JK長女「薬物って何がダメなの？」

芸能人の薬物所持・使用の事件について、親子で議論することで得られる教育効果について考えてみました。

はじめに

こんにちは！スタスタCEOの鈴木孝一です。

東工大院卒、ITベンチャーを経て教育ベンチャー2社経営、趣味で器械体操やプレミアムテキーラのインストラクター、やりたいことが多すぎる幸せな人生を過ごしています。

さて今日は、昨日のつづきです。不倫問題の他に「皆んなが言ってるから」とか「今までそうだったから」とか「規則だから」と、自分の頭でよく考えずになんとなくそれに従ってることって、何があるだろう？と高校生の娘が考えています。
（親子→父娘の設定にしました。）

薬物についての議論（１）

父：そうだね、不倫以外でも同じことが沢山起きてるね。「皆んなが言ってるから」とか「今までそうだったから」とか「規則だから」とか。自分の頭でよく考えずに、なんとなくそれに従ってる、みたいなのは本当に多い。

娘：へぇー。例えば？

父：そればっかりだね　笑。ちょっとは自分でも考えてみようよ。

娘：はい、わかりましたー。じゃあ、・・・エリカ様！なんかさっきニュースでやってたよ。初公判だって。

父：沢尻エリカさんが違法薬物所持で逮捕された事件だね。去年は、元KAT-TUNの田口くんとか、ピエール瀧さんも薬物使用で逮捕されたね。

娘：そう！薬物！「ダメ。ゼッタイ。」って、良く考えずに皆んな言ってるんじゃないかなって！

父：なるほどね。良い目の付けどころだね。

娘：この間学校で友達が教えてくれたんだけど、Wikipediaの「薬物依存症」のページを見ると、色んな薬物の有害性と依存性のグラフがあって。

娘：ほら！これ見ると、タバコとかアルコールの方が大麻とかLSDより有害性も依存性も高いってなってるよ！

父：お、データも見て言ってるのね。すばらしい。このエクスタシーってのは、沢尻エリカさんが逮捕されたときに所持していたMDMAのことだね。

娘：そう、だからお酒飲んだりタバコ吸ったりしている人は逮捕されないのに、エリカ様とか田口くんが逮捕されるのはおかしいと思う！

薬物についての議論（２）

父：なるほど。主張があるのはいいね。じゃあまず、Wikipediaはいつも正しいとは限らない、ってのは覚えておこうか。嘘の情報が書かれていることもあるから。こういうデータは基本的に出典が書いてあるから、大事な情報はその出典を辿るクセをつけておくといいね。ここに[1]って書いてあるでしょ？ここを見ると、何を根拠にこれが書いてあるのかが分かる。

娘：これ論文？

父：そうだね。世界で最も評価されている医学雑誌の１つである「ランセット」ってのに2007年に掲載された論文だね。それから「Citations（サイテーション）」ってのがここにあるでしょ？これは、他の論文に何回引用されたか、って数字なの。790ってなってるでしょ？790はとても多い。

娘：どのくらいが普通なの？

父：科学論文の90％は、引用回数10回以下。100回になるものは1％とかだよ。だから、790ってのは本当に多い。ってことは、他の同じ領域の研究者たちもこのデータは信頼できる、って判断してるってこと。

娘：じゃあ、タバコとアルコールの方が大麻とかLSDとかMDMAよりも有害だし、依存性も高いってこと？

父：そう考えてよさそうだね。

娘：ほら！やっぱそうじゃん！エリカ様が逮捕されるのおかしいじゃん！

父：残念ながらそれは違う。逮捕されたのは、日本の法律を守ってなかったからだ。MDMAは所持しただけで犯罪なんだ。だから捕まった。

娘：それ、さっき言ってた「規則だから」って、良く考えずになんとなく従ってるやつじゃん！

父：そうだね、それは確かにそういう一面はあるかもしれない。法律だから、って盲信して疑うこともしない大人が多いってのはある。でも、「この法律はおかしいから私は守らない」って言うのがまかり通ったら、それはもはや法治国家ではなくなってしまう。

