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詩歌ビオトープ

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歌人や俳人、詩人の分布図を作るプロジェクト
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2023年3月の記事一覧

詩歌ビオトープ007: 土岐善麿

詩歌ビオトープ007: 土岐善麿

はい。ということで7人目は土岐善麿です。

土岐善麿は1885年生まれ、1980年に亡くなりました。めっちゃ長生き。

彼は東京都生まれで早大卒、大学を出た後は読売新聞の記者になりました。

明治43年、彼は土岐哀果の号で「NAKIWARAI」という歌集を発表します。この歌集はローマ字と三行歌であるのが特徴で、この歌集で石川啄木と並んで高い評価を受けたんですね。で、そのことをきっかけに啄木と出会っ

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詩歌ビオトープ006: 北原白秋

詩歌ビオトープ006: 北原白秋

はい、ということで、詩歌ビオトープ6人目は北原白秋です。

北原白秋は1885年に福岡県で生まれ、1942年に亡くなりました。歌人としてはもちろんのこと、詩人、童謡作家としても有名ですね。

1906年に新詩社に参加、その後脱退して「パンの会」に参加し、象徴主義や耽美主義の詩を「スバル」に発表します。そして1909年に処女作「邪宗門」を刊行しました。

初めての歌集「桐の花」を発表したのは1913

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詩歌ビオトープ005: 前田夕暮

詩歌ビオトープ005: 前田夕暮

はい、ということで詩歌ビオトープ5人目です。

5人目は前田夕暮。この人は1883年に神奈川県で生まれ、1951年に亡くなりました。

尾上紫舟に師事して車前草社に参加、同門には若山牧水がいます。年齢も近かったので、ライバル的な関係だったのかもしれませんね。お互いにかなり意識し合っていたんじゃないでしょうか。

白日社を創立し、「詩歌」という雑誌を創刊します。で、最初に出した歌集が「収穫」。この「

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詩歌ビオトープ 004:斎藤茂吉

詩歌ビオトープ 004:斎藤茂吉

はい、ということで、詩歌ビオトープ第4回です。

4人目は斎藤茂吉です。この人はもう、近現代短歌史においては正岡子規の次くらいの位置づけになるんじゃないですかね。1882年生まれで1953年に亡くなりました。

山形県に生まれて東大を卒業、養子先の家業を継いで精神科医になりました。学生時代に正岡子規の歌を読んで短歌に目覚め、根岸短歌会の伊藤左千夫に師事、アララギ創刊に参加した人です。その後アララギ

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詩歌ビオトープ003:川田順

詩歌ビオトープ003:川田順

はい、それでは詩歌ビオトープ3人目です。

3人目は川田順。1882年生まれで、1966年に亡くなっています。

東大法学部出身で、大学卒業後に住友商事に入社、そのままどんどん出世して常務理事にまで登り詰めたそうです。というか、代表取締役に、という話が出たところで「我が器にあらず」といって退職したのだとか。すごいですね。

で、ビジネスマンとしてバリバリ働く傍らで佐佐木信綱の門人となり、1929年

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詩歌ビオトープ002:会津八一

詩歌ビオトープ002:会津八一

はい。それでは詩歌ビオトープ2人目です。

2人目は会津八一。1881年に生まれ、1959年に亡くなっています。

この人は、短歌史の中でも異端の一人だと言えるのではないでしょうか。

どこの結社にも所属していませんでしたが、正岡子規の作風から大きな影響を受けたのだそうです。あとは、同じく早大卒の窪田空穂ととても仲が良かったのだとか。

ちなみに、この人の卒論のテーマはキーツだったそうです。坪内逍

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詩歌ビオトープ001:窪田空穂

詩歌ビオトープ001:窪田空穂

はい。ということで、早速今日から始めます。詩歌ビオトープ001は窪田空穂です。

この人は、1877年生まれです。多分、今回のデータ元である「昭和文学全集35 昭和詩歌集」の中では一番古い人ではないでしょうか。ちなみに、与謝野晶子が1878年生まれなのでほぼ同い年、石川啄木は1886年生まれ、若山牧水は1885年生まれなので、彼らよりも全然古い人です。昭和の歌人というよりも、明治大正の歌人に入れた

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フォーマットが決まりました

フォーマットが決まりました

雨の春分になりました。しばらくお天気良かったのにな。

さてさて、色々ぐだぐだと考えてきた「詩歌ビオトープ」の企画ですが、とりあえずどのように分類するかを決めました。

まず、Wikipediaにあった短歌の分類から、大きく5種類に分けます。

で、これをマトリックスの4面にあてます。

イメージとしてはこんな感じですね。

左がほのぼの、右がクール。上が遠くのこと、下が身の回りのこと。で、左上は

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詩人や歌人の分類は可能か その2

詩人や歌人の分類は可能か その2

今日も雲一つない青空でした。明日は春分ですものね。

今日も昨日の話の続きです。

昨日、分類は可能か、それに意味があるのかはどうでもいい、と書きましたが、とはいえ一応、まったく無視するわけにもいかない問題ではあります。なんというか、自分自身の気持ち的に。

というか、こういうことについてだらだらと考えることもまた、僕にとってはやめられない遊びだったりします。これはこれで楽しいので、こんな美味しい

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詩人や歌人の分類は可能か その1

詩人や歌人の分類は可能か その1

昨日とは打って変わって雲一つない青空になりました。そして気温もとても暖かかったですね。

さて、昨日新しい遊びを始めるぞ、とぶち上げたわけですが、大きな問題があります。それは、詩人や歌人をどのように分類するべきか、ということです。というか、そもそもそんなことは可能なのか。

一つの方法として、歴史的文脈で分類する、という方法があるなと思いました。いわゆる系譜図です。近代歌人については、その系譜図を

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昭和の詩歌ビオトープをつくりたい

昭和の詩歌ビオトープをつくりたい

今日はこれまでで一番空が真っ黒ですね。

さて、先日、ある本を手に入れました。これです。

これ、何と昭和に活躍した歌人、俳人、詩人が合計211人も掲載されているのです。有名どころだと、歌人なら窪田空穂、会津八一、斎藤茂吉あたりから始まって寺山修司、佐佐木幸綱、春日井健まで。俳人は種田山頭火に始まり金子兜太や角川春樹まで。詩人は高村光太郎や北原白秋、萩原朔太郎から谷川俊太郎、吉増剛造、長田弘まで。

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