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Kの向くままにおススメ映画『アルファヴィル』ネタバレあらすじ感想日記

こんにちは。思考の無駄遣い、Kです。今回は『アルファヴィル』。一言で表すと「管理社会・全体主義に立ち向かうSF映画」です。



こんな人におススメ  

ヒューマニズム(人間らしさ)を大切にする人
管理社会に辟易している人
◎出てくる女優はヒロインからモブに至るまで全員超絶美人
(しかし男性陣はオッサンばかりです)


要注意点まとめ  

▲アクション性の高いSF映画を求めている人には向きません
▲白黒映画ですよ


こんな映画です  

レミー コーションがアルファヴィル(α都市)に潜入した目的。それは、α都市を管理する人工知能《α60》を破壊し、人間の感情や思想、芸術や宗教を取り戻す事 と、α都市の責任者であるフォン ブラウン教授を拘束または抹殺する事でした。


もう少し詳しく  

α都市の理想とは、階級的集団社会。アリの組織社会のように無駄がなく、効率的な事。

下記は人工知能α60の独白。α都市の存在に至る経緯が説明されています。要するに、α都市とはありがちな機械の反乱、とかではなくて、ある種の人間が理想とするコミュニティの一つの最終形なんですね。

α60 :「あなたはひとたび1を知れば2をも知っていると思い込む。
何故なら《1 + 1 = 2》 だからである。しかしあなたは忘れている。2を知る前にまず《+》の意味を知らねばならぬという事を。
《+》はあなた方が発見した知的財産であるが、その英知故に少しずつ過去の世紀から物事を破壊し忘却していく。いつしか《+》の意味を考える事は非効率だと思う様になるからである。
α60たる私の存在は、この破壊行為の論理的帰結に他ならない。」

補足すると、、フォン ブラウン教授は常に正しい判断と決定をする人工知能α60を都市の中枢に置き、ここに住む人間から思考の無駄を無くす事に成功しました(上記で言うと、人間が《+》の意味を知らなくても良いようになりました)。そうして感情や思想、芸術や宗教でさえ無駄なものとして排除されていったのです。それらを無くしシンプルになった人間はどうなるか? 本能だけが残り、それこそアリの組織社会のように、種の保存の為の効率的なシステムを構成する一部となるのです(アリにも思想や芸術などがあったらゴメンナサイ)。
そういうディストピアから人間らしさを解放するお話です。


観た後はこんな気分になりました  

先見の明。1965年の映画です。人工知能と言ってもその当時は意味が解り難かったかもしれませんね。今やAIが作曲や絵も描く時代。でもそういう活動こそ人間の存在意義だと思うんですけどねー。
それを無駄とか非効率だと思っていると人間らしさを無くしていきますよ!自分の脳以外の外部のシステムに色んな事を任せて無駄なく効率的に活動している人は要注意です。
現代人こそより理解できる内容ではないでしょうか。


心に残ったセリフ  

α60 :「生まれなかったものは、涙を流さず後悔もしない。」

逆説的に、悲しみがなく後悔もない人生なんて、生きているとは言えないのです。作中、涙を流すなどの無駄な行為を行った者はα都市から排除される(処刑される)といった場面がありますが、悲しみも後悔も、その感情こそが生きてるっていう証。
「涙を流すものを救え。」
 (=人間性を奪還せよ。)
悲しい時は思いっきり涙を流してその悲しみを人生の糧にしよう!


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