私にとって私立恵比寿中学は「味方」だ。 #私とエビ中
私にとって私立恵比寿中学は「味方」だ。
私が初めてエビ中に出会ったのは『スーパーヒーロー』のMVだった。
私をももクロ沼に沈めた(勧めた)大学の先輩が「これを見てほしい」と言って見せてきたのが『スーパーヒーロー』のMVだった。
先輩は柏木ひなたのソロパートシーンを私に見せながら「ここのひなたがエモくて好きなんだ」と言った。私はあんまりピンとこなくて「そうなんだ~」というリアクションをした気がする。
ただ、「あらいさんは安本さんが好きだと思うよ」と言われて見せてもらったショートヘアの女の子・安本彩花には「あ、確かに好きかも」と思った。
次にエビ中を見たのは舞台『エクストラショットノンホイップキャラメルプディングマキアート』のDVDだった。
これも前述の先輩が持っていたもので、先輩の家で一緒に見た。
舞台の細かい内容は覚えていないけど、面白かった、気がする。「どうだった?」と聞かれて「真山の演技が好き」と答えたことは覚えている。
ただそれでも、ももクロの時のようにがっつりハマるということはなくて、先輩が「舞台でのキャラ設定と本人たちの本当の性格は全然違うんだよ」と話してくれたのを「そうなんだ~」と空返事していた。
エビ中に三度出会ったのは、2016年冬のFNS歌謡祭だった。
その年、私は春から絶望的な状況の中にあって、春~夏頃は毎日のように泣きながら寝るような日々だった。(誇張や比喩ではなく、マジで)
秋の終わり頃にようやく泣かずに寝られる日が増えてきて、それでもまだ心の傷が痛むような日々の中で、12月14日に私たちは再会した。
再会のきっかけは単純で、ももクロが12月14日にFNS歌謡祭に出ると知り、見ようと思ったからだった。
他のアイドルたちとコラボパフォーマンスをする、その中には同じ事務所のエビ中もいる、という事前情報があった。
スタダ、ハロプロ、48グループ、坂道。今では到底見れないであろう贅沢な顔ぶれでのコラボだったけれど、当時の私はももクロ以外ほとんどのアイドルを知らなかったし、前述の先輩はこの当時他界してしまっており、周りにこの番組の話ができるオタクは皆無だった。
私は誰とシェアするわけでもなく、番組を見た。
エビ中が歌っている姿を見るのは『スーパーヒーロー』のMV以来二回目だった。色違いのマントを付けていた『スーパーヒーロー』と違って、この日のエビ中はみんな真っ白な衣装だった。
グループの垣根を超えたコラボユニットの他に、エビ中は単独で『まっすぐ』をパフォーマンスした。
「まっすぐ 君だけに ありったけ 愛を捧げよう」
彩ちゃんが歌う、その歌声がまっすぐで好きだなと思った。
そして。
「どんなときも隣で 君の味方でいるからね」
八人のユニゾンで歌われたその歌詞に、私は気づけばボロボロと涙を零していた。
初めて見る歌なのに。家のリビングで。近くには家族もいるのに。
人目も憚らず泣いていた。
自分でもびっくりした。
なんでこんなにも泣けるのだろう。胸に刺さるのだろう。
「どんなときも隣で 君の味方でいるからね」
その言葉に、心が救われる思いだった。
味方でいてくれる人がいるなら、もう少し生きていてもいいんじゃないかと、その瞬間本気でそう思った。
今振り返っても誇張なく「あの日、命を救われた」と断言できる。
それほどまでに、『まっすぐ』は私に刺さった。
FNS歌謡祭の数日後、エビ中が大学芸会の宣伝を兼ねた雑談配信をしていた。その中で、彩ちゃんが「ぜひ来てほしい」と言っていて、「あ、行こう」と決めた。これは自分に向けた言葉なのだと、勝手に思った。
2016年12月22日。
18時定時きっかりに会社を飛び出して、代々木体育館へ向かった。
北スタンドの二階席、ステージから遠く離れた天空席に着いたときにはライブは二ブロック目か三ブロック目に入っていて、自己紹介のMCはとうに終わっていた。
ももクロと違ってメンバーカラー衣装がないライブで、しかも天空席。ステージ横のモニタに映るメンバーすら豆粒だった。
緑を振ってはいたけれど、どれが彩ちゃんなのかは全然分からなかった。彩ちゃんだと思って目で追っていた子が、よく見たら違う子だったことも何度もあった。
知らない曲がほとんどで、覚えているのは『春休みモラトリアム中学生』でステージ後ろに「せめぎあう せめぎあう」って文字がデカデカと映し出されていたインパクトくらい。
……と書くと全然楽しめなかったように見えるけれど、そんなことはなくて。分からないなりに、楽しかったし。
ユニット曲の『新大陸』は、オレンジ衣装が可愛かったのと、さすがに三人だから彩ちゃんがどこにいるか分かって良かった。
一番見たかった『まっすぐ』もセットリスト後半だったおかげでちゃんと見ることができた。
『サドンデス』ではめちゃくちゃフリコピして汗をかいた記憶。彩ちゃんはすぐ負けてしまうから、二推しの真山が負けるところまでダンスバトルには参加した、気がする。
FNS歌謡祭からたった八日後のことだったけれど。
勢いだけで来てよかったと、心から思った。
そうして『まっすぐ新規』の私はエビ中ファミリー(エビ中のファン)になり、ライブに行くようになって、グッズもCDも買い、遠征もした。そして、いろんなこと(という一言では片付けられないくらい、本当にたくさんのこと)があった。
りななんの逝去。ぁぃぁぃの卒業。彩ちゃんの休養。
推しのいないライブ。
それでもエビ中現場に通い続けたのは、彩ちゃんの居場所を守りたかったから。彩ちゃんの味方でいたかったから。
