探究学習:違うって面白い、異文化理解
こんにちは、Steveです。
2020年、フィリピンのマニラに住んでいましたが、休暇とインフルエンサーマーケティングのイベントを目的にロンドンへ向かう予定でした。しかし、ポルトガルに一時滞在中にフィリピンがロックダウンし、イベントは中止となり、結果的にポルトガルに3ヶ月半滞在し、仕方なく日本へ戻りました。この時期にダイエットを始め、40代で体重が130kgに達していたため、まず5日間のファスティングから始め、以降は毎年この時期にデトックスを兼ねてファスティングを行っています。今年は来週の月曜から金曜まで水だけで過ごす予定です。
さて、前回に引き続き探究学習で自分が話して生徒たちにどのような疑問を投げかけるかを考えました。
今回のテーマは「違うって面白い」として、フリースクールでボランティアをしていた際の経験をもとにアレンジした内容です。ある生徒がマスクを外した別の生徒を見て「どなたですか?」と茶化したことがきっかけで、言われた生徒がショックを受けてフリースクールを辞めようとしましたが、話し合いを経て両者は関係を修復しました。この経験から、違いが生み出す面白さや誤解をテーマに掘り下げたいと思います。
探究学習の重要性や過去の記事はこちらからご覧ください:
はじめに
今回のテーマは、以前フリースクールでボランティアをしていた時、年末の終業式で発表した内容を少しアレンジしています。
当時このテーマを選んだ理由は、ある出来事かきっかけでした。ある生徒が、マスクを取っている別の生徒を見て「どなたですか?」と冗談めかして言ったことが発端でした。言われた生徒は、数年間も一緒にいたにも関わらず、その発言にショックを受けた様です。
マスクを外した姿を茶化した生徒は、今までずっとマスク姿しか見ていなかったため、悪意はなく、僕からみても彼のキャラクターを考えるとそれが本心だと思っていました。
しかし、言われた生徒は大きなショックを受け、その日は早退して、家に帰り保護者にフリースクールを辞めると伝えましたようです。
最終的には、両者がしっかりと話し合い、以前のような関係に戻ることができました。この出来事をきっかけに、「違うって面白い」というテーマについて子どもたちに話をする機会を得るため、フリースクールの校長と相談し、学期末の終業式で発表することにしました。
違うって面白い
今回は、当時のスライドを使用しながら進めていきたいと思います。
まずは簡単にアイスブレイクを行いました。ボランティアを始めて半年が経過しており、最初の自己紹介は要点を抑えて行いました。また、その日は保護者の方も参加されていたため、この機会に次の質問から始めました。
Q: 私のフルネームは何でしょうか?
正解は
次に、私の出身地について簡単に紹介しました。
出身地は長崎県の佐世保市です。佐世保市は佐世保バーガー、ハウステンボス、自衛隊や米軍基地で知られています。
僕が通った学校は、米軍基地があるE.J. King Schoolから神奈川県にある磯子工業高校の機械化定時制へと進学しました。当時、僕の日本語はまだ上手ではありませんでしたが、恵まれた先生方のおかげで横浜市立大学へ進学することができました。
就職後は、プライベートで世界中を旅しました。
ヨーロッパ、東南アジア、中東、アメリカなど様々な地域を訪れました。特に珍しい場所として、オーストラリア近くのバヌアツに仕事で1週間滞在したことがあります。滞在したホテルは当時バヌアツで一番高い六階建ての建物でした。
これまでに住んだ国は3カ国あります。
日本を除く2カ国がどこだかわかりますか?
タイと聞いて皆さんはどんなイメージを持ちますか?
象? 仏教国?
