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目的地依存症<まわり道、寄り道たのしみま症

こんな言葉を聞いたことがありますか?

Destination addiction
日本語に訳すと、目的地依存症。

目的地や今じゃない未来に、自分の幸せが待っていると信じることをdestination addictionと言うらしいのだけど、

この言葉を見たときは(まさに1年前の私のことだ)と思った。


以前は変化が早いITスタートアップに勤めていたこともあり、常に効率・結果重視の仕事をしていた。もともと物事を効率よく進めるのも、結果を出すことも割と得意だった。

しかし、何事も突き詰める性格の私(極端とも言う)、もっと効率よく!早く終わらせる!を追求しどんどん無駄を省いていった。会社がとても忙しい時期だったのもあり、ペースを上げていかないと仕事が追いつかなかった。

歩くのも早ければ、休憩も2〜3分くらい(少しでも長く休憩をとっているとメールがたまる恐怖)、お昼休みも外に出ず、常にデスクでパソコンを見つつ食べていた。

半年もそんな生活を続けていると、自分の中の情緒というものが段々と失われていく感覚を覚えた。

綺麗なものを、綺麗と思えない。周りの色んな事にありがたみを感じられない。

以前は木漏れ日の下寝転んでいるだけで、幸せ!と思っていたのに、新しい景色を見ても、美しいものを見ても何も感じない。周りの人にもギスギスした態度を取ってしまう。

これは、まずいなと感じた(後でこれがバーンアウト、燃え尽き症候群だったと知る。)

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自分の中の感覚が戻ってきたのは、マインドフルネスに出会い、常に考えるのではなく”今この瞬間"に自分の心と体に起こっていることに注意を向ける”ことを意識して行ってから。

マインドフルネスによって、自分の体の状態がいかに心に影響を及ぼすかに気付いた時、早歩きをやめてみた。すると、いかに早歩きをすることで自分の心が焦っていたのかに気づき驚いた。

心が変われば行動は変わる、でも行動が変われば心も変わるんだ!という大きな発見だった。

マインドフルネスを知った後は、目の前の動作に心をむけて、プロセスを楽しむことも大事だなと痛感している。

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それと、ゴールへの道で必要な事以外全てのものを排除するのではなく、無駄と思える事がいかに大事かわかった。

よしもとばななさんが書いた物語のこの言葉は、無駄と思えるものがいかに人生を豊かにしてくれるかに気づかせてくれる。

「私、もう大人だし、子どももいるから、むだなものをバッグに入れるのよそうって思ってたんだ。キャンディや、キラキラのキーホルダーも重いだけだし、たまっていくしって。でも、今は違うよ。むだなものがいちばんキラキラしていて、人生はそういうものを食べたがってるってわかってるんだ」

短編小説「ウニヒピリ(自分の中の小さなこども)」より


何を達成するかも大事だけれど、プロセスを楽しむことをこれからは重視していきたいな〜。

小さい頃、道の途中で見つけた綺麗な石を集めていたみたいに、回り道に落ちてるものとか、咲いてる花とかいっぱいポッケに入れながら進んでいこう。

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