あなたたちが私の隣でずっと味方でいてくれるということは、その反対、私もあなたたちの味方でいることだと思ったから。
彩ちゃんから悪性リンパ腫の寛解報告が聞けたのは2021年4月のことだった。
当然嬉しかったが、同時に「復帰にはまだしばらく時間がかかるだろうな」とも思った。
ただ、出口の見えないトンネルの中にいたような日々を思えば、随分と息がしやすくなったことを覚えている。
そして、その数週間後に出会ったのが、ノノカちゃんだった。
オーディション合宿の初日、朝。大人たちに囲まれた少女が一人。
その瞳の意志の強さを見た瞬間、「好きだ」と思ったし「この子を推す」と決めた。
5月5日、ノノカちゃんはオーディションに合格し、風見和香として、晴れてエビ中のメンバーとなった。
彩ちゃんが戻ってくるまでは和香ちゃんを追おう。
戻ってきてからは……戻ってきたとき、考えよう。
と、思っていたのだけど、彩ちゃんの仕事への復帰は私の想定より随分と早く、彩ちゃんの復帰ライブと和香ちゃんのデビューライブは同日となった。
正直、困った。笑
困ったけど、一度「推す」と決めた気持ちを変えることも、私にはできなくて。
2021年9月のちゅうおんから今日まで、その日その瞬間に見たい方を見て、見れる方を見て、と優柔不断すぎる形だけれど二人のことを同じくらい、推し続けている。
そしてデビューライブから約一年後の2022年8月25日、和香ちゃんの生誕ライブ。
そこで披露された『I'm your MANAGER!!!』の台詞パートは、オリジナルのものではなかった。
和香ちゃんは叫んだ。
「私はずっと君の味方だから!」
びっくりした。
ねえ、そのフレーズ。
あまりにもドンピシャすぎて。
出会った瞬間からあなたを推すと決めていたけれど。
その気持ちにもう一度火をつける、そんな瞬間だった。
今でもこの時のことを思い返すと涙が出てくる。
そう、これを書いている今も。笑
涙が出るくらい嬉しかった。
あなたを推すと、心に決めて良かった。
「どんなときも隣で 君の味方でいるからね」
「私はずっと君の味方だから!」
あなたたちがそう歌ったから、私にとって私立恵比寿中学は「味方」です。
そしてあなたたち私立恵比寿中学にとっても、私は「味方」でありたい。
どんなときも、ずっと。
おわりに
このnoteは、2023年春ツアー完走記念のファン有志企画「私とエビ中」に寄稿した文を一部修正したものです。
「私とエビ中」に関して、詳細は下記。
上記にて、私以外の参加者の方の寄稿文も読むことができます。是非。
また、既に投稿済みのnoteですが、安本彩花生誕ソロライブのレポは本noteの後に書いたもので、私の中では本noteの続き、という位置づけです。
安本彩花ソロの『まっすぐ』がさぁ、聴きたかったんですよ……。
という嘆きはさておき。
あとがき的な話をします。
「私とエビ中」企画にお誘い頂いて、テーマを聞いてすぐに「この内容を書こう」と決めました。決めてから書き切るまでもほとんど迷いなく、執筆時間でいえばこれまで書いてきたnoteの中でも1,2を争うくらい最短でした。
それくらい素直に誇張なく、私の中ではずっと変わらずにあった気持ちを書きました。
ああ、一つ迷ったというか変えたところと言えば、冒頭のフレーズは当初「私立恵比寿中学とは『命の恩人』である」でした。笑
さすがに出だしから重すぎるのと、「出会った頃の話だけじゃなく、風見和香ちゃんのことも書きたい」と思って、『味方』に変えました。
結果的に、『命の恩人』とかいう激重パワーワードで変に注目を集めるより、私の気持ちの本質的な部分まで書けたんじゃないかと、自己満足しています。
そうそう。和香ちゃんとの出会いについては、オーディション当時のnoteも残ってたことを思い出したので、そちらも貼っておきます。
自分でも読み返してみたけど、初手からめちゃくちゃ和香ちゃん贔屓してるな私。笑
それくらい、第一印象からもう、ドストライクだったんですよねぇ。
さて、そんな風見和香ちゃんの生誕ソロライブ「ののかまると犬の散歩~みんなで吠えよう!~」が明日、開催されます。
和香ちゃんが「私はずっと君の味方だから!」と言ってくれてから丸一年。
どんなソロライブを見せてくれるか、明日が楽しみです。
チケットまだ間に合うよ〜。
……と、ここまで7月末に書いておいたのですが。
ですが。
8月に頭にえらいことが起こりました。
そうです。
ファミえん1日目に披露された『まっすぐ』にて、最後のソロパート「君のため生きてゆきたい」が風見和香パートになりました。
(歴代担当:廣田→柏木→風見←イマココ)
え???ちょっと待ってくれ。大事件すぎる。えらいこっちゃですよ。
私が『まっすぐ』新規で、『まっすぐ』に救われて生きてきて、『まっすぐ』に対して並々ならぬ特大感情があるオタクだということ、ここまで読んでくださった方には分かって頂けるかと思います。
そこにさらにラスト風見和香パートまで加わってしまったら、それを見たら、私は、私は……?
た、助けてくれ~~~~~~(頭を抱える)
いや、でも、見たい。超見たい。(それはそう)
残念ながら初披露を見ることは叶いませんでしたが、きっといつか。
そう、たとえば、ぴあアリーナMMで。
10人体制の『まっすぐ』に救われる日を、今から心待ちにしておくことにします。
おしまい。
(とか言って明日風見和香ソロ『まっすぐ』披露されたらどうしよう……助けてくれ~~~~)
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