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9月の終わりに


週の終わり頃、
子供たちが立て続けに体調をくずしてしまう。
最初は下の子、そして上の子も…

その当日は、やむなく欠勤する。
欠勤するときは、いつもとても申し訳ない気持ちになる。
致し方ないことだって分かってはいるけれど、いつも慣れない。

病院で検査してもらって、ふたりとも風邪だと分かったのがせめてもの救い。
すでにインフルエンザも流行っているらしい。
(予防接種を受ける前に流行るなんて、初めてでは…)

まだ咳は出てるけど、薬を飲んで少しずつ快復している途中。
子供たちが熱をだしたとき、何より気をつけなければいけないのは自分の体調管理だ。

今のところ感染っていないけど、いつもより早く眠るようにして、免疫力を上げておかなければ。


週末はめずらしく2日とも休みで、
それは上の子の英検があったからなのだけど、ちょっと行けなさそう…
(受験料も払い済みだけど、まぁ仕方ない…)

週末は仕事のことが多いから、
2日とも休みってなんだか贅沢だ。
(その分、土日とも出勤の日もあるけど)


午後は、読めていなかった本を読む。



『透明な夜の香り』の続編。
調香師のさくのもとで働くことになった青年、
みつるの物語。

前作と同じように、朔のもとには色んな欲望をもつ人々が訪れて、終盤、満のトラウマも明らかになっていく。
以前朔のもとにいた一香いちかもときどき登場して、ふたりの現状が分かるのも嬉しい。


そういえば、きのうは中秋の名月だった。
(中秋の名月が満月と被るのは珍しいことなんだとか。次は2030年)

この本の章タイトルも、全部月の名前だった。
New Moon、Pale Moon、Flower Moon……


学生のときに一度だけ、Blue Moonという名前のカクテルを飲んだことがある。
綺麗な青色で、爽やかな味わいだった。
(あれ以来飲んでいないから、いつか飲んでみたい)

Blue Moonには「二度めの満月」や「めったにない」という意味もあるそう。
飲んだのは東京だったけど、あれ自体も本当にめったにない体験だった。

月には「追いかける者」チェイサーという意味もあるそう。そして朔によると、月にも匂いはあるんだとか。

「闇夜でもわかる、月が満ちているか、欠けているか」

『赤い月の香り』より



過去の記憶が香りで呼び醒まされることはある。
これからだと金木犀かな。
あの匂いを嗅ぐたびに、高校の頃を思いだす。
夜に香る鮮烈な甘い匂いを吸いこむたびに、
どこまでも行けるような気がした。


大切な記憶に宿る香りを抱えて生きること。
その執着と意味について、
思いを馳せたい一冊だった。



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