしたことがある。 2004年から2009年にかけて、5年間にわたる文芸系のメルマガを発刊していたが、その活動を一旦終え、僕は何らか新しい創作的活動を欲していた。 当時の妻とは別居関係にあり、週末は1人の時間を持て余していた。国内SNSの走りであるmixiで暗い日記を書いたり、友人知人の近況をチェックする日々。社会人になり、転職で新卒同期との繋がりも希薄になり、出会いと言えばmix

          君はそこで、輝いていた。