探究学習:当たり前ではない当たり前
こんにちは、Steveです。
桜も散り、これから暖かくなる=薄着になる季節です。昨年の入院から増えた体重をそろそろ本気で戻さないと、以前の体重130kgに戻る気がする今日この頃です。
さて、今回は先日参加した探究学習MTGを得て、自分だったら何を話し、学生たちに問いかけるかをメモ的な感じで書いてみました。50年以上Steveをやっていると、「普通」という言葉からかなりかけ離れた生き方をしているので、いろんな角度から話をすることができます。笑
はじめに
ご存知の方も多いと思いますが、まずは簡単に探究学習の説明をします。
簡単に説明すると、探究学習は生徒自身が主体的に課題を見つけ、解決に向けて様々な方法で探究していく学習活動です。従来の授業のように、教師が一方的に知識を伝えるのではなく、生徒自身が能動的に学び、思考力や問題解決能力、情報収集能力などを養うことを目的としています。
※文部科学省のページ
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/sougou/main14_a2.htm
当たり前は本当に当たり前なのか
僕は幼少期は米軍基地内の学校で英語で育ち、その後、高校からは日本の学校で学んだように、小さい頃から二つの文化に触れて生活してきました。
その中で、いろいろと感じてきたことがあります。それらは自分にとっては当たり前のことでしたが、あまりにも当たり前すぎて気がつかないことも多くありました。しかし、社会に出たり、海外に行くことで、いろいろなことに興味を持ち、気になるようになりました。
話は少し逸れますが、以前ある留学エージェントに相談を受けました。そのエージェントは「最近の学生はあまり留学に興味がなく、地域活性や地元を盛り上げることに興味があることが多い。また、コロナの影響もあり外国を学習したい人が減っている」とのことでした。
これはそれほど難しい問題ではなく、留学の「目的」が「語学目的」に限定されていたためです。目的の選択肢を増やせば、興味を持つ生徒が増えると思います。
話を戻しますが、僕はこれまでおそらく25、26カ国を訪問しています。また、外資系の通信会社に勤務していた時は、16の国と地域の人々が東京オフィスにいたので、多岐にわたる文化に接してきました。そこでいろいろな気づきがありましたが、それが「当たり前は本当に当たり前なのか?」という疑問です。
コンビニ・スーパーマーケット
例えば、海外で生活していると、日本のコンビニの便利さに改めて気がつきます。当たり前のように24時間営業しており、欠のない品揃えで大抵のものが揃います。
ロンドンでは店などは結構早い時間に閉店するので、夕方着のフライトだと食事するところも少ないので、到着早々日本のコンビニが恋しくなります。
ドイツなどでは日曜日、ほとんどのお店が休みになるので土曜日には忘れないように買い出しをしておかないと何も食べるものがなくなります。国境近くに住んでいる人は国境を超えてベルギーやオランダのスーパーに買い物に行くケースもあります。
何でもできる日本からすると不便に感じるこの習慣も彼らにとっては当たり前のことなのです。
では、なぜ日本ではこんなに便利なのかを考えたことがありますか?
まず、24時間営業してもあまり問題が起きない治安の良さがあると思います。また、高度な物流システム、細かい市場分析と商品の管理、店舗間のネットワークなどあげればきりがありません。
では、他の国ではなぜそれらが模倣しなかったのか考えたことがありますか?
ぜひ、みなさんもその理由に関して考えてください。
宅配便、郵便局
また、これはフィリピンに住んでいた時の話ですが、日本にいた頃はAmazonで商品を購入すると翌日、在庫がある場合は遅くても2日後には配達されていました。
また、手紙なども基本的に紛失することなく配送・配達されます。
しかし、フィリピンにいた時にはECサイトから物を頼んでも3、4日かかるのは当たり前のようになります。翌日配送などの場合は追加料金が必要で、たまに商品がなくなるケースも少なくありません。
日本では郵送したものが紛失する話は滅多にありませんし、僕が小さい頃から郵便物は数日以内に日本全国どこでも配達されていました。
これはなぜだと思いますか?