仏教国であることや象が街中で働いていた歴史がありますが、現在では象を街中で見ることはありません。また、お坊さんが托鉢をしながら街を回る様子は、朝早くから食べ物や日用品を信者から受け取る僧侶の日常です。
タイでは「ソンノック」という習慣があり、男性が一定期間出家して僧侶として修行を行います。この期間は数週間から数ヶ月で、一般的には20歳前後に行われ、親孝行の意味も含まれています。
右上の写真のドナルドが行っている様な手を合わせてするタイの挨拶「ワイ」は大きく3つの種類があります。
タイの挨拶「ワイ」には三つの種類があります:
1)最上級のワイ:仏像や僧侶への敬意を表し、合掌した手を眉間に、目は伏せて行います。
2)目上の人へのワイ:尊敬する人に対して行い、合掌した手を鼻先に、目線は相手と合わせます。
3)一般的なワイ:日常的な挨拶で、合掌した手を顎先に、軽く会釈します。
最後の左側の写真は男性が子供の頭を触っています。タイでは頭は神聖な部分とされており、子供であっても他人の頭を触ることは失礼とされます。日本では良い行いをした子供の頭を撫でる習慣がありますが、タイではこの行為を避けるべきです。
次の国はフィリピンです。写真は僕が所属しているボランティア団体が支援している児童養護施設の子供たちです。
フィリピンは貧困が大きな問題です。この施設に預けられた後、学校に通い始める子供も少なくありません。
日本では10歳なら大抵が4年生ですが、フィリピンでは10歳から学校に通い始める子もいて、10歳で一年生からのスタートになります。なので、日本のように学年と年齢が一致するわけではありません。
また、7、8人兄弟は珍しくありません。上の兄弟が自然と下の面倒を見たり、学校を諦めて働きに出て家庭を支えるケースが多くあります。
この施設の支援活動を始めてた17年ほど前にフィリピンを訪問した時に、数人の子供に「いくらでもお金があったら、何がしたい?」と尋ねたことがあります。
みなさんは子供たちがどんな答えをしたと思いますか?お菓子を買う?おもちゃ?
僕もそういった回答が来ると思っていましたが、ほとんどの子供が「ストリートの子供を助けたい」と答えました。
彼らは親元を離れて生活していますが、最低限の衣食住が確保されており、また学校に行く機会も与えられています。これがどれだけ恵まれているかを彼らは知っています。
自分自身も決して恵まれた環境ではありませんでしたが、彼らの素直な回答を聞いて、文句を言わずにさらに頑張ろうと改めて思ったのと同時に彼らを引き続き支援したいと思いました。
最後に少し食文化の違いについて紹介します。
タイ:写真ではわかりにくいですが、昆虫です。タイではおやつ代わりに昆虫を食べるのをよく見かけます。市場などでは様々な昆虫が普通に並んでいます。
フィリピン:豚の丸焼きは、フィリピンではごちそうで、大きな祭や結婚式、来賓をもてなすためによく食べられます。何度も食べたことがあり、とても美味しいです。フィリピンに住んでいた時は、よく醤油や柚子胡椒と一緒に食べていました。
フィリピン:写真ではわかりにくいですが、実際の写真を載せるとちょっとグロテスクなので、今回は卵の状態で載せていますが、これはバロットと言われる孵化途中の卵を茹でたものです。骨や羽が見える場合もあり、お酢などをかけて食べます。もちろん、フィリピン人全員がこれを食べているわけではありません。
韓国:これは食材ではないですが、日本ではご飯を食べる時に茶碗を持って食べますが、韓国では、器を持つことは一般的なマナーとはされていません。ですから、基本的にはご飯であっても茶碗を持ち上げることはありません。
また、写真はないですが韓国でも虫を食べる文化があります。缶詰に入った虫が普通にコンビニで売っています。
ジェスチャー
写真はありませんが、最後にジェスチャーに関しても紹介します。普段みなさんがよく使う、親指と人差し指で輪っかを作るオッケーサインについてです。
これはフランスでは「ゼロ」「無価値」「役立たず」などの意味があります。
例えばレストランでウェイターにこのサインをして「この料理は美味しい」という意味で使うと、逆の意味で捉えられる可能性があります。
日本では普通に使われているサインも、他国では相手を不快にさせることがあります。
まとめ
今回、海外のさまざまな文化や習慣の違いを紹介しましたが、これは海外と日本に限ったものではなく、国内でも出身地や家庭によって習慣や文化が異なることがあります。
自分が意図しなくても、相手を不快にさせることがあると思います。その逆も同様です。相手の行動で自分が傷つくことがあっても、相手がそれを意図していない場合もあることを理解することが大切です。
また、自分と違うこと、自分が他の人と違うことは悪いことではありません。虫を食べる文化は現在の日本では理解しにくいかもしれませんが、一昔前にはイナゴの佃煮が食卓に上がることもありました。外国人から見れば、ナマコ、タコ、イカを食べることも奇異に感じられるかもしれませんが、それで差別する必要はありません。違いを受け入れることで、世界はさらに広がります。
さいごに
この記事は、以前の発表を基にまとめたものです。私が伝えたかったのは、意図せずに起こる誤解や、相手を傷つけてしまうことがあるという現実と、その理解が異文化間の感受性を深めることに繋がるという点です。異なる文化の習慣やタブーについての理解を深め、異なる背景を持つ人々に対して敬意を持って接することが目標です。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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