願えば願うほど、遠くなっていく。

声優になりたいなぁ。
イラストレーターになりたいなぁ。
作詞家になりたいなぁ。

学生の頃、将来の夢の欄に書いていたのを思い出す。

周りの子がよく書いていた看護師とか、ケーキ屋さんとか、お嫁さんと書いたことは一度もなかった。

・・・

イラストレーターは、絵を描くのが好きだったから。

次に作詞家は、詩を書くのが好きだったから。

そして、1番長く夢に描いてた声優は、神谷明さんに憧れてだった。

高校生の頃、本気で声優を目指そうと毎日5km走ったり、発声練習をしたり、こっそりネットラジオとかしてたり、歌い手の真似事をしたけれど、結局親の反対に敗れて、夢は願っても叶わないと思った。

本当になりたいなら、自分でお金を貯めて専門学校通ってとか、オーディション受けまくってとか、色々できることはあるのかもしれない。親と縁を切るくらいの覚悟がなかった臆病な私には、無理だった。

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実は大人になってから、文章を書くのが好きだと気づいた。ブログやひと言日記。そして、ツイッターが流行りだした時期で、悲しい時、嬉しい時、その時の感情を話すのは難しいけど、文字にしてぶつけていると心がスッキリして、自分の感情と仲良くなれる気がした。

そして、自分の頭の中で描いた妄想や想像を詩にすると、恥ずかしいけれど、もうひとりの自分のようで大切にしたくなる。

そうやって、ライターを募集している会社を転々として、今はフリーランスのライターに落ち着いたわけだ。

こんなことを言うのもだけれど。

フリーランスになりたいと思ったのは、将来の夢だったとか、そういうわけじゃない。人付き合いが苦手で、会社に属するのが向いてないと感じたからだ。あと好きなことをしたかった。これが1番大きい。

そして、運良く最初から程々に稼げるフリーランスになれた。願ってもないし、交渉したわけでもなく、棚ぼたに近いかもしれない。でも夢って意外とそういうものなのかも。

夢は願っても叶わない。願うより、自分を信じてあげる方が、きっと夢に近づくのではないかと思っている。

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