紫苑の始まり

学生時代を思い出して始めた写真撮影、 動かなくなり始めた指で遊んでいるゲーム、 ふと目…

紫苑の始まり

学生時代を思い出して始めた写真撮影、 動かなくなり始めた指で遊んでいるゲーム、 ふと目にとまった論文へのコメント、 退職した大学教員が作る徒然なるブログです。

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  • 『学習する社会』

    研究的なシリーズエッセイ『学習する社会』です。

  • 写真と紀行

    日々持ち歩いているカメラで撮影した写真、お出かけした先での美しいと感じた風景の写真、旧宿場町の今、など写真と紀行のマガジンです。

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    ゲームの話や将棋の話、日常の出来事で考えたこと、ニュースを聞いて気になったこと、・・・日々、日常でふと考えたことをまとめてみました。

  • 社会科学系エッセイとレビュー

    社会科学の一端を担ってきた者として考えたことをエッセイにし、出会った論文のレビューをしています。

最近の記事

『学習する社会』#23 3.学ぶこと 3.2 思考のための道具 (3)学びの過程 1)コルブの学習理論

3.学ぶこと3.2 思考のための道具前回までに述べてきたように、我々は世界を類型的に認知している。我々が日々何かを為している「行為の進行」においても、計画は類型的に描かれ、行為の進行にともなう計画の修正も類型的に行われる。経験は類型的に認知されていて、計画の空白部分は類型的な経験で埋められ、修正される。修正された計画も類型的に描かれている。もちろん、我々は目の前にある現実が個別事象であり、今積みつつある経験が個別で唯一のものであることをであることを知っている。それでも、我々は

    • 中山道『美江寺宿』の今 宿場の街並みはほとんど残っていませんでした。

      江戸と京都を結んだ五街道の一つ中山道の美濃16宿、その西から四番目の「赤坂宿」を過ぎて東の東京(江戸)方面に向かうと、木曽三川が立ちはだかることになります。その最初の川が「揖斐川」で、赤坂宿から呂久の渡しで揖斐川(呂久川)を越えて東に向かうことになります。呂久の渡しを越えたところに「美江寺宿」があります。 美江寺宿への道すがら 赤坂宿から美江寺宿に向かい、呂久の渡しの手前(揖斐川の西側)に瀟洒な「小簾紅園」という名の公園があります。仁孝天皇の第8皇女和宮(かずのみや)が徳

      • ゲームの話。Skyrim への mod 導入顛末記。右往左往~その6~ 雑記#10

        (その1)で、Skyrim本体をインストールし、mod導入遊びに最低限必要な MO2、SKSE、LOOT、xTranslator を導入しました。 (その2)で、大前提となるバグフィックス系、リソース系のmodを導入しました。 (その3)で、ユーザーインターフェースを改善しました。 (その4)で、美しい(?)自キャラを作成しました。 (その5)で、景観を美しく見せるために天候オーバーホールと光源調整を導入しました。 今回の(その6)では、景観そのものの変更を進めたいと思います

        • ゲームの話。Skyrim への mod 導入顛末記。右往左往~その5~ 雑記#9

          (その1)で、Skyrim本体をインストールし、mod導入遊びに最低限必要な MO2、SKSE、LOOT、xTranslator を導入しました。 (その2)で、大前提となるバグフィックス系、リソース系のmodを導入しました。 (その3)で、ユーザーインターフェースを改善しました。 (その4)で、美しい(?)自キャラを作成しました。今回の(その5)では、景観を美しくしたいと思います。 (その1) 基本の基本 (その2) 大前提の mod (その3) UIの改善 (その4) 

        『学習する社会』#23 3.学ぶこと 3.2 思考のための道具 (3)学びの過程 1)コルブの学習理論

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        記事

          『学習する社会』#22 3.学ぶこと 3.2 思考のための道具 (2)行為の進行

          3.学ぶこと3.2 思考のための道具今まで何をしてきたのか、これから何をするのかを考える際、我々は経験の生の、そのままの記憶で考えるわけではない。経験を類型化された事物、類型化されたモノ/コトとして記憶して考える。類型という思考のための心的で個人的な道具を使って考える。他方、我々は何かをすることによって考えられるようになる。今回は、思考の前後に、そして思考の過程に不可欠な「行為」の進行について考えてみたい。 (2)行為の進行我々は外的世界について行為を通じて知り、知っている

