結城

アイコン /ノーコピライトガール

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最近の記事

映画「君を想い、バスに乗る」

 大切な人を亡くした後どんな行動を取るのか、あるいは取らないのか。いつか自分にも訪れるであろう別れに備えるように、そういった作品にはつい触れてしまいます。  「君を想い、バスに乗る」は、妻を亡くしたおじいさんがバスでイギリスを縦断するという物語です。原題は"The Last Bus"なのですが、こちらの方がシンプルゆえに複数の解釈ができておもしろいと思います。上映時間86分と短めですが、十分に見応えのある作品でした。  ただ、そこまで刺さらなかったというのが正直なところで

    • 映画「破戒」

       島崎藤村といえば「まだあげ初めし前髪の」で始まる「初恋」(1896)を習った記憶があります。近代文学は暗く硬い印象がある中で、「初恋」はぼんやりとかわいらしい雰囲気を感じていました。代表作として「破戒」(1905)があるのは知っていましたが、こちらは読んだことがありません。映画化されるとのことで、原作よりも親しみやすそうだと思い観てきました。  全体的な感想としては、まず映像表現の残念な部分が目立ちます。素人の私が語るのも無粋かもしれませんが、無駄な演出が多いように感じま

      • 映画「ハケンアニメ!」

         劇場で予告を見て気になっていた映画です。辻村深月さんによる小説が原作なのですが、辻村さんの作品は暗いイメージがあったので、青とピンクを基調としたポップな予告が意外でした。公開当初は他にも観たい作品があったので後回しにしたら1ヶ月も経たないうちに終映するとのことで、慌てて映画館に駆け込みました。Twitterで見る限り、観た人の満足度は高いものの、そもそも動員数が少なすぎるようです。私はたまたま主演の吉岡里穂さんがラジオで紹介されているを聞いたのと、劇場予告で作品の存在を知り

        • 映画「勝手にしやがれ」

           1960年公開の本作。主演のジャン=ポール・ベルモンドへの哀悼を込めて4Kレストア版が公開されたので、観に行ってきました。事前にFilmarksやTwitterで見どころを調べたのですが、「勝手にしすぎ」という感想に笑ってしまいました。ジャンプカットという斬新な技法が取り入れられていて、技術面でも高い評価を得ているようです。  60年代の作品といえば、登場人物の行動が突飛な印象があります。価値観の違いなのか、当時の映画に求められていたものがそうだったのか、感情移入して観る

        映画「君を想い、バスに乗る」

          映画「帰らない日曜日」

           席に着いてすぐ、原題を知らないことに気付きました。タイトルを頭の片隅に置いていると、見方が変わる作品もあります。たまにかけ離れた邦題がつけられることもあるので(「アナと雪の女王(2013)の原題は"Frozen")、普段は原題も確認するようにしています。今回はたまたま確認不足だったのですが、これが大正解でした。  主人公ジェーンと同僚メイドの会話の中で、開始早々に原題を知ることになりました。ジェーンの人生を追いながら大きく分けて3つの時代が描かれており、主軸となるのはメイ

          映画「帰らない日曜日」

          映画「Coda コーダ あいのうた」

           こちらの作品を観たのは2ヶ月前なのですが、下書きに残ったままだったので最後まで書ききろうと思います。  映画館もQRコードで入場できるようになったのですね。時代の流れを感じながらも、私はチケットをスケジュール帳に入れたい派なので、発券して館内へ入りました。  「Coda コーダ あいのうた」(2021)は家族の物語です。シアター内にはちょうど映画に出てくる家族と同じ年頃らしき4人家族が座っていて、なんだかいいなぁと思いました。家族のだれが誘ったのだろう。 「とんび」(2

          映画「Coda コーダ あいのうた」

          映画「C'MON C'MON(カモン カモン)」

           劇場で予告を見て、これは絶対観ようと決めた映画のひとつです。数パターンあるポスターには、どれも素敵な言葉が添えられています。 「君の話を聞かせて」 「大人も子供も どっちもどっち」 「大丈夫じゃなくても、大丈夫」 ポスターに言葉が並ぶのはあまり好きではないのですが、こちらはデザインのさりげなさであったり、言葉のあたたかさだったり、映画の雰囲気と調和していて、素敵なポスターだと感じました。  こちらの映画、甥っ子ジェシーがとんでもなくかわいいです。大人の空気感を読みすぎ

          映画「C'MON C'MON(カモン カモン)」

          映画「劇場版 呪術廻戦 0」

           原作未読、TVシリーズ途中棄権の私が、前日譚にあたる本作を観た感想を書いていきます。  公開の数ヶ月前、長年追いかけてきた別作品の最終章が公開されていたので、予告映像は何度も劇場で目にしていました。さすがMAPPAだなぁ。花澤さんの声かわいいなぁ。くらいに受け取っていたと思います。 話題だし履修しておこうか、と見始めたTVシリーズは、確か1クール分ほど見て棄権しました。ちょうど真人の話が終わったあたりです。序盤から残虐なシーンが多く、精神的に削られるため、ここにたどり着く

          映画「劇場版 呪術廻戦 0」

          ミュージカル「マイ・フェア・レディ」

           人生で初めてミュージカルを観劇してきました。 もう・・・とにかく素晴らしかったです。 感想をちゃんと残しておきたいと思い、筆を執りました。 (※前半は神田沙也加さんについて語っています。読めない方もいらっしゃると思いますので、各自ご判断のほどよろしくお願いいたします。)  そもそも私がミュージカルに興味を持ったのは、神田沙也加さんがきっかけです。 こちらの動画。upされたのは約4年前です。 2010年頃ニコニコ動画にどっぷり浸かっていた私は、楽曲の懐かしさとともに、神田

          ミュージカル「マイ・フェア・レディ」