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お正月、読書、書き初め

元日はいつもみんなで集まって、お節を食べるのが恒例になっている。
(今年も集まれてよかった)

年初めに読んだのは、ずっと読みたかった本。



前々から気になっていたけれど、気づけば雑誌『ダ・ヴィンチ』のブックオブザイヤー2023で一位になっていた。
(凄すぎる…!)

主人公の成瀬がすごく素敵。
それを見守る島崎の立ち位置も。
滋賀県のローカルな情報がたくさん出てくるのも面白かった。
(平和堂って、滋賀県に本社があるんだね)

小説に出てくる地名って都会が多いから(東京は言わずもがな、大阪とか京都とか) 滋賀県をここまで掘り下げた物語ってない気がする。
続巻の刊行も決まっているみたい。
それもぜひ読まなければ。

久しぶりに爽快感のある小説に出会えた。
元気になりたいときにもおすすめ。

普段はそんなに食べないけれど、お正月はいつも食べ過ぎてしまう…
(きのうもそうだった)

夜、お腹が苦しくてはちきれそうだった…
(本当に誇張ではなく)
『赤ずきん』に出てくる、お腹に石をつめられたオオカミを思いながら眠る。
(あのオオカミになった気分で)


翌朝は少し気分がマシになる。
朝食を抜こうか迷って、やっぱりお雑煮だけいただくことにする。
子供たちはすでにお節に飽きはじめていて、今朝はパンとか他のものを食べた。
お餅は一年で今しか食べないから、三ヶ日のうちはお雑煮がいいと思う。思っているのは私だけなのだけど…


午前中の家事が終わってから、長男と書き初めをする。
(長男のは宿題)

冬休みはいつも習字の宿題があって、毎年大変だなぁと思いながら付き合っている。

習字は好きなのだけど、自由時間があると執筆が優先になるから、一年に一度しかやらなくなってしまった。

いつもこの時期に百人一首を書く。
(たいてい、1月2日)
今日書いたのは93首め。


なんとか清書した1枚


世の中は 常にもがもな なぎさこぐ
海人あまの小舟の 綱手つなでかなしも


「世の中はずっと変わらないでいてほしい。渚をこぐ漁師の小舟の、綱手を引く様子が、とても愛おしい」
綱手は、船を海へ引っ張っていくための道具。変わらない日常の代表として、この様子を歌にしている。

『百人一首という感情』より


最果タヒさんのこの本は、書き初めで百人一首を書くたび読み返してしまう。

百人一首の詩情がタヒさんの言葉で語られて、歌はより奥行きを増す。

変わらない日常を愛しむのは、《次の瞬間ですら「大丈夫」と思えない日々を生きていた彼だからこその言葉》だと。


元日の夕方から心が波打つけれど、変わらない日常をすべての人が取り戻せますように。

そう祈らずにいられない。



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