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海外企業のようなIR資料を作る!配色のポイントとは?

こんにちは!
資料作成支援会社で働くデザイナーのDです。

IR資料作成をご依頼いただくお客様から、時々「海外の投資家に向けてアピールしたい」「他の企業と被らない個性がほしい」といった理由で、海外の資料のようなデザインにしたいとご相談をいただくことがあります。
そこで今回は、海外企業のようなIR資料のデザインにするポイントの一つである「配色」についてお伝えします。海外と一口に言っても様々ですので、この記事では米国を例に取り上げます。

1. IR資料における日本と米国の配色の違い

IR資料における日本と米国のデザインを比較するため、インターネット上で公開されている決算説明会資料の中から、日本・米国で4社分ずつ、代表的な1ページをピックアップしました。

今回は便宜的に以下の条件で揃えています。
①   日・米ともに「SaaS企業」
②   取り上げるページは「業績ハイライト」
③   米国企業の資料は特に「日本のIR資料ではあまり見られないデザイン」に絞る

 
そしてこちらは、日本企業の資料です。

(左上から時計回りに)フリー株式会社「2024年6月期 第3四半期 決算説明資料」/株式会社ヤプリ「Yappli Financial Results 2024」/Chatwork株式会社「2024年12月期 第1四半期決算説明資料」/株式会社マネーフォワード「Financial Results Fiscal Year2024 Q1」


一方、こちらは米国企業の資料です。

(左上から時計回りに)CrowdStrike, Inc.「CrowdStrike April 2023 Investor Briefing Presentation」/SPLUNK INC.「Splunk Investor Presentation Third Quarter FY24」/WalkMe Ltd.「Third Quarter 2023 Investor Presentation」/Cloudflare, Inc.「Investor Presentation As of September 30, 2023」

いかがでしょうか。
日米の資料で、一見して分かりやすい違いが配色かと思います。

米国の資料では、「彩度が高い(鮮やかな)色」や「濃い色」が、大きなオブジェクトや背景など、広い面積に使われています。また、左下のスライドでは「補色(反対色)」(オレンジ色と青色)が同程度の面積で使われており、同一ページ内での配色のコントラストが強いのが特徴的です。

一方、日本の資料では、「彩度が高い(鮮やかな)色」や「濃い色」が使われることがあっても、あまり広い面積には使わず、目立たせたい箇所にだけポイントで使われる傾向があります。そして色数は少なく、「同系色」の濃淡でまとめている印象です。

2. 米国の資料ではなぜ鮮やかな配色が使われるのか?

なぜこのような違いが生まれるのでしょうか。

理由として考えられることの一つに、決算説明会の形態の違いがあります。
当社のコンサルタントによれば、米国は国土が広いため会場開催は少なく、コロナ禍以前から基本はテレカンファレンス(電話会議)のみの企業が多いとのことです。そのため印刷配布をする習慣がないと思われます。

資料を一般的なオフィス用プリンターで印刷する場合、「彩度が高い(鮮やかな)色」の中には再現しにくい色がある、「濃い色」を広い面積に使うと多くのインクを消費するなどのリスクを考慮しなければなりませんが、印刷しない場合はその制約がなくなるため、自由な配色が可能になります。

また、単純に日本と米国では好まれる色調に違いがあるとも考えられます。
米国では日本よりも日差しが強いといった地理的な要因や、人種によって目の色が違うことにより感知できる色彩が違うという生物学的要因、また日本人は江戸時代に流行した「四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねず)」のように微妙な色彩の差も区別してきたという文化的背景など、様々な説が唱えられています。

3. デザインはターゲットへの伝えやすさ、伝わりやすさ重視で検討する

IR資料の目的は、企業の現状や将来像を投資家に伝え、企業の成長性に投資してもらうことです。そのため、資料のデザインはターゲットである投資家への伝えやすさ、伝わりやすさを最重視しましょう。

海外の資料のようなデザインを取り入れたい場合、印刷用途の有無や、読み手である投資家のうちどの程度が日本人かなどを考慮に入れた上で、検討すると良いと思います。印刷したい時は、資料中の全てのページで「彩度が高い(鮮やかな)色」や「濃い色」を広範囲に使うのではなく、敢えて重要なページだけにして目立たせることで、色の再現性のリスクを最小限に抑えたり、インクを節約したりできます。

逆に、重要な情報を掲載しない表紙・中扉などに絞れば、もしプリンターでの色の再現度や色ムラの問題が発生しても、重要な情報だけは読み手にきちんと伝わります。

また、日本人の投資家にも向けたデザインにしたい時は、色を広い面積に使いつつも、彩度は抑える、同系色でまとめるなど、少しの工夫で受け入れられやすくなるかと思います。

当社のIR資料作成支援サービス「LEAD」では、IRご担当者様のお悩みに寄り添い、投資家との対話の質を進化させる資料を作成しております。よろしければぜひ一度ご相談ください!



株式会社ストリームラインはIR資料・営業資料の作成支援サービスをご用意しております。ご興味ある方は是非お気軽にお問い合わせください。


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