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外資系製薬会社のメディカル部門(昔でいう学術部門)働いています。 業界内にいるからこそ…

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外資系製薬会社のメディカル部門(昔でいう学術部門)働いています。 業界内にいるからこそ発信できる内容を書きたいと思います。

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ワクチンのニュースの間違いを正していくのはとっても面倒という話

皆さまこんにちは。 バイオ、ヘルスケア関連について分析する記事を書いているしゅー(@SU_pharma)です。 ぼくは製薬会社で科学的な情報を取り扱うMedical Advisorというお仕事をしている関係で、新型コロナウィルスワクチンについて興味を持ち(投資をするためということもありますが)たくさんの情報・論文を見てきました。 一方で日本の報道、特に週刊誌などの報道を見ると、明らかに科学的に間違えた報道が多いのが気がかりで、多くの報道機関はワクチンは危ない、副反応がひど

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    • BioNTech, Moderna - COVID-19関連の思考整理

      皆さまこんにちは。 バイオ、ヘルスケア関連について分析する記事を書いているしゅー(@SU_pharma)です。 今回のnoteでは、目まぐるしく情報が更新されたCOVID-19ワクチン関連の情報を整理し、頭の整理として書いてみることにしました。 Disclaimer: 本記事は特定の株式に対して購入を進めることは目的としていません。  株式投資をする場合は自己責任でお願い致します。 それでは、COVID-19の疫学から確認します。 1. COVID-19の各国の状況C

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      • 第二回BNGO大会に参加した7つの理由

        皆さま、バイオ、ヘルスケア関連について分析する記事を書いているしゅー(@SU_pharma)です。 まもなくBionano Genomics(ティッカーシンボル : BNGO)の決算ですので、決算前に個人的な思考整理という意味でnoteをまとめてみました。 3月のバイオ銘柄の大きな調整の際にもう一度買いなおしたBNGOですが、個人的にはこれからも大きな躍進を期待しています。 これらの期待を今回は7つにまとめてみました。 Disclaimer: 本記事は特定の株式に対して購

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        • 2030年のヘルスケアと活躍しそうな企業

          皆さま、バイオ、ヘルスケア関連について分析する記事を書いているしゅー(@SU_pharma)です。今回は、NEJM (New England Journal of Medicine)という世界で最も権威のある臨床医学雑誌に"Health Care 2030: The Coming Transformation"というCommentary記事がありましたので、この記事の要約と考察をしていきたいと思います。 Last authorのDavid W. Bates先生はHarvard

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        • 企業分析
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          Livongoロスの君へ       DarioHealthの企業分析

          Twitterでのnoteネタのアンケートにご協力いただいた皆様、ありがとうございます。バイオ、ヘルスケア関連銘柄を分析しているしゅー(@SU_pharma)です。 アンケート前はCRISPR銘柄 ($CRSP, $NTLA, $BEAM, $EDIT)を書く気満々だったのですが、想定と異なりDarioHealth (ティッカーシンボル DRIO)が1位になってしまったため、今回はDarioHealthについてnoteを書いてみることになりました。 Disclaimer:

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          サイエンスで突き抜けろ!               BioNTech : JPM2021 ハイライト

          皆さまこんにちは。しゅーです。 先日はBNGOの記事を書かせていただきました。 今回はBioNTech(ティッカーシンボル BNTX)について簡単にupdateをさせていただきたいと思います。 今月にJP Morgan Healthcare Conference 2021がバーチャルで実施され、製薬企業をはじめとする400以上のヘルスケア関連の会社が発表をしました。 もちろんすべてを聞けてはいないのですが、BioNTech, Alnylam, Teladoc, Regen

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          bionano GENOMICS (BNGO) : BNGO大会はまだ続く

          皆さま、こんにちは。 本日のnoteでは、年末から米国株民を賑わせているbionano GENOMICS (ティッカーシンボル BNGO、以下BNGO)について、個人的な考えを書いていきたいと思います。 Disclaimer : 株式投資は自己責任でお願い致します。 なお、ぼくは製薬業界についてはある程度の知識を有していますが、医療機器の分野は専門外となりますので、素人のつぶやき程度の気持ちで見ていただけますと幸いです。 少し振り返ると、年末に米国株民の間でBNGO株が

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          bionano GENOMICS (BNGO) : BNGO大会はまだ続く

          RNAiのメインプレイヤー Alnylamとはどんな会社か

          はじめに先日、RNAi (RNA interference; RNA干渉)の概要についてnoteを投稿させていただきました。 今回は、そのRNAi技術を用いる会社の中でもメインプレイヤーとして知られているAlnylam(アルナイラム)について書きたいと思います。 まずは、簡単にRNAiについて復習しましょう。 RNAiとは標的遺伝子と同じ配列を持つ2本鎖RNA (siRNA)を細胞内に入れることで、標的となるmRNAを分解し、その機能を抑制する手法です。 RNAiの詳

