鈴鳴

ほんとのことはポケットの中に

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おばあちゃんは愛の人

 なんてことはない1日の終わり。いつもみたいにくだらないことで笑ったり苦しくなったりしてその日も終わるはずだった。ラジオから懐かしい歌が流れてきた。偶然聞いたその「トイレの神様」に出てくるおばあちゃんに自分の祖母を重ねた。  祖母はあたたかい人だった。仮病で学校に行きたくないと泣き喚く僕を母から庇ってくれた。10時のおやつという新しい文化を教えてもらい、和菓子を一緒に食べた。土日のお昼には毎週からあげクンを買ってきてくれた。そんな祖母との愛おしい日々は僕のせいで失われた。

    • フォローバックを愛してやまない

       InstagramやXを使っていて思うことがある。 それは「この世には臆病なヤツだらけだ」ということだ  フォローがすぐに返ってこなければフォローを外すヤツ。いいねだけして自分からは決してフォローしてこないヤツ。臆病だ。でもそれが当たり前だ。僕もまたそうだ  みんながみんな、愛されたくてたまらない。自分ことを見て欲しくてたまらない。だけど自分から何かを与えるのは恥ずかしい。臆病だからだ。人間はきっとどこかに見返りを求めてしまう生き物だ  というわけで、いいねだけつけて

      • 【詩】星空

        この星空の向こう側に 今日も溢れんばかりの喜びがある きらきらきらきら 彼方遠くに笑顔が煌めく それを見て きれいだなァ 呟いている人がいる 地球はまんまるだから 遥か彼方の喜びは 星空みたいに無邪気にきらめいてる この夜空の向こう側に 今日も溢れんばかりのかなしみがある きらきらきらきら 彼方遠くに涙がまたたく それを見て きれいだなァ 呟いている人がいる 地球はまんまるだから 遥か彼方のかなしみは 星空みたいに無邪気にまたたいてる きれいだなァと つぶやく

        • 釣りでおじさんはchillしてる

           某日。雨が降っていたのに外に出て大量の水浴びをした。この季節じゃなければ風邪ひくし、服が何枚もビシャビシャになるけど、半袖短パンだから何も気にならない。こういう風に狂っていても安心な季節だから夏が好きだなと思った。夏は普通でいるにはもったいない季節だとも思った。  某日。池のほとりに腰かけてひたすらに池を眺めた。カイツブリやカワセミのヒナたちが懸命に餌取りの練習をしていてよかった。手のひらサイズなので手に乗せてポムポムしてみたい。  池でおじさんが釣りをしていた。ただひた

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        おばあちゃんは愛の人

          ある日のカタルシス

          某日。 悲しい別れがあった。 詩を書くことで幾分か発散することができた。友人にみてもらったことでもっと発散できた。詩を書くことは深夜のファミレスで友人と語らうことくらい好きかもしれない。 最近は自作の詩を友人たちに見てもらうことがついぞ恥ずかしくなくなった。好きな人たちには自分を分かって欲しい。SNSに投稿することより健全な気がした。だからと言って辞めないが。 某日。 たくさん写真を撮った。 最近は写真を撮るだけでは満足できなくなった。また一歩、本物のアーティストに近

          ある日のカタルシス

          【詩】 じゃあね

          ことばは寄り道せずに ぼくらへ届いた じゃあね 言いたかったのは またね  もう会えないかもしれないから またはないかもしれないからいつも 願いを込めていつも またね  そう言っていた だけど じゃあね そんなにさみしいことばじゃない じゃあね さよならよりもよっぽどいい じゃあね  あまりに大切なきみへ じゃあね

          【詩】 じゃあね

          【詩】すばらしい日々 

          君がいなくなって久しい でもここに残っているものがある もう歌声は忘れてしまった なのに歌をうたえばあの頃に戻れる もう髪の匂いは忘れてしまった なのに細い手の温もりが凍傷みたいに残ってる もう一緒に見た月は忘れてしまった なのに夕陽みたいな笑顔が目に焼き付いてる もう手紙の文字は忘れてしまった なのにもらった言葉が勇気をくれる だけど「また明日」の中に君はいないから 「夢で会えたよ」って話せないんだ 君を忘れて僕は生きてるけど 君の声を思い出せたとき 僕は君に会

          【詩】すばらしい日々 

          大好きな音楽を聴く時の高鳴りとも違う 暖かな春が来た日の夜のソワソワとも違う 夏フェスの音楽と日差しを浴びて毛穴がザワザワする感じとも違う 胸が躍り、お腹の中身が逆流してきそうな 張り切ってワックスをつけ過ぎてしまうような 夢の中でもその人に会いたいような その人だけに見て欲しい写真があるような 自分だけを見て欲しいような この気持ち

