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Apple Watch Series6 なぜ、血中酸素濃度測定が必要なのか

Apple Watch Series6 で血中酸素濃度(SP02)が計測可能になりました。なぜ、SPO2計測が重要なのか、考察を深めます。

AppleのようなGAFAが注目するバイタルデータであるSPO2のような指標は、一つ一つ丁寧に吟味する必要があります。

巨大資本で一気にメジャー化することで、健康上の重要指標になる可能性があるからです。

経皮的動脈血酸素飽和度 (SPO2) とは?

SpO2とは、血液中にどの程度の酸素が含まれているか?の数値で、

・Saturation (飽和),
・Pulse (脈)
・O2 (酸素)

を示し、SpO2 は、血液中(動脈)の多くのヘモグロビンの何 %が酸素を運んでいるかを示す。

SpO2 測定は、在宅酸素療法の適用や睡眠時無呼吸症候群の診断などに用いられる簡易検査法です。最近では、睡眠時無呼吸症候群の検査に用いられSleep Apnea Syndrome(SAS)と呼ばれています。

なぜ血中酸素濃度を測らなければならないのか

・鼻・口から吸い込んだ「酸素」が血液中のヘモグロビンと結合し全身に運ばれる。(漫画、はたらく細胞の主人公、赤血球が全身に酸素を運んでいますね)
・血液酸素量が一定レベルを下回ると、立ちくらみ・めまい・卒倒などの症状が起きる。最悪の場合生命の危険

▲漫画ではなく教養書として読んでおくと、理解の助けになるので、医療漫画の中ではおすすめです。

血中酸素が低くなるとどうなるのか?

低酸素症になると、動脈血に溶ける酸素の量が著しく少なくなるため、身体の隅々に酸素を送ることができなくなり、例えば脳細胞が破壊されるなどして最終的に命にかかわる可能性があります。

低酸素症の原因

低酸素症となる原因は、多岐にわたる。

1:発熱などによって代謝が亢進され、血液の流れが速くなると肺を通過する血液の流れも速くなり、肺の毛細血管を通過する時間も早くなり、血液に酸素を充分に溶かせないまま身体中を巡ってしまうため低酸素血症を起こしうる
2:発熱で脈拍が速くなると身体に血液を送る速さが早くなり、発熱時は呼吸数も増えるのため酸素需要が増加。肺通過血液流が速くなり酸素を充分に動脈に取り込めずに、低酸素血症に。
3:肺機能が悪い、呼吸器系の病気の患者さんが、がウイルス感染や風邪など何かしらの病気にかかると、酸素を十分に取り込めなくなるため、低酸素血症を起こしやすいのです。

計測の必要がるとき

救急、学校での小児の発作、会社での卒倒などなど、様々なシーンが想定されますが、

・立ちくらみ・呼吸困難
・麻痺・ひきつけ・ケイレン
・激しい運動中、気分が悪くなったとき
・鼻や口や呼吸器官に異物混入
・溺水、生き埋めの窒息状態
・睡眠時無呼吸症候群の検査・治療時

上記様々なシーンでの重要KPIになりそうです。

ちなみに、手術前の麻酔科のDrも常時SPO2をモニタリングしています。

パルスオキシメータはどうやって血中酸素濃度を測る?

原理としては、

血中ヘモグロビンは酸素結合有無により、「赤色光」と「赤外光」の吸収程度が異なり、センサーで「透過光測定」し分析すると、SpO2が測定可能

光の透過率が違うわけですね。医学と工学の賜物です。

「正常な血中酸素濃度」の目安は?

・健常者のSpO2は96~99%
・肺や循環器慢性疾患があり風邪や肺炎を起こすと、急激にSpO2下落有り
・SpO2が90%を切れば(急性)呼吸不全と判断
・平常SpO2から3%-4%の下降は急性疾患の可能性有り

▼iPhon12 とiPhone12 Proではカメラ性能が大きく違うので、作例で比較したものをまとめました。


以下参考文献

ここまでの参考文献は下記。

Apple watch series 6での血中酸素濃度計測

毎日のログを通して、自分のSPO2を計測していきたいと思います。

Apple のテクノロジーを利用して自分の血中酸素濃度の状況を把握して、万一肺疾患や呼吸器系の疾患になった場合に違いなどを判定したいし、ストレスが溜まった時や睡眠時のSPO2も、考察していきたいと思います。




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