【カメオの共鳴】シリーズ 第4篇 「耳で逢いましょう 3週目 ゲスト回 映画 『椅子が行方不明』公開記念 監督登場」(No.0254)



 ポーン!

1時になりました
こんばんはパーソナリティーのOribeです
今晩も始まりました「耳で逢いましょう」
みなさん、今週1週間はいかがお過ごしでしたでしょうか

本当は本日も色々と近況などをお話ししていきたいところなのですが
実は本日はこの番組にゲストがいらっしゃっておりますので
ゲストとのお話をメインに進めていきたいと思っております
と、いうことですので早速曲をかけさせていただきます
そして曲終わりにすぐゲストの方とのお話に入ろうと思います
それでは早速今日の一曲目、お聴きください

BO GUMBOSで『さかなごっこ』

ーーーー

はい、では早速ゲストの方をご紹介させていただきます
映画『椅子が行方不明』を監督されました
映画監督の瀬取監督です
よろしくお願いいたします

こんばんはです
よろしくお願い致します

監督お久しぶりです

お久しぶりですね

監督とは以前にもお会いしまして、前作の時でしたね?

そうですね
前作の公開初日の舞台挨拶の時にお越しいただいて
その節はありがとうございました

いえいえ、こちらこそ

以前はoribeさんに来ていただいたので
今回は私の方から

ありがとうございます
本当はこういう時、作品の公開のタイミングとか
関係なしにお呼びしたいと
思っていたんですが

まあ、なかなか時間も合わずって感じで
のびのびになっちゃいましたね

でもまあやっとこうしてお呼びできて
嬉しい限りです

すみませんね
なんか宣伝に使わせていただいて

いえ、気になさらず
えーでは早速ですが
今度公開の時期は
ゴールデンウィークですね?

あはい

ゴールデンウィークに公開予定の
監督最新作『椅子が行方不明』について
お話しいただこうと思うのですが
先にお聴きの方にお伝えしないといけませんが
実は私はこの作品をですね
特別に見させていただいているんです
特別試写に招いていただきまして

そうみたいですね
その時は私はいなかったもので知りませんでしたが

今回はガラッと変わって、ホラーじゃなくて小さいドラマですね
ああそうそう
お聴きの方でご存知でない方もいらっしゃいますでしょうから
ご説明いたしますと、瀬取監督はもともとホラー系の映画を
作られる方なんですよね?

ええ、まあそうですね
そればっかじゃないんですが、、、、
いや、大体そうかな?
はは

前作だってホラーでしたからね
私はその前作『生死霊2』の時にですね
初日に劇場へ馳せ参じまして
お話を伺わせていただいんたんです

懐かしいですね

あ、はい、今差し込まれましたが、、、 
えー監督
こっちでストーリーをまとめた紹介記事がありますので
お聴きの方に分かるように
まずこれを紹介させていただきますね

あはい
どうぞお願いします

えー、舞台が小さい田舎の学校
生徒もとても少ない寂れたところに
都会から転校生がやってくる
ところが急な転校で、田舎の学校だったために余分な椅子が無い
その時、たまたま病気で車椅子生活をしていた生徒がいたために
その生徒の席を転校生が使うようになる

車椅子の生徒はとてもお調子者で人気者だったし
快く譲るのですが
その転校生が学校に馴染むようになってくると
だんだんと不安になっていく

もし
自分の足が治って車椅子の生活が終わった後
彼は自分の席を返してくれるだろうか

その不安から
少年は新しい椅子を手に入れるために色々と動き出す・・・

と、言ったお話です
監督この説明でよろしかったでしょうか?

はい、そうですね

小さいお話ですよね

はい
今回はとても小規模で
小さいささやかなお話になりました

前作と大違いですね

はいもう全然
前作はかなり大きなお屋敷を使った
大掛かりなものでしたが
今回は本当に小さいものです

撮影の規模も小さいものだったんですか?