いくつか要因はあると思います。例えば、日本は地理的に小さく、人口密度が高いため、配送インフラを効率的に整備しやすいことが挙げられると思います。
また、日本では昔から郵政省が日本全国にわたる郵便局のネットワークを整備しました。これにより、都市部だけでなく、地方や離島にも均等にサービスを提供する基盤を作りました。
また現代では、GPSを含むなどの先端技術を取り入れてサービスの質を一定に保っています。
海外がこれらを模倣できない理由の一つとして文化的な違いがあると思います。
日本はサービス業において非常に高い水準を持っており、古くは「お客様は神様」という考え方が浸透していました。この文化的背景は、顧客サービスの質を極めて高く保つ要因となっています。
他国ではこのようなサービスへの期待や価値観が異なるため、同じレベルのサービスが提供されにくいことがあります。
おそらく、賢い人たちはこれらの疑問を日本にいながらにして理解しわかると思いますが、僕にそんな賢くなくあれなので、日本いながらにしてそんな疑問には至らず、海外に行って日本の素晴らしさを改めて感じ、それに関する疑問を抱き、その理由を考えることが多いです。
海外の当たり前
これまでは日本が進んでいる、優れていることに気づいた話をしましたが、いろいろと旅するともちろん逆のケースもあります。
なぜ、日本にはないんだろう?なぜ、日本は取り入れていないんだろうと思うことです。
例えば2016年から2019年の間にタイに住んでいました。国自体は活気があり、ご飯も美味しく、日本人も多いことから日本食のレストランも多く、日本食を買うのもあまり不自由することはありませんでした。
タイからフィリピンに引っ越しをしても何度か遊びに行っていましたが、コロナの影響で2020年以降は行けていませんでしたが、コロナが落ち着いた2023年に久しぶりに訪れました。
そこで驚いたのは電子決済・バーコード決済の普及の高さです。
前回遊びに来た時はほとんど見かけることがなかったのですが、一気に普及していました。現地の友達に聞いたところ、市場などが取り入れ一気に電子決済が主流になったようです。
タイでは料理をしない家が多く、何ならキッチンがない家もあります。暑い気候のせいもあると思います。ですから、市場では惣菜やお米を販売しています。タイに在住中は僕もよく利用していました。よく考えると、これも日本からすると当たり前ではないですね。
それもあり、コロナ期間中に日本同様に感染者がお店にいると営業できなくなります。そこで、お客さんと極力物理的な接触を避けるために、お金のやり取りを減らすことができる電子決済が一気に広まったそうです。
それに伴い、以前は見かけたことがない自動販売機も増えました。日本では当たり前のようにある自動販売機も他国では治安などの問題もあり、なかなか野外で見ることはありません。
タイでも同様で外に自動販売機を見るケースが少なかったですが、電子決済が浸透したことで、自動販売機内にお金を置かず、全て電子決済することで、壊してお金を持っていかれるケースがないことが理由です。
また、電子決済をするための主なツールとして携帯電話が使われています。それもあって、携帯の電池がなくなると致命的です。そのため、バス停に充電ジャックが取り付けられていました。これも前回タイに行った時はなかったことです。
これがタイ全土に広まっているわけではないですが、バンコクではすごい勢いで電子化が進んでいます。
一方日本では何かと時間がかかります。もちろん、じっくりと検討するのも大事ですが、スピーディに対応しなければならないケースも多々あります。
日本が物事を浸透させるのに時間がかかるのはどんなケースですか?
その理由はなぜだと思いますか?
これらのように、僕は海外に行くことによって、世界のことを知ることができましたが、それよりも日本のことに改めて気がつくことができました。
日本では当たり前のことは世界では当たり前ではなく、世界で当たり前のことが日本では当たり前ではない。
それはなぜなのか?
そのなったきっかけは何なのか?
世界に広めたい日本の当たり前は何か?
日本に取り入れたい世界の当たり前は何か?
先ほどの留学エージェントの話に戻りますが、そこは語学留学の目的「語学習得」にしていました。しかし上記のように異文化に触れることで見えてくる日本の良さなどを目的にすることで、地域活性なども新たな角度から見えてくることを学生に伝えることで、海外への興味を持ってもらうことができます。
世界に出ることで世界の広さを知ることに合わせて、自国である日本をさらに知ることができます。
みなさんもぜひ、考えてください。
みなさんが思っている「当たり前」は日本だけのものなのか?
それともグローバルなことなのか?
最後に
今回学生に伝えたいことは自身が日常で当たり前だと思っていることが、文化的、地理的、社会的背景によって異なる場合があるという認識を深めることです。また、異文化理解の重要性と、探究的な学びを進めることの価値について認識してもらうことも目的できです。
一度の人生、同じところに止まるのもいいが、一度出ることで気づく良さだったり、開園する余地があるところが見えてくると思います。
最後までお付き合いいただき、ありがとうとうございます。
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