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映画『ブライトスター いちばん美しい恋の詩』

2009年/製作国:イギリス、オーストラリア/上映時間:119分
原題 BRIGHT STAR
監督
 ジェーン・カンピオン



予告編(日本版)


予告編(海外版)



STORY

 1818年、ロンドン郊外のハムステッド。
 詩人としての才能を開花させ始めた若者ジョン・キーツ(ベン・ウィショー)は居候先の隣人で、ブローン家の長女ファニー(アビー・コーニッシュ)と出会い、輝くばかりの美しさに次第に惹かれてゆく。
 繊細なキーツを優しく包み込むファニーとの純愛は彼を詩人として成長させるが、ある日、彼は結核を患ってしまい……

DVDのSTORY解説より


レビュー

 25歳で夭折ようせつしたロマン派の詩人ジョン・キーツ。彼を愛し、そして愛された女性ファニー・ブローンの目を通して描かれる、真実の愛の記億。
 女のさがを描かせたら超一流の手腕を発揮する、ジェーン・カンピオン監督作品。
 
 主役の女性ファニー・ブローン(以下、ファニー)は、開始30~40分頃まで猫を被って大人しくしていますけれども(カンピオン監督も)、それは勿論その後の展開への布石です。
 ファニーは恋した途端に豹変し、アッサリと被っていた猫の皮を脱ぎ捨て、女の本性剥き出しに、詩人キーツへと襲いかかります🐈→🦁🥩。

 アツアツの恋の夏をキーツと共に過ごせない事が判明するとファニーは、キーツがひざまずいて事情を説明しているにも関わらず、ヒステリックに泣きながら責め立て「私は、あなたにも、他の男にも愛されたくない!あなたなんか大嫌い!」と言い放ち、ギャン泣きをかましてゆきます。
 キーツからの手紙がなかなか届かないと、今度はこの世の終わりの如く絶望し、性格抜群の可愛い妹に当たり散らした挙句、病人よろしくベッドに臥せり「恋なの?これが恋?もう恋を笑わないわ。死ぬほど苦しいのね」と自分の恋の世界に耽溺(泥酔)。
 しかしキーツからの手紙が届くと急に精気と機嫌を取り戻し、届いたそれを胸に抱きしめて階段を駆け上がり、窓辺で口を半開きにしながら一心不乱にそれを読み耽るのでした……
 ※たぶん皆様も一度は恋の病に感染したことがあるはずですから、ファニーの夢遊病状態は実感を持ってご理解いただけるはず(最近は手紙ではなくメール等での経験かもですけれども)
 んでまた、キーツからの手紙の内容がエ〇イんですこれが……
 あんな内容の手紙を貰った日には、それはもう間違いなく……(以下略)
 ※あっ、念のため記しておくと上の「〇」に入る字は「モ」ですよ❢
 
 で、その後は本作最大の見所とも言って良い、文字通りの「脳味噌お花畑蝶々舞飛び&舞い散り」シーンを、圧巻の完全実写バージョンにてお楽しみいただけます。
 あと、軽めの自傷行為のオマケもあるよっ!
 というわけでカンピオンお姉様、わたくし、貴女に一生ついて参ります!
 まぁもちろん殿方はドン引き確定の女の世界なわけですが、ファニーの壊れっぷりを観てみたい方は是非どうぞ。
 そして物語は、恋から愛へ……(以下略)

 よし、よし、衣装よし。
 恋の狂気は更に良し。
 ラスト、ふたりの愛は詩の翼を羽ばたかせ、夜空の果てへと舞い昇り……

 ブライト・スター(輝く星)。
 ハートに瞬く、永遠の愛の星の、美しい光の物語。

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