娘：法治国家じゃなくなったら何か問題あるの？

父：法律が意味なくなったら、北斗の拳みたいな世界になるかもしれないよ。暴力が支配する世界。あ、北斗の拳がわからないか。キングダムだよ。政が呂不韋と論戦してたやつ。戦争で強い国が全てを支配する世界を、法律が支配する世界にしようとしてるよね。中華統一で。

娘：昔に戻っちゃうってことか。でも、今も戦争あるよね？

父：あるね。ちょっとこのまま続けると、話が逸れすぎるからまた今度にしよう。まずは薬物の話に決着をつけよう。

薬物についての議論（３）

娘：でもじゃあ、どうしたらいいの？法律だから薬物は「ダメ。ゼッタイ。」なんでしょ？

父：そう、今はね。でも法律は変えられるんだ。姦通罪の話みたいに。

娘：そっか！変えればいいのか。でも法律ってどうやって変えるの？

父：三権分立って知ってるでしょ？立法権を持っているのは、国会だったよね。法律を変えられるのは、国会だけだ。

娘：じゃあ国会議員にならないと法律変えられないの？

父：国会議員は有権者を代表して国会に参加してるって習ったでしょ？「多くの有権者が法律改正を望んでる」ってのを伝えれば、国会議員が法案を国会に提出してくれるはず。

娘：なるほど。「大麻とLSDとMDMAを合法にしよう」って皆んなが思うようになればいいんだね。

父：それはそうなんだけど、君自身は合法になってほしいの？

娘：えーよくわかんない！笑　タバコとかお酒の方が害が大きそうなのにそれがOKで、エリカ様が逮捕されちゃったことに納得がいかないだけ！なんならタバコを違法にしてほしい！笑

父：それは世界の流れにも沿っているね。他者への健康被害いわゆる受動喫煙が問題になっていて、喫煙できる場所はどんどん制限されていってる。先進国の中では日本はかなり遅れていたから、今回のオリンピックに間に合うように法律改正が行われたよ。飲食店とかで、喫煙室以外では吸えなくなる。

娘：やった！タバコの煙ほんと嫌い！

父：一方で、大麻、マリファナともいうけど、合法化の流れがあるよ。特にアメリカで。大麻が一大ビジネスになるんじゃないか、とも言われている。

娘：じゃあ、日本も合法化されるかもしれない？

父：さて、どうなるかな。

薬物についての議論（４）

娘：そういえば、あの日曜朝の番組サンジャパだっけ？爆笑問題出てるやつ。あれにホリエモンが出ていて、なんか言ってた！

父：サンジャポだね。なんて言ってた？

娘：大麻は合法化したらいいんじゃないかって。アメリカとかカナダも合法化してるからって。でも他の人たちがホリエモンの話を遮って、それはあり得ない、ダメゼッタイって言ってた。

父：議論になってなかったのね。

娘：なんかすごいワルモノみたいに言われてた。テレビでそれを議論すること自体がダメって。

父：なるほどね。それで君はどう思った？

娘：議論自体がダメってのはおかしいと思う！唯一絶対の正解なんてないんだから、いろんな意見があっていいと思うし！

父：すばらしいね！さすが俺の娘だ！笑　これだけダイバーシティが大事だって言われてるのに、意見の多様性は認めないってのは理解に苦しむよね。実際にそれを進めるかどうかは全然別の話であって、いろんな可能性について検討するのは悪いことじゃないと俺は思う。これからも思考停止せずに、色々考えていこう！

娘：うん！なんだか、この話を通してわたしすごく成長した気がする！

さいごに

いかがでしたでしょうか？薬物事件をネタに父と娘の議論を空想してみました。

本当は「戦争で北方領土取り返すのは賛成ですか？」で除名になった丸山穂高議員の話とかもぶっ込んでいきたかったのですが、紙面の関係上今回も割愛しました　笑

最後までお読みいただきまして誠にありがとうございます。

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