しずいち@美術館博物館めぐり

◆美術館、博物館めぐりの鑑賞記録。東北地方と東京都内多め。時々芸術祭も。福島県在住。

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最近の記事

【展覧会レポ】東北のブルターニュ、というには人が多すぎる?:福島県立美術館

福島県立美術館に「ブルターニュの光と風」展を見に行きました。 東京はSOMPO美術館からの巡回! 東京の一等地で開催されていた展覧会が、こんな片田舎(失敬!だけどホントだし)の美術館…で鑑賞できるというのはうれしい限り。それにしても、SOMPO→福島県美、という流れでやってくる展覧会が多い気がするんだけど、気のせい?😲 福島の夏、盆地の夏 いつもの「美術館図書館前」駅で下車して徒歩5分もかからない場所にある、福島県立美術館。会期が7/1~8/27と、ちょうど夏ど真ん中。

    • 【展覧会レポ】部屋のみる夢:ポーラ美術館

      ポーラ美術館に「部屋のみる夢 ボナールからティルマンス、現代の作家まで」展を見に行きました。 初訪問、あこがれの美術館へ 小田原から電車を乗り継いで強羅駅まで。そこからさらに路線バスに乗ってようやくたどり着いた、緑滴る夏の森のなかのポーラ美術館。実はここは以前からあこがれの場所だった。 数年前に「フランス人がときめいた日本の美術館」という番組(同名の書籍が原案)がTV放映されていて、そのトップバッターとして紹介されていたのだった。 当時から県外に出かけての美術館めぐりを

      • 【展覧会レポ】兵馬俑と古代中国展:上野の森美術館

        上野の森美術館に「兵馬俑と古代中国」展を見に行きました。 会期末だったので外に行列ができていることはなかったですが、例によってソーシャルディスタンス度外視な無茶な集客をしがちな上野の森美術館なので、入場早々に会場内は激しい混雑でした。たしかに土曜日の昼過ぎで混みがちな時間帯ではありましたが。 見ていると一番混雑しやすい最初の展示室内のあちこちに、動線を阻害するように独立したガラスケースを置いているので、人の流れが乱流のようになってしまっていました。 フェルメールの時といい怖

        • 【展覧会レポ】フェルメールと17世紀オランダ絵画展:宮城県美術館【美術館紹介あり】

          宮城県美術館へ「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」を見に行ってきました(去年の話です。ちょっと投稿が遅くなりましたが…)。 いったのが会期末だったので結構混んでたけど、空いているところから見るいつもの遊撃手方式でそれほどストレスなく鑑賞できました。 展示の感想 例によって(多分そうだろうと思ってたけど)フェルメールは「窓辺で手紙を読む女」の一点のみ。その代わり、ヤン・ステーンやガブリエル・メツーなどの、同時代オランダ周辺の一線級の画家の絵が揃っていて見ごたえがあった

        【展覧会レポ】東北のブルターニュ、というには人が多すぎる?:福島県立美術館

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          2本

        記事

          【展覧会レポ】すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している:神奈川県立近代美術館 葉山

          神奈川県立近代美術館葉山に「すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」展を見に行きました。 内藤礼の作品を見るために葉山まで来た。 葉山はじめてきたけどめちゃくちゃ暖かい(なお、訪問したのは11月)。そういえば何年か前に鎌倉行ったときも、1月に既に梅咲いてたもんな…🙄 山の民なので海の気候よく分からない🤷 海からほんの数メートルのところにばんばんヴィラ風マンションが立ってて、景色がいいんだろうが、津波来たとき全部流されそうだけどいいのか?という感

