ある日の立呑屋の風景。

相撲の次は野球か…。

久しぶりに仕事がスムーズに進み、定時で仕事を終わった。ふと一杯飲みたいなあと思い、以前から行きたいと狙っていた渋い雰囲気の漂う立呑屋へ行くことにした。

なんかいいなあ。
周りのお客さんは50代くらいのおじさんが大半を占めており、時折30〜40代ぐらいのサラリーマンと思しき人が1人でいる印象だった。
店内にはテレビがあり、相撲中継が流れいておそらく大関と前頭との一戦が行われていた。おじさん達は相撲談議に夢中で、テレビで流れる一戦に一喜一憂している。
千秋楽も近いだろう。誰が今場所で優勝するかどうか大変盛り上がっているようだ。


平和だなあ。


相撲中継が終わったら、次はいつのまにか野球中継にチャンネルが切り替わっていた。
阪神と巨人の試合らしい。店内の大半は阪神ファンの人が多いらしく、阪神の選手がヒットやホームランを打った時は歓喜の声が上がった。その代わり巨人側が点を入れた時は、場の空気はダダ下がりになった。大きく分けると、阪神の選手のエラーを責める人がいれば、巨人が点を入れたことに対して腹を立てている人の2グループに分かれた。
一喜一憂してばかりで騒々しく思う時もあったけど、なんだか見ていて楽しそうだなと純粋に思った。


渋めの店内の雰囲気が落ち着くようになったのはなぜか。

色々考えてみたけれど、自分の父親が仕事終わりにお酒を飲みながら野球や相撲をテレビでしばしば観ていたのを、小学生ながらに覚えていたからかもしれない。
この店内の雰囲気と幼い時に見た景色が重なって懐かしく思うからだろうな。
どちらかというと酒癖が悪く絡まれるとめんどくさいと思う父親ではあったが、スポーツ観戦が本当に好きらしく野球と相撲をテレビで観ている時は心穏やかだった気がする。

昔はそんな酒癖が悪くてめんどくさい父親が嫌いだったが、今なら当時の父親の苦悩もわかる気がする。
家族を養っていくためには辛いことが色々あるのだ。父親にとっても、スポーツ観戦をしている時は貴重な現実逃避の時間だったのだろう。

幼い時の記憶は、社会人になった今でも影響を受けるというのは当たっているかもしれない。


居酒屋の外観や雰囲気に関して、華やかでお洒落な雰囲気よりも、茶の間の延長線上のようで居心地の良さを重視するほうが好きなのは、ひょっとすると幼い時の景色から影響を受けていると思われる。

子供の頃には思わなかったけれど、生きているだけで時には辛いことや考えたり頭を悩ませる時がある。

ここ最近疲れてストレスを溜めていた時にも思ったが、とりあえず自分が辛い時には、心から楽しい、落ち着くと思うものに触れることが一番だ。 

私も自分が辛い時は無駄に無理して自滅してしまわないように、息抜きというか楽しくて落ち着くものに触れるようにしたい。

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