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久しぶりにバス停まで走った。

「あー!絶対今可愛くない顔を晒してるっ!!」と思ったのは、多分走り始めてすぐのこと。

世界一見せたくない顔をしてまで急いだのは、待ち合わせがあるからだ。

自分ひとりのためだったら、こんなこと恥ずかしくてできない。

今日は、同じBARで働くスタッフと一緒に、占いBARへ行く約束をしたのだ。

ずっとずっと一緒に行こうと話していたけど、お互いバタバタ忙しい日が続いて、2ヶ月経った今、ようやく約束を果たせそうなのだ。

待ち合わせは19時。

それに間に合わせるには、18時19分。最悪34分のバスに乗らないといけない。

家を出たのはすでに18時15分。バス停まで、早く歩いても20分はかかる。

まずい。非常にまずい展開だ。

それに追い打ちをかけるように、「向かってるよー!」とのLINEが入る。

「こっちも向かってるよ」と返信して、急いでカバンにしまう。

走ろう。

走ったらいける。たぶん。

根拠はないけど、やるしかない。

今日はそのまま出勤だからとヒールの高い靴を履いてきたのは間違いだった。

日頃の運動不足で、すぐに息が上がる。苦しい。

無理だ。でも間に合わせなきゃ。

走って歩いてを繰り返して、どうにかバス停まで急ぐ。

喉は乾燥して、なんだかマラソン大会の思い出が蘇ってきた。トリムマラソン、意外と楽しかったなとか、冬の体育って小学校から高校まで長距離走だったな。とかそういうことばかり。

あと、

「一緒に走ろうね。」

は、簡単に裏切られるとか。どうして、こんな時にこんなことばかり浮かぶんだろう。

あー。やばい。もう32分だ。腕時計を確認して、さらに急ぐ。

バス停に着いた瞬間、曲がり角からバスが来た。

19時ちょっと過ぎそうだけれど、なんとか間に合いそうだ。

息がまだ整わず、顔を真っ赤にしながら、私は席に着いた。

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