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【まとめ】もし、また先生に戻ったら

こんにちは!タノ🦒です。
今日の記事は【もし、また先生に戻ったら】という記事です。

今小学校の先生を退職して2年経ちました。
先生という仕事は今でも好きですが、
その土台のシステムを変えたくて外にでました。

もし、また戻ることがあったら、何をするのか。
どうやって生きていくのか。

この2年で出会ったことも加味して書いてみます。

テーマは5つ
①働き方(時間とお金の話)
②学校の業務改善について
③授業と学級経営について
④保護者と地域について
⑤学校の枠を超えた活動について
です。

自分のための記事ですが、
もし同じように考えている方がいれば参考になればと思います。

-----自己紹介-----
・元小学校教師7年(塾講師経験も)
・見える化の授業を国内外で行う
・保育園や学童のICT化を行う
・プログラミングの教室運営を行う
・学校の業務改善を行う会社で活動する

▽詳細はこちら▽

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1.働き方(時間とお金の話)

(1)先生の働き方

先生と一言で言っても、働き方は複数あります。
下記の右のような形ですね。

つまり、正規・臨時・非常勤があります。
非常勤は副業ができます。
といっても申請次第では正規職員でも副業は可能です。

副業のジャンルにはよりますが、簡単に言えば、
「教育」から大きく外れておらず、申請が通ればできる。
管理職や教育委員会の判断があるため、実例を示すと良いかと思います。

(2)働き方は1つじゃない

働き方の話をしたのはお金が絡むからです。
そしてお金の話と一緒に『時間』もです。

前提として「日本の先生の働く時間は世界一」。
まず、人として潰れないことが大事です。

自分の人生の責任は自分しか負えません。
本当の意味で最後に自分を守れるのは自分です。

心身をボロボロにして踏みとどまるのではなく、
一度離れることも、再チャレンジしてもいいということです。

「もし正規職員を続けられなくなっても道はある」。
これは無責任という意味ではありません。

「苦しみながら踏みとどまらなければならない」という苦しさの中で働くのではなく、「他にも選択肢がある」と思えれば心に余裕ができます。
#絶対に死なないでほしい

(3)時間とお金

といっても、正規雇用じゃない=不安定。
というイメージがあります。

考え方は「時間」と「お金」のバランスです。

フルタイムで働くと安定はしますが、時間がなくなる。
非正規で働くと「時間」ができて「お金」が安定しない。

方針としては、
自由な時間を手に入れて、生きていくためのお金を増やす」。

通常の組織側の考え方は
少ないお金でなるべく長い時間働いて欲しい」です。
人件費や労働環境の改善の意識がない組織はこうなります。

そのため、
組織に属していると時間とお金のコントロールが効きません。
個人の都合と関係なく立場が上がったり、業務時間が増えます。

(組織改革の話は置いておいて、)
ここから時間とお金の自由を手に入れるために、個人でできることは、

①お金の運用(お金にお金を生み出してもらう)
②副業する(給与以外の収入源を作る)
③時給(年収)を上げる
④支出をおさえる


の4点です。

「月額の支出を抑えて、手元のお金を増やす」です。
全てを副業に費やすというわけではなく、
安定した収入源があれば、その分自由な時間を増やせます

組織に依存せずに稼げる手段をもちたいと思います。

現時点で私の個人事業での収入は、月額1〜2万円程度。
過去最大でも5〜6万円程度でした。
使える時間が少ないため、このくらいです。

仕組み化を進めて、収益を増やし、投資を頑張る。
個人としての力をつけていこうと思います。

ただ金額も大切ですが、
「お金」をコントロールする感覚の方が重要かと思います。

2.学校の業務改善

(1)学校の土台

そもそも「働き方」や「時間とお金」の話をしたのは、
学校に「人件費」の概念がほとんどないからです。

よく「先生は社会を知らない」と言われますが、私はこの言葉は半分間違っていると思います。そもそも「社会」の定義が曖昧です。

一方で「損益」「集客」「業務改善」という言葉を出すと、
確かにこの考え方はほとんどないと思います。

予算委員会はあっても「儲ける」必要はないし、子どもは勝手に来ます。
数字的な目標をあまり設定しないので業務改善する必要もない
日本の学校は、そういう背景の中で運営されています。

