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課題を自分ごと化するための「構造化」:探究で課題解決型学習を行うときに大切な「構造」という視点<後編>

2022年度から導入され始めた総合的な探究の時間では、「自己の在り方生き方を考えながら、よりよく課題を発見し解決していく」ことが目標と設定されています。
しかし、現場の先生からは

『生徒が社会に対して課題意識を持てない』
『生徒が将来解決したい課題を見つけられない』

といった声がよく聞かれます。

前編では私たちリディラバが扱う社会課題とはどんなものか。なぜ社会課題が探究のテーマとして有益かについてお伝えしていきました。
後編である本記事では、社会課題のエッセンスである「構造」に着目するとはどういうことかについてお伝えしていきます。

こんな先生におすすめ
✅来年度以降の探究のカリキュラムを考えている先生
✅探究で既に社会課題やSDGsを取り扱っているが教え方に自信がない先生

さまさまな課題に対して「自分ごと」として考えやすくなる

『生徒が課題を自分ごとにできない…』
これは探究学習の現場でよく聞かれる声です。

このお悩みに対する解決策の1つが、課題の構造について考えることです。
その理由は、どんな課題であっても課題を引き起こす構造のどこかに自分も位置付けられるという気づきを持つことができるからです。

https://journal.ridilover.jp/topics/21b3ab3dee97

例えば、アルコール依存症を含む「依存症」を例に挙げます。
飲酒ができない中高生にとって、このテーマは一見全く関係ない問題のようにも思えるので、依存症について勉強したところで「自分には関係ない」「自分には何もできることがない」と思わせてしまいがちです。
しかし、実は依存症から回復する過程で非常に重要な施設を建設する際に、近隣住民の反対運動が起こったというケースがあるのです。
つまり、「近隣住民」という中高生を含む当事者ではない一部の人の偏見によって、依存症からの回復が妨げられる可能性を高めてしまうこともあります。

また、そういった偏見を作り出している要因に学校教育も関わっています。小学校の教科書に掲載されているような依存症予防啓発のポスターは、過去に依存症の当事者を人間には見えない露悪的な形で描くということを行っていたこともあり、このイラストのイメージが依存症当事者への偏見に繋がっているという側面もあります。

このように我々の日常から遠いように思える課題であっても、構造を読み解いていくと構造の中に自分が位置付けられるということがあります。

この考え方を身につけていくと、様々な課題を「自分ごと」として考えることができるようになります。結局、自分が将来解決したい課題は、自分が最も自分ごととして考えられる課題のことです。「構造」というレンズを通して様々な課題を見てみることで自分ごとで考えられる課題の量を増やし、将来解決したい課題を発見する準備を行うことが可能です。

構造を明らかにすることは社会のためになる

お伝えしてきた社会課題の「構造」についてはリディラバ自身もこれまで社会課題解決に取り組む様々な企業や団体との協働や調査を通じてわかるようになってきたことです。
しかし、まだ全ての社会課題の構造を明らかにできたわけではないですし、そもそも社会の変化によって構造自体も変化していくものです。
だからこそ、生徒自身でまだ明らかになっていない社会課題の構造を探究することは次なる社会課題解決を生み出すための一歩目になります。
社会課題を自分ごと化できずにイマイチ探究学習に積極的になれない生徒もいると思います。そういった際はぜひ、今回のnoteで紹介したように、課題の「構造」を考える時間を用意してみて下さい。

課題の構造に限らず、教え方に迷っていることがあればぜひご相談を!
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