          【展覧会レポ】すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している:神奈川県立近代美術館 葉山

          【展覧会レポ】ヴァロットン 黒と白展:三菱一号館美術館

          三菱一号館美術館に「ヴァロットン 黒と白」展を見に行きました。 前にナビ派の展示か何かを見たときに一緒に紹介されていて、以前から好きだったヴァロットン。 いそいそ出掛けてたっぷり堪能した。 三菱一号は順路真ん中あたりの一番大きな展示室が撮影OKなことが多くて、今回も例にもれず。 そういえば、ヴァロットンもナビ派らしく浮世絵の収集をしていたらしい(好きな作家にナビ派と印象派が多いせいか、好きな作家が大体浮世絵好きなのだが、わたし自身は不思議とそこまですきじゃない)。 小さ

          【展覧会レポ】ヴァロットン 黒と白展:三菱一号館美術館

          展覧会のグッズとかに関して思うこと

          これまでにあちこちの展覧会を鑑賞してきて、展覧会自体ではなく周辺のあれこれ(主にグッズ)に対して、「もっとこうしてほしいんだけどなあ…」というもどかしい思いを抱いたこともあります。今回の記事では最近とみによく思うことをまとめてみました。 縦型絵葉書用フレームの大きさを統一してくれ 特に日本美術の展示だと、掛け軸や屏風と言った横に長い画面の作品の出品も多かったので、縦型絵葉書も常時数点が用意されますよね。こういった横長のはがきは、ふつうのポストカードに比べて絵柄も大きいです

          展覧会のグッズとかに関して思うこと

          【芸術祭レポ】【大地の芸術祭2022】中﨑透『新しい座椅子で過ごす日々にむけてのいくつかの覚書』について

          悲劇(一番見たかった作品の鑑賞時間が10分しかなかった件) 先日、水戸芸術館で開催していた中﨑透さんの個展「フィクション・トラベラー」についての記事を書きました。 このとき、石巻での芸術祭リボーンアートフェスについては写真も交えて触れたのですが、去年新潟で開催された「大地の芸術祭」で鑑賞した中﨑さんの作品についての言及が不十分でした。 「新しい座椅子で過ごす日々にむけてのいくつかの覚書」という作品です。 この作品は、かなり山奥の集落内にあるのですが、湯沢駅発着のオフィシ

          【芸術祭レポ】【大地の芸術祭2022】中﨑透『新しい座椅子で過ごす日々にむけてのいくつかの覚書』について

          【展覧会レポ】メトロポリタン美術館展:国立新美術館

          国立新美術館に「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」展を見に行きました。 新美術館だし激込みかな…と思いながら行きましたが、夜7時くらいだったからか、かなり空いていて、名画の数々を間近でじっくりとかんしょうすることができました! 写真はNGだったのが残念(けっこうこういう古典名作系だと、来場者数との兼ね合いや貸出館との契約の制限があるのか、撮影全部NGが多いですよね…) 客層は、けっこう中高年の方が多めでした。といっても、夜間だったので、休日昼間はまた違ったかもしれ

          【展覧会レポ】メトロポリタン美術館展:国立新美術館

          【引用で思索メモ】何が好きか、どうして好きかを考える

          先日、以下の記事を拝見しました。 こちらの記事では、作品鑑賞の時にわたしも大事にしたいなと思っていることが、ピンポイントで述べられておりました。 「自分が作品を好きになる基準をはっきりさせる」というのは、わたしも美術館賞をしばらく続けていて、必要性をだんだんと感じていた課題でした。筆者のツギハギさんは、展示の鑑賞を通して、ある作品について「具体的に、この作品のどこが良かったのか」を丁寧に思い起こし、ご自身の思考の輪郭を確かにする作業をしておられます。 わたしも、ちょっと考

          【引用で思索メモ】何が好きか、どうして好きかを考える

          【展覧会レポ】ポンペイ展:宮城県美術館

          去年の秋、宮城県美術館に「ポンペイ」展を見に行きました。 少し遅きに失した感がありますが、大変おもしろい展覧会だったので、振り返って感想を書いてみます。写真多め。 地元のテレビで結構CM打ってたせいか、かなり混んでました。 でも写真撮影OKだったし点数もかなりあったから、見ごたえ抜群で大満足の展示でした。 (私事ですが:これはそもそも東京でスタートした展示だったのですけど、地元に来るからと鑑賞を先延ばししていた展示だったので、やっと見ることができて感慨もひとしお。) 便利

          【展覧会レポ】ポンペイ展:宮城県美術館

          【思索メモ】アートにおける利他とは何か?