そして、最も足りない考えは「人件費」。
つまり「この業務に必要な人員と予算はこれだけかかる」という考え方です。
普通は新しいことをやるなら、人を増やすか、他をやめます。
学校現場での考え方は、

新しいことをやろう!先生に全部やってもらおう!
という考え方です。
#・・・

(2)業務改善

この考えの下「世界一の業務時間」という世界観ができあがりました。
日本的な「お上が決めたことは絶対」の価値観の中で業務が減らない。

結果的に、先生の離職率や採用倍率の低下が起きています。
子供に教える前に、先生が安心して働ける環境が必要です。

では、希望がないかというと、そうでもありません。

最近は、行政や文部科学省の方の話を伺うことも増えました。
その中で確信したのは2つ。
①「現場に合わせた解釈のために、制度や要領の言葉はゆるく作ってある」
②「国のトップダウンは難しいけれど、現場の優れた実践を待っている」

つまり「国がどうにかしてくれる」という世界線ではない。
でも、現場の意思や動きを尊重してくれようとしている。
官僚も国も敵ではなく、味方の人がたくさんいました。

だから、一言で言えば、
やっちゃえ!学校の業務改善!」ということです。

(3)どうやるのか

とはいっても、この道はイバラの道です。
多くの方が「変わらない」と思っているからです。

でも、変える方法と実践がすでにあります

紹介する本は2冊。

1冊目の本では、学校教育の土台を変えるための方法。
こちらでも解説していますが、
「誰一人取り残さない学校を作る」
「学校をつくるのは、自分たち」

という2つの考え方です。
学校のあらゆることを変えてきた考えと実践が載っています。

2冊めの本は、プロジェクト型業務改善。
自分たちで学校を変える!」の言葉通り、
一筋縄ではなく、変えてきた実例が載っています。

この2つの本が「変えていい」「変えられる」と教えてくれます。


3.授業と学級経営について

(1)子どもに委ねるということ

「子ども主体の授業」といっても難しい。
これは当然です。

①一斉授業にみんなが慣れている。
②教え込みなら予想外のことが起きない

そんな中でいきなり「子どもに任せよう!」としてもできない。
【自己決定】をしてきた経験がない中では難しく、慣れるまでどうしても時間がかかります。

その問題点を分かりやすく分析し、
なおかつどうすればいいか書いているのがこの本。

特に心強いのが、「0か100かではなく、教えると任せるのハイブリットでいい」というようなことも書かれているところです。

少しずつ育てるように手放して、任せていく。
そんな教育を目指したいですね。

その時に「最上位目標」を見失わずに進んでいきたいです。

(2)授業の根幹

授業ってなんのためにやるのか?

「社会で活躍する力をつける」
「生きるための力をつける」
「志望校に合格するため」

色々ある気がしますが、私は2つだと思います。
①自分が目指す方向に進む力をつける
②市民として社会をより良くできる人を育てる

です。

前者は子どもが主体、後者は大人目線です。

②は大人目線でいうと、
より良い社会を作るための仲間が欲しい
という感覚があります。

自分自身はもちろん、周りの人、
そして社会の仕組みを自分の手で変えることができる。
そんな仲間が欲しいと私は思っています。

次世代は、上の世代の成功も失敗も学べます。
間違いなく我々よりも社会をよくしていける。

その時、それぞれの子どもたちが、
自分の得意な分野で力を発揮してほしい。
教育はそのためにあると思います。

おそらく全員に共通するのは、
①お金の話 ②情報リテラシー ③市民教育(民主主義)
の3つだと思います。
その元になる計算・読解を自由進度でさっさと行う。
あとは、最低限の健康と体力。

基礎知識として知るべきこともたくさんありますが、
このあたりを達成すれば生きていけます。

逆に言えば、根幹が大切。
それ以外を一度白紙で考えた時に何が見えるか。

・学習指導要領はあくまで「要領」。
・成績表は任意で提出しているだけ。

(指導要録は保管の義務がある)

本当の意味で
子供たちの力を伸ばす教育を行いたいと切に思います。


4.保護者と地域について

(1)サービス化する教育

みんななぜか忙しい。
働いているし、コミュニティも少ない。

そんな中「教育」の立ち位置はなにか?
教育=サービス化」している感覚があります。

サービス化すると何が起こるかというと、
「サービスが悪いと不満につながる」
「なるべくサービスを多く受けたい」
という消費者意識につながっていきます。

「教育」の立ち位置はどこにあるのか?
「つまり誰が教育を担うのか」という問いです。

先生か?親か?地域の人か?塾の先生か?