          『学習する社会』#22 3.学ぶこと 3.2 思考のための道具 (2)行為の進行

          ゲームの話。Skyrim への mod 導入顛末記。右往左往~その4~ 雑記#8

          (その1)で、Skyrim本体をインストールし、mod導入遊びに最低限必要な MO2、SKSE、LOOT、xTranslator を導入しました。 (その2)で、大前提となるバグフィックス系、リソース系のmodを導入しました。 (その3)で、ユーザーインターフェースを改善しました。今回は(その4)になります。 (その1) 基本の基本 (その2) 大前提の mod (その3) UIの改善 (その4) 自キャラを美しくSkyrimをニューゲームで始めると、最初に自キャラ(プレイ

          ゲームの話。Skyrim への mod 導入顛末記。右往左往~その4~ 雑記#8

          ゲームの話。Skyrim への mod 導入顛末記。右往左往~その3~ 雑記#7

          (その1)で、Skyrim本体をインストールし、mod導入遊びに最低限必要な MO2、SKSE、LOOT、xTranslator を導入しました。(その2)で、大前提となるバグフィックス系、リソース系のmodを導入しました。いよいよ効果の分かるmod導入に入っていきます。今回は、3.から開始です。 1.基本の基本 (その1)2.大前提の mod (その2)3.ユーザーインターフェースの改善操作性が良くなり、派手では無いものの見た目も変わるユーザーインターフェースを改善します

          ゲームの話。Skyrim への mod 導入顛末記。右往左往~その3~ 雑記#7

          『学習する社会』#21 3.学ぶこと 3.2 思考のための道具 (1)知の媒体

          3.学ぶこと暗黙知の議論に見られたように、学びに行為は不可欠である。とは言え、我々の行為の多くは学びを目的としているわけではなく、多様な目的を持った行為が結果として学びにつながっている。そして、学びの結果が多様な目的のためのより良い行為を選択することを可能とする。前回までは、学び以前にどのような行為が選択されるかという「決定」について考察してきた。今回からは、決定して行為するという過程を学びに結びつける「思考」について考えていきたい。 3.2 思考のための道具我々は世界を最

          『学習する社会』#21 3.学ぶこと 3.2 思考のための道具 (1)知の媒体

          ゲームの話。Skyrim への mod 導入顛末記。右往左往~その2~ 雑記#6

          (その1)で、Skyrim本体をインストールし、mod導入遊びに最低限必要な MO2、SKSE、LOOT、xTranslator を導入できたので、いよいよmod導入に入っていきます。前回からの続きですから、2.から開始です。 1.基本の基本 (その1)2.大前提の modmod導入遊びは自己責任でのゲーム改造です。だから、好きなmodを探して、導入すれば良いのですが、より安全なmod導入のためには、いくつかの基本modを導入する必要があります。 2.1 USSEP の導

          ゲームの話。Skyrim への mod 導入顛末記。右往左往~その2~ 雑記#6

          ゲームの話。Skyrim への mod 導入顛末記。右往左往~その1~ 雑記#5

          このブログを始めた頃(5月初旬)にPCでFolloutシリーズを遊び始めるという記事を書いたのですが、何かと多忙になりビデオゲームで遊ぶ機会がほぼなくなっていました。7月下旬頃からゲームで遊ぶ余裕も出てきたので、「ゲームにmodを導入する」遊びを再開することにしました。で、特に理由はないのですが、「Fallout」ではなく、「Skyrim」を始めました。やはり、mod導入遊びのための最高峰ゲームはSkyrimだと思います。 この記事は、Skyrimにmodを導入する備忘録です

          ゲームの話。Skyrim への mod 導入顛末記。右往左往~その1~ 雑記#5

          『学習する社会』#20 3.学ぶこと 3.1 決めること (3)単純な思考機械

          3.1 決めること意思決定論の最大化原理やサイモン(1957)の提唱した満足化原理、内藤(2003)が提唱した合理的選択過程や合理化選択過程、等、多様な決定原理や決定過程を前提とすれば我々の行為とその変化の多くを説明できる。しかしながら、上位目的構造の変化にはさらに選択正当化過程も必要となる。上位目的構造の変化までを視野に入れようとすると、一回だけの選択を対象にして意思決定の過程を考えることはもはや適切ではない。繰り返し選択を行う思考の過程を考える必要がある。 (3)単純な

