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『三つ子の魂、百まで』vol.9

全国1位の空き家率

これまで僕たちの里山ライフのエピソードを幾つか紹介してきました。現代生活様式での里山ライフのメリット・デメリットを包み隠さず少しでもリアルに感じてもらい、田舎の素晴らしさが伝わる様な文章構成を意識して記事にしてます。実際、僕たちも暮らしてみるまで田舎暮らしは何処か浮世離れした憧れの別次元世界だと思い込んでいた節もあり、暮らしていく中で苦労した事も多数ありますが、有りのままをお伝えして皆様に興味をもって頂ければ幸いであります。

現在では、ほぼ全国の自治体で「空き家バンク」という行政による空き家情報の提供があり、僕たちも最初に借りた家は空き家バンクを利用して見付けました。

しかし、ネットによる情報だけでは理解するのに不十分だったので実際に住んでいる人のお宅を訪ね見学がてら一泊させてもらいました。自然優位の田舎で暮らすのに立地条件は必須項目、陽当たりや気温、湿気など気候風土の変化を予め調べ出来れば体感した方が住んでからのトラブルを防げるでしょう。多少の不便は仕方ないけど雨風しのげなきゃ意味がないし近隣住民との関わりが出てくるのでリサーチは細かい程トラブルは回避できます。

僕たちが見つけた家は古民家で隣近所が離れているのが氣に入り住み始めたけど、陽当たりの悪さ(冬場は三時間程度)と風通りの悪さ(縁の下が塞がれていた為)から梅雨の時期には畳一面真っ白にカビてしまい対策に悪戦苦闘した苦い思い出があります(皮革製品もカビました)。

山梨県は全国でも一位になるほど空き家の多い都道府県です。人工減少と都市部集中による部分も大きいと思いますが話を聞いてみると古い物には価値が無いと思い込んでいる人も多い様です。実際、山梨は新築物件の上棟数も全国トップクラス。

古い物でも上手に利用し自分達に合った住まいをリノベーションして暮らす亊で空き家は有効活用できるのです。なにも古いからとブチ壊して廃棄しまた作っては壊すの日本国内のみならず世界の環境負担を増加させる亊になります。少しでも環境負担減少に貢献しなきと現在の住まいは築100年の家を自分たちでリノベーションしながら暮らしています。

図太く強く明るく

地元に住んでいる時は考えもしませんでしたが、身内も知り合いもいない地で生き抜く為には自分の身は自分で守る術を得る必要があり、創意工夫や近所付き合いはとても大切です。

基本は自分たちで何とかするよう努力し、どうしようもない時はご近所に尋ねれば良いヒントをくれるだろう。言うだけはタダだし相手の迷惑にならない程度にズカズカ入る絶妙な距離感と図太さはサバイバルを生き抜くには大切な能力だと思います。とりあえず自分でやってみる、やった行為から新しい感覚が生まれそれを繰り返す亊で新しい能力が自然と身に付く。何者にも依存せず自らの足で立つ、新しい体験は新しい感覚を育み自分を成長させてくれる面白き循環構造なのです。

つづく

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