ようこそ 春の白鷺城へ 【その壱】
桜と詩歌と世界遺産 * ひめいち【番外編】
1.プロローグ
絶等寸(たゆらき)の山とは、現在姫路城がそびえる姫山のこと。
播磨娘子、播磨守に仕えた名もなき女性の別れの歌です。
彼女の愛した播磨守、石川朝臣君子が五年の任期を終え都へ帰ったのは720年頃とされます。今から1300年も前のこと。
当時(奈良時代)は梅がお花見の定番だったようですが、この歌にははかなく散ってしまう桜の方が似合っているようです。
姫山の ”咲かむ春” の桜は、咲いては散るをあまた繰り返して、今日に至っているんですね。
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この記事を訪れていただき、ありがとうございます。
ようこそ、おいでくださいました。
今回は、ひめいち(姫路検定1級の応援サイト)の番外編として、春の姫路城へとご案内いたします。
詩歌を織り交ぜながら、またたっぷりの画像を愛でながら、
桜に染まった国宝かつ世界遺産の絶景を存分にご堪能ください。
姫路城が日本で初めてUNESCO の世界遺産に登録されてから、今年(2023年)で30年。
年間を通して多くの観光客が訪れますが、何といっても3月下旬から4月上旬にかけての姫路城は格別。
桜色一色に染まった姫山から超弩級の白鷺が翼を広げます。
2.JR姫路駅からお城へ【駅を出るとそこはもう城内】
お城の周りに駐車場はいくつもあって、結構な数の車が駐車できるのですが、桜のシーズンの交通量は半端ではありません。
下手をすると駐車場に入るまでに