          またいい作品ができちゃった件

           今日は仕事の関係で3日連続で通勤に1時間40分もかかるところに出社した。長すぎる通勤時間にこんなにも首を絞められるとは思っていなかった。通勤でストレスを抱えながらうまく仕事をするのはやっぱり難しいと思った。移動の疲れで帰りの電車はなんだか泣きそうになった。  なのにいったい何故だろうか、すばらしくいい作品ができた。写真に詞を組み合わせたものだ。写真は祖母の見舞いの後に見上げた空で、ピンクの雲と小さく写っている飛行機が印象的で「忘れたくないな、これは写真に残さないと」と思っ

          またいい作品ができちゃった件

          【詩】 空

          空を見上げれば 思い出すだれかがいる それは幸せなこと だれかも空を見上げたら 思い出しているかもしれない だいじなあなたを この世界のどこかできっと 寒い夜にもそんなことを考えれば ふしぎとぽかぽかだ 空はぼくらをあたたかくしてくれる 空はみんなの上にあって ありがたく思うこともあれば 目を背けたくなることもある 都会だと狭すぎたり 田舎だと広すぎるらしい でもみんなの上にある それだけは確かだ ぽかぽかあたたかくなったり ときには震えるくらいさむくなったり み

          【詩】 空

          てんとう虫は冬を越す

           ある日、朝の満員電車のドアにてんとう虫が止まっていた。新卒の5月ごろだったと記憶している。会社に行くのが嫌で嫌で仕方なかった頃だ。誰も知り合いのいない土地で、初めての一人暮らし。それはそれは毎日が憂鬱だった。「こんなとこにいてかわいそう」、少し自分と重ねる部分があった。手に乗せて外に逃がしてやろうと思った。手に乗せた後でてんとう虫はくさい液を出すことを思い出した。案の定、黄色い液が手についていて少しだけ後悔した。手を広げると太陽の方へ飛んで行った。てんとう虫は太陽の方へ飛ぶ

          てんとう虫は冬を越す

          【詩】 「雲」

          雲を眺めているときの おだやかな気持ち やさしくてゆっくりで じんわりとする ただ上に伸びていくそれは 太陽ですら邪魔できない

          【詩】 「雲」

          【詩】 「さよならだけが人生でも」

          さよならだけが人生だって おっちゃんが言ってた さよならだけが人生でも 明日も海にいきたいな さよならだけが人生でも 明日も星をみてたいな さよならだけが人生でも 明日もあのこにあいたいな さよならだけが人生でも 明日の夕飯はかあさんのカレーがたべたいな さよならだけが人生でも そらへかえっただいすきなみんな わすれたくないな さよならだけが人生でも さよならした日をいつかわすれちゃっても たまには夢であえるんだから これでいい これがきっといいんだ!

          【詩】 「さよならだけが人生でも」

          【詩】 「光」

          終わりのない暗がりの中で わたしは光になりました 朝のざわめきを聞いて わたしは空にのぼります 遠くのあなたに届くように 遥か高くの光になって あなたが新しいものに立ち向かう時 こころに火を灯すように 目の前のことにつまずく時 足元を照らすように 寒さにおびえて震える時 温もりを忘れないように あなたがわたしを懐かしんでいる そんな時も わたしはあなたのそばに在ります あなたはそうして光を浴びて なんども朝のざわめきを聞きます あなたにいつか この光が届かなく

          【詩】 「光」

          さよならだけが人生だったとしても(仮)

          さよならだけが人生だったとしても 明日はきっとくるだろう さよならだけが人生だったとしても 明日は空を見上げるだろう さよならだけが人生だったとしても 明日も君に触れたいだろう さよならだけが人生だったとしても 明日もベットで泣くだろう さよならだけが人生だったとしても 今日のさよならもいつかは忘れるだろう さよならだけが人生だったとしても さよならのこの日をいつか忘れたとしても さよならはすばらしいものをくれるから これでいいんだろう これがきっといい

          さよならだけが人生だったとしても(仮)

          もう眠った方がいい

           ぬくもりを思い出せない。色恋とかそんなんじゃなくて、母さんの手とか、そういうあたたかいものが思い出せない。  ポケットの中にあるはずなのに、もうこの手は冷たくないはずなのに。なぜだろう。  もう休もう。考えても分からない。

          もう眠った方がいい