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          創薬のモダリティの変遷と RNAiへの期待

          皆さま、年末はいかがお過ごしでしょうか。 COVID-19のワクチン開発がひと段落し、BioNTech, Moderna以降のバイオ銘柄の選定ということで、TwitterでRNAi銘柄に投資をすることを明言してきました。今回のnoteでは、なぜぼくがRNAi銘柄に投資をしようという考えに至ったのかということについて書いていきたいと思います。 創薬モダリティの変遷創薬のモダリティを分ける場合は色々な分け方があるのですが、今回は4つに分けて考え見ました。 1. 低分子医薬:

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          Pfizer/BioNTechのワクチンについての資料が公開

          アドコムの資料が公開昨日12/7からイギリスでPfizer/BioNTechのワクチンの投与が始まりましたが、本場アメリカFDAの諮問委員会で提供されるPfizer側、FDA側の資料が公開されました。 すでに色々なところで、FDAはEUA承認を決定するだろう、というニュースがありますが、1次情報を見るのが基本との姿勢に立ち返り、少し資料を振り返りたいと思います。 FDA側のまとめまずは、FDA側の資料です。53枚とかなりコンパクトな資料です。 有効性ですが、すべての患者

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          Pfizerのプレスリリースから見えてきた表と裏

          皆さん、いかがお過ごしでしょうか。 今回の記事では、2020年11月19日に発表されたPfizerのワクチンに関するプレスリリースの文面から読み取れること、そして今後の予想とさらにぼくの妄想についても少し発信したいと思います。 最後まで読んでいただけるとうれしいです。 Pfizerのプレスリリースのおさらい Pfizerからのプレスリリースでは、前回と比べてより詳細に情報が開示されており、ネガティブなものが1つもない、ピカピカの素晴らしい発表でした。本当にここまできれいなデ

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          Modernaのプレスリリース、その後の展開は?

          今回の記事では、2020年11月16日に発表されたModernaのワクチンmRNA-1273のプレスリリースについて、そして、その後どのような展開になるのかを個人の意見として発信したいとおもいます。 最後まで読んでいただけるとうれしいです。 ModernaのプレスリリースのおさらいModernaのプレスリリースはPfizer/BioNTechに引き続き2つ目の成功例でしたが、先日のPfizer/BioNTechに負けないぐらいのインパクトでしたね。 Modernaのワクチン

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          Teladocが好きになるnote : TeladocとLivongoのビジネスと合併のシナジー

          TeladocとLivongoが合併が8月5日に発表され、10月30日に正式に合併しましたね。この合併について、また各社におけるビジネスについてはとても素晴らしい分析をされている方がいらっしゃいますので、ぼくがそんなお話をしても墓穴を掘るだけかと思います。この記事では、Teladocのサービスと対象疾患を中心にnoteを書いてみたいと思います。 生活習慣病の罹病率TeladocもLivongoも癌のような複雑な診断が必要な疾患は対象としていません。 メインの対象疾患はプラ

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          Pfizerのワクチンは盤石か?そしてModernaは?

          2020年11月8日は科学が前進した1日昨日、2020年11月8日は歴史が動いた日になったと個人的には思っています。 ついつい、興奮していくつかツイートしてしまいましたが、PfizerのCEO Albert Bourlaのコメントには感動してしまいました。 Pfizer/BionTechワクチンのおさらいまずは、Pfizerのpress releaseの内容から今後を占うための重要なポイントをおさらいしましょう。 ご参考までに中間解析の考え方は以前のnoteに記載しています

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          Pfizer/BioNTechのワクチン開発が遅れることは良いことなのかもしれない

          Pfizer/BioNTechのワクチンの結果が間もなく発表みなさん、こんばんは。 今日も製薬会社のMedical Advisorとして、専門的な立場からワクチン開発について少し考えてみたいと思います。 以前、Modernaのワクチンについて少し細かくnoteに書いてみました。 Pfizer/BioNTechのワクチンの結果が間もなく出るころですので、今回はこちらに焦点を当ててお話します。 Pfizer/BioNTechワクチンのPhase3試験プロトコールのおさらいそれ

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          アデュカヌマブから学ぶFDAの承認プロセスと投資タイミング

          先日、FDAへの申請資料でFDAがアデュカヌマブについて好意的な文章があったことから、Biogenの株価が約40%、エーザイも20%ぐらい急騰しました。ただ、ルールを知っている人であれば、このタイミングで入ることはとても怖いことも理解しています。今回の記事では、FDAの承認プロセスについても振り返ってみたいと思います。 アドコムとは先日アデュカヌマブについて議論されたのはAdvisory Committee(アドコム)は医薬品の開発・評価に関する科学的・技術的な事項について

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