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自分が自分でなくなる前に逃げられるようになりたい【useless】


店長になって、4ヶ月目。
わたしはもう、挫折している。


ことの発端は、先輩が産休に入ったことだった。
おめでたいことだし、それに対しては「元気な赤ちゃん産んでほしい」という気持ちが勝っていた。けれども、問題は残されたメンバーだった。


わたしは販売職をしている。
デパ地下にいるお菓子屋さんの販売員。


5年前は「自分の力がどこまで通用するのか試したい」などと、目をキラキラさせてキャリアアップを望んでいたが、蓋を開けたら " 女社会のところでポストが空いたからそのまま上がる " っていうだけだった。

なんとも腑に落ちない。


ましてや状況が過去一最悪。


その状況をとっても簡単に説明すると、去年は7人いたメンバーが5人になり、店のことをわかる人間はわたしともう1人しかいない。
あとは、教えることが何かしらあるメンバーばかり。
なんならそのもう1人の子も2年目で経験は浅いからすべてを知っているわけではない。


結論。
人柄は問題ないが、心から頼りになるメンバーがいない。


負荷が自分にかかることはわかりきっていた。
直属の上司にも、「どうしたらいいのかわからない」と相談もしていた。
だけど、「今頑張れば、楽になるから」「わかる子をまず育てればいけるよ」と、今のしんどさが伝わっていないのだろうなという返し。


正直、店長生活が始まってから最初からしんどかった。


引継ぎはほぼ簡易的で。
店長業務が慣れてきたと思ったら、急な人事異動。
教えながらも、会社からの販促などで増える業務、締め切り。
リーダーになりたてで自分のことで精一杯の上司。

限られた時間の中でお客様と接客をして、受けた配送を作り、急な締め切りで送られてくるメールにイライラし、無理矢理笑顔に戻して、スタッフの休憩を回す。


疲労困憊。


よりよい売場を作りたい、スタッフが働きやすいように、わたしがいなくても業務が理解できるように、やりたいことや教えたいことはあった。
だけど、そこまで手が回らないのが現状だった。


極め付きは9月だった。


わたしの休みの間に他のスタッフが起こしたミスが2件。
そして、スタッフのコロナ感染と一人が別件で出勤できない日々が続いた。

ここでわたしの心は完全に折れたな、と思う。
自分が自分でなくなる感覚を覚えた。
売場にいても、笑えない。
胃がずっと違和感があって、食欲はなくなる。
家に帰ってもしんどくて、無気力な状態が続く。
転職をしてそっちでも辛い思いをしている彼氏に、心から頼れはしなかった。
親は飛行機で行くレベルの土地で暮らしているから、泣きつきにも行けなかった。

自分が抱えすぎていたのが悪いことだという自覚もあった。けれど、荷物の下ろし方がわからなかったのもあった。重い荷物を持ったまま、彷徨っていたけども。


逃げ場がなかった。
ふと立ち止まってみたら、思っていたよりずっと辛いと思っていた。
苦しい。それしかなくて、涙が出そうになることが多くなった。


とうとう勇気を出して、行ってきた心療内科。
まあ、診察は雑だったから、完全に納得したわけではないのだけど会社に相談する手立てにはなったので良いかな。

というわけで、
自分が自分でありたいから期間限定だけど、いったん降りた。


被害者面してるような文章だけど、ちゃんと他のスタッフが頑張っているのは知っているし、そこを責めようとしているわけでは決してないからそこは否定させてほしい。


ただただ伝えたいのは自分が自分でなくなる前に、ちゃんと逃げられるようになりたいね、ってこと。


*

【勝手に企画!】claquepotの曲から思いついたエッセイを書いてみよう

大好きなclaquepotの曲に共感することが多くて、自分なりに感じたことをそのままエッセイにしてしまえという企画です。笑
基本歌詞からそのまま考えることが多いから短絡的かもしれないけど、いいのです←

今回はこちらの曲を聴いて書いてみた◎
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