答えは全部です。
その子に関わる全ての人が教育者です。

一方でその中で先生の立ち位置はなにか?
先生は「教育のプロフェッショナル」です。

(2)教育のプロとは

「全員が教育者」と言いましたが、
学問を教える時には知識が必要になります。

学問を教える場合、
教育心理や発達の知識、体系化されたカリキュラムが必要です。

薬品の使い方を誤ると危険が生じるように、
知識も身につけ方や使い方が大切になります。

また、障害を抱える子に向き合う時は、
その背景や得意不得意を知る必要
があります。

「やればできる!」ではできないこともあります。

それらに向き合うために、専門的な知識をもって、
専門家や必要な人たちと連携することが必要です。

このように書いていくと、
「学問」や「発達段階」については相応の知識が必要です。

先生はスーパーマンではありません。
全ての学問を網羅することはできません。

ですが、子ども達を「見る」目を鍛えていると思います。
たくさんの子どもを見て、知識をもって向き合う。
それが先生の専門性だと思います。

(3)みんなをつなぐ

ただし先ほども書いたようにスーパーマンはいません。

なんでもかんでも先生に荷を負わせた結果が、
先生達の疲弊と離職です。

一方で、先生だけではできないことがたくさんあります

家で向き合うのは保護者です。
そして子供たちを広い目で見るのが地域です。

一緒の目線で子ども達に関わることができたら、
誰にとっても温かい学校になると思います。


とはいえ、そもそも先生達の話し合いを保護者は知りません。
それに学校のことを知るための時間もなかなかありません。

みんな忙しい。
自分のことで手一杯です。

この「忙しい・理解できない・ちゃんとやってほしい」から、
余裕をもって子どもに向き合うことができたらと思います。

それぞれが理解し合うための場所が必要だと思います、
そんな時間が生まれる環境を作りたいな、と思います。


5.学校の枠を超えた活動について

(1)学校を出よう

先程の項目で書いたことを実現させるには、
学校を出る」しかないと思います。

辞職の意味ではなく、外部の人とつながることです。

閉じられた空間を変えるためには、
外部の風や人脈をつなげることが大事になります。

そうすることで、客観的に今の現状が見えます。

また、自分たちだけでなんとかしないと・・・。
という感覚を変えていくことができます。

「人件費」の話もしましたが、
学校の中にいると気づかないことがたくさんあります

逆に「学校ってこんなふうになってるんだ!」と、
外部の人はきっと思います。

この二つが交わると、化学反応が起きていきます。

どんな反応になるか分かりませんが、
中だけでなんとかするのではない動きが出てきます。

(2)人を頼る

担任の先生は基本1人です。
だから「頼る」という発想が出づらいです。

でも、一人でやらなくていいはずです。

教育改革で有名な麹町中学校は、
学年担任制にしました。

もしたった一人の担任にしていたら、
改革を成し遂げることは不可能だったといいます。

「一人だけの力に頼らない」
「最上位目標に向けて全員で進んでいく」
頼りあって、人の弱さを認めることができる、
そんな学校にできたらと思います。



最後に

ほとんど感想みたいな記事になりました汗

ある先生志望の学生が迷っていました。
「一人で全てやらなきゃいけないのが怖い」

責任感が人一倍強い子です。

そんな構造の学校組織。
けれど、確実に変わってきています。

変わっていくための一助になりたいと思っています。


今も現場で頑張る方々に置いてかれている気もしています。
でも、今の場所でできることもあります。

3年後、5年後、10年後。
どうなっているかは分かりませんが、
一歩ずつこれからも進んでみます。



今回の記事はここまで!
読んでくださってありがとうございました!
タノ🦒でした!またね!



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