          『学習する社会』#20 3.学ぶこと 3.1 決めること (3)単純な思考機械

          『学習する社会』#19 3.学ぶこと 3.1 決めること (2)選択の背景

          3.学ぶこと3.1 決めること前回(#18)では、日常的に「決める」という状況、「あれかこれか」という選択状況について考えた。我々が、最大化原理よりは満足化原理で選択していること、あいまいな「価値観」という価値基準に従っていることを示した。今回は、価値基準と選択との関係について考えてみたい。 (2)選択の背景「あれかこれか」という選択の場面でも、その選択方法は多様である。評価・選択の対象は何でも良い。商品の購入でも、休日の過ごし方でも、テレビ番組でも良い。我々が「あれかこれ

          『学習する社会』#19 3.学ぶこと 3.1 決めること (2)選択の背景

          『学習する社会』#18 3.学ぶこと 3.1 決めること (1)あれかこれか

           2011年1月31日、前日からの記録的な大雪でJR北陸線はほぼ全列車が運休していた。翌、2月1日に金沢で地方入試を実施しなければいけなかったため、1月31日に北陸線の特急しらさぎで金沢に行く予定であった。31日早朝、同行する事務責任者からの連絡で北陸線の不通を知った私は、交通情報・天気予報などの情報を集めて大学の統括責任者に連絡し、善後策を協議した。高山から金沢の交通手段は不確定であったが、とりあえず高山に向かうことを決めざるを得なかった。結果的に、高山本線の特急ひだで高山

          『学習する社会』#18 3.学ぶこと 3.1 決めること (1)あれかこれか

          『学習する社会』#17 2.知ること 2.5 小括 (研究的なシリーズエッセイ)

          2.知ること2.5 小括学習する社会という視点で議論を進める基点として、学習を「我々が日常において当たり前に知っている状態になること」ととらえ、個人を対象とした「知ること」について、#7から16までの10回にわたって論考を進めてきた。今回の記事で、10回の論考を簡単に振り返っておきたい。 暗黙知は、語ることのできない知識であると同時にそれを獲得する知の方法の概念である。暗黙知は対象についての【近接項・遠隔項】と【その関係】(部分・全体と包含関係、原因・結果と因果関係)という

          『学習する社会』#17 2.知ること 2.5 小括 (研究的なシリーズエッセイ)

          『学習する社会』#16 2.知ること 2.4 知の在所 (研究的なシリーズエッセイ)

          2.知ること「知ること」について、その原点を暗黙知やアフォーダンスの考え方に求め(#7~9)、「知っていること」と「知らないこと」を媒介する道具を通して「知る」ことを考え(#10~12)、能動的に「知る」上で重要となる「すること(行為)」から「知ること」を考えてきた(#13~15)。どのように知るのかについて考えてきたわけであるが、それでは、環境との相互作用を通じて「知ったこと」はどこに、どのようにあるのだろう。知の在所について考えてみたい。 2.4 知の在所#15で述べた

          『学習する社会』#16 2.知ること 2.4 知の在所 (研究的なシリーズエッセイ)

          『学習する社会』#15 2.知ること 2.3 することについて (4)学習する社会における行為 (研究的なシリーズエッセイ)

          2.知ること2.3 することについて#13で現象学的社会学の行為概念、#14で心理学の行動概念について概観した。「すること」についての複数の考え方を整理して、学習という観点で「知ること」との関連について考えていこう。 (4)学習する社会における行為多様な観点でとらえられる行為 シュッツ(1970)は、我々が日常的に常に手持ちの知識を使って生活しているととらえ、その手持ちの自明とされる日常的な知識が形成される媒体として行為を取り上げる。ポラニー(1966)の暗黙知の議論や佐

          『学習する社会』#15 2.知ること 2.3 することについて (4)学習する社会における行為 (研究的なシリーズエッセイ)