はい、少人数で
ただその分日数は長く取りましたね
子供がほとんどなので芝居を付けたりするのに
ゆっくりと時間をかけました

監督がこの作品をお作りになろうと思った
きっかけというものは何なんでしょうか?

この作品を作るきっかけは
原作がありまして
同タイトルの短編小説でして
それを読んだことがきっかけです
内容もとてもささやかなものでしたが
その内容から自分なりにですね
新しい発想が生まれたので
それを表現しようと思い権利をとって映画にしました
ですからそれなりに原作とは違うものになっています

私は原作を読んでいないので
どの辺がどうだとかは言えないんですが
私自身の今作品の感想というものはですね
瀬取監督ってこういうものも描けるんだ、という驚きでしたね
ちょっと失礼ですが

はは
いえありがとうございます

過去のホラー作品でも
いつもきちんとキャラクターの心情がですね
作品のテーマやストーリーの面白さに
絡むように作られていましたが
今回はもう、キャラクターの気持ちそのものが
お話になっているようなものでしたね

ありがとうございます
そうですね、今回は子供が主人公で
それも小さい小学生です
田舎ですし人も少ないので色々と自由なんです
その状況なので、子供は好き勝手にできる訳ですが
そうやって人が少ないということは
逆に不自由になる部分もある訳です
それは常に同じ人たちとの
同じ人間関係が継続してしまうという部分で
これは子供であっても実は窮屈です

そうですね、これは分かります
都会の方だと色々と忙しいしゴチャゴチャしている分だけ
誤魔化しが効くんですよね

そうなんです
私自身も田舎の出身ですから上京してみて
その違いには結構驚いたんです
都会生活というのは忙しい反面、気楽さがありました
この作品の主人公はその息苦しさを幼いながらも感じていたんですが
それがとあるきっかけで崩れていく・・・

主人公はまだ当然幼いですから
その変化に恐怖する訳ですね
ああそう、この主人公が怖がっているあたりの演出は
やっぱり瀬取監督って感じでしたねー

ははあ、そうですか
自分じゃもう気づかないですね
まあ、これは当然ですが
おとぎ話のようなものですからいいんですが
こういうことは実際にはどの年齢の、誰にでもある訳ですよ

そうですね

で、そのような人生の変化というものについて
どういう態度を取るか
どういうアプローチをしてどうなっていくか
これが人には必ずやってくる
そう
試練なんだと思っています

はい、そうですね
そういう変化、というものは
多くは大人になった時にある訳です
というか大人になる、ということ自体が
実のところ、この試練のことなんですよね

そうですね
通過儀礼、というやつです

もちろん今の時代にそのような社会的な通過儀礼というものは
とっくに無くなっていますが
それにとって変わるようなものは人生の中で個々人それぞれにあるわけで
それを描いた、ということですね

まあそうです
先ほども言いましたが田舎が舞台です
ですから自由度は高く見えるのですが
田舎な分だけ変化の経験が少ない訳です
そこに加えてキャラを子供にしていますので
なおさら変化というものがイコール恐怖
そのものになっている訳です
それを乗り越えるという部分に
強い意味があるように感じています
あ、ちなみにこれ原作は主人公は子供じゃないんですよ

あ、そうなんですか
それは結構大きな改変ポイントですね

ええ
これは読みながらですね
これ子供の方がいいよなぁ
と思ったんですよ

なるほど
まぁあまり中身に触れすぎると
これから見る方の興を削いでしまうので
少し周辺のお話に変えますが
これ撮影はどちらで行ったのでしょうか?

はい
主には秩父のほうです
あとシーンごとに少し場所を変えてやったりしました
特に坂道のところなんかはロケハンに苦労しました

あそこは良かったですね
車椅子の子供が一生懸命に椅子を運ぼうとするところは
本当に登り坂の苦労が感じられました
登る時って自分が重く感じるものですが、その重さがありましたね

ありがとうございます
その感じが欲しかったんですよ
登ったぞー、っていう感じが出るようにしたかったんです
あそこはすごく評判が良くて嬉しいです
頑張って掘った甲斐がありました

え、掘ったんですか?!

