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映画『ミス・レプリゼンテーション 女性差別とメディアの責任』

2011年/製作国:アメリカ/上映時間:85分 ドキュメンタリー作品
原題
 Miss Representation
監督 ジェニファー・シーベル




予告編(海外版)


レビュー

 「自分にはなんの力もないと思うことが、持てる力を放棄する要因となる」という、アリス・ウォーカーの言葉の引用にて始まる本作。
 ジェニファー・シーベル監督の初監督作ということもあり、力が入り過ぎていたり、散漫だったり、強引だったりする部分もチラホラ。
 
しかしながら世に蔓延する女性蔑視に対する真摯しんしな怒りと、そういった状況を変えてゆくのだという想いはダイレクトに伝わってきました。

 ただし、女性のリーダーとして持ち上げているコンドリーザ・ライス元国防長官とヒラリー・クリントンに関しては、様々な理由が有り(企業から鱈腹たらふく献金を受け取っている等)個人的に不支持のため、女性の代表として登場させるのはどうかと思いましたし、はっきり言ってめて欲しいなと思いました。正直、政治的な部分を描く箇所では、上記ふたりの汚い部分は全く取り上げないというその偏った視点に、かなりゲンナリ。
 同じ女性だからといって盲目的に支持するならば、結局は男性達と同じ過ちを犯すことになると思うわけです。
 「じゃああなたは共和党やトランプ政権みたいなのを支持するの?」というような指摘はまさか無いとは思いますけれども、そういう突っ込みを思い浮かべる方も居らっしゃるかもしれませんので一応記しておきますが、そもそも「共和党か民主党か」というような、右か左かのどちらかを選ばなければならない(二者択一)というアメリカの現在の政治状況自体が大きな問題を抱えていると思いますし、ましてや本来「企業からの献金を受け取っているような人間はすべからく国政に関わるべきではない」と考えております。
 
 同監督の二作目『男らしさという名の仮面』の方が、本作よりも優れた作品であると感じましたゆえ、まずはそちらをおすすめいたします。
 本作はその女性バージョンとして一度は見る価値あり。という感じ。
 
 ※ちなみにこの手の作品では、ニナ・メンケス監督の『ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワー』が最もおすすめ



印象に残った言葉

 ・最も大切なのは、内面であると理解すること

 ・業績で自分を評価すること
 
 ・鏡で自分の姿を見て嘆くのはやめてください。女の子たちが見て真似しますから

  ・女性は詮索しがちです。《彼女は老けた?》とか《どこの服?》とか。足を引っ張りあってる。そういう潰し合いはやめるべきです

 ・すべての女性が、進んで他の女性を力づけますように

 ・世界を変えたいなら、自らを変えよ
 マハトマ・ガンジー

 ・問題は悪人による悪行ではなく、善人が何もしないことだ
 マーティン・ルーサー・キング

 



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