          昨日noteに上げた記事で、石巻リボーンアートフェスのことについて少し触れたので、この芸術祭の詳細と、最近のテーマで少し気になったことについて、ちょっと書いておきます。 Reborn-Art Festivalについて この芸術祭は、正式名称を「リボーンアート・フェスティバル」といいます。主に石巻市を中心として会場を展開していますが、過去には女川など周辺地域にも会場を設置したことがあります。 大体2~3年に1度の開催なので、位置付け的にはトリエンナーレなのだと思います。 初

          【思索メモ】アートにおける利他とは何か?

          【展覧会レポ】中﨑透 フィクション・トラベラー展:水戸芸術館現代美術ギャラリー

          水戸芸術館現代美術ギャラリーに「フィクション・トラベラー」を見に行ってきました。 水戸のご出身である現代美術作家の中﨑透さんの個展。回顧展かと思ったらふつうに新作があった。。 (学生時代も含め、これまでに制作されたものも展示されていたので、回顧展でもあった) わたしは以前から中﨑さんの作品のファンで、この展示も見に行くのをずっと楽しみにしていたんだけど、なんと現在新作制作のため在廊されていて、少しだけどお話しすることができた!めちゃくちゃうれしかった😳😳😳♥️作家の人って

          【展覧会レポ】中﨑透 フィクション・トラベラー展:水戸芸術館現代美術ギャラリー

          【展覧会レポ】響きあう名宝 曜変・琳派のかがやき展:静嘉堂文庫美術館

          静嘉堂文庫美術館に「響きあう名宝 曜変・琳派のかがやき」展を見に行きました。 新しく丸の内に引っ越ししてきた静嘉堂文庫に、はじめて行きました! 行ったのは12月はじめだったのですが、この前日にぶらぶら美術館で本展を取り上げていたせいで、事前予約は満席。 さらに、ボリューム層が中高年だったからかネット予約を知らず、わざわざ来たのに入れなかった人もたくさんいたようです。入口ですごすごと帰る高齢者。ちょっとかわいそうだった。 お目当ては曜変天目のぬいぐるみ お目当てはもちろん

          【展覧会レポ】響きあう名宝 曜変・琳派のかがやき展:静嘉堂文庫美術館

          メモ帳談義【わたしの場合2:美術館めぐり編】

           愛読しているnoteの書き手、ちいさな美術館の学芸員氏(以下、「学芸員氏」という。)が以下の記事でご自身が偏愛するメモ帳について書いていました。  これを読んで、メモ帳なるものに対する自分なりの考えを整理した記事を書いたのですが、それはそれとして(by鈴木大拙)、美術鑑賞の時の自分なりのメモのお作法について、別途整理してみようと思った次第です。 感想を綴るということについて  わたしも、学芸員氏と同じく、鑑賞した展示の感想を書くのが大大大好きです(といっても、公開でき

          メモ帳談義【わたしの場合2:美術館めぐり編】

          メモ帳談義【わたしの場合1:プライベート編】

           愛読しているnoteの書き手、ちいさな美術館の学芸員氏(以下、「学芸員氏」という。)が以下の記事でご自身が偏愛するメモ帳について書いていました。  これを読んで、メモ帳なるものに対する自分なりの考えを氏に倣って整理してみようかなと思い、この記事を書くことにしました。  わたしにとっても、メモ帳なる存在は長い付き合いです。小中学生時代は必ず、毎日の帰りの会でメモを取っていましたし(翌日の授業で持ってくるべきものが毎日アナウンスされていました)、長じて社会人となってからは公

          メモ帳談義【わたしの場合1:プライベート編】