はい
あの坂は頑張って掘って坂道にしたんですよ

え、凄い話ですね

どうしても絵的にあそこが良かったもので

ええ凄いですね
いや確かにあのシーンはとても綺麗でしたね
特に引きの絵だが絵画のようでした

ありがとうございます

また、ね
所々に差し込まれる子供達のやりとりも印象的でしたね
特に遊んでいる時にバッタとか虫を見つけた時に
転校生の子が凄く嫌な顔をしてね
てっきり都会の子だからかな、とおもったら
僕は食べないし
食べなかったよ
って言うところとか




はい、そうですね
やはり作品というものはその時代の空気をどうしても吸いますし
その時代の風を取り込まないと作品の形にならないところがあると思うんです
まあ無理やり入れることもないんですが
私は積極的に入れたい方なんですね
かつて、その愚かな時代があったぞ
という部分を風化させない為にも

そうですね
あらゆるネットの情報でもすぐに改変させられたり
消されたり封殺されたりという、いわゆるデジタル焚書というようなことが
あの頃、山のように行われましたから
そういう時に唯一残ったのは作品内の情報でしたからね
まあそれも結局作品そのものを封印されたりもしましたが

ええ、まさにそうです
作品そのものを消されたり奪われたりもしました
カットされたりも当然のように
でも作品というものは複数の側面がありますからね
情報の記録という部分もありますし
当然娯楽、そしてアート、または商業面と
その複数の側面があるがゆえに
生き残る
つまりは後の世に伝えられるチャンスがある
そう思っていますので、尚の事その時代の残すべきものを
きちんと取り入れよう
という意識でやってます

必要なことだと思います

ええ

あと、田舎が舞台でありながら
序盤の方から何だか終始外で賑やかに
人の往来が見えるあたりも面白かったですね
子供達が外で遊んだり
通学や下校の時でも
画面の奥の方でガヤガヤと
誰かしらが動き回ってなんかやってるんですよね

ええ、そうですね
あれもやはり時代の風ですね
あの時代から現在もそうですが
みんな都会の生活にうんざりしてしまって
田舎に帰るという流れが出来ましたから
あの田舎の村でもそれが起こっているという表現ですね

なるほど、何だか面白かったですね
音がですね、常にこう、ガヤガヤしているんですよ
画面に子供しか映っていない時でも
常に何かどこかでやっているなぁ、って

そうですね
あれは意外とこだわってやったんです
音を同録でやったんですよ
子供のセリフとかは時折アフレコで済ましたりしたんですが
あの田舎の空っぽな状況で作業しているときの音っていうのは
スタジオではなかなか作れませんから
あそこでトンカチ叩いている音とか
道普請している音とか
大勢の人たちが田畑を測量したり壊れた柵を直したりしている音なんか

そうだったんですね
確かにそう言われれば自然な音でした
あ、そうかそういえばこの作品はほとんど音楽使っていませんでしたね

そうですね
その自然の音、あの田舎の山に囲まれた場所での作業音
カーンと響き渡るようなあの反響音で
この作品は十分なBGMが得られると思ったんです

いいですね
これは是非劇場で楽しんでいただきたい点です

はい

監督
残念ながらもうお時間が来てしまったようです

あっという間でしたね

また是非お越しください
新作のタイミングで無くても構いませんので
よろしくお願いします

こちらこそ是非

ということで
本日のゲストは映画『椅子が行方不明』の監督、瀬取監督に
お越しいただきました
映画はゴールデンウィークにユーロスペース他にて上映予定です
お聞きの皆様、是非劇場まで足をお運びください
監督本日は有難うございました

ありがとうございました


それでは最後に曲を聴きながらお別れいたしましょう

もりばやしみほで『夜はひとりぼっち』

では、来週もこの時間に、あなたの耳でお逢いしましょう

おやすみなさい


【カメオの共鳴】シリーズ 第4篇

「耳で逢いましょう 3週目 ゲスト回 映画『椅子が行方不明』公開記念
監督登場」(No.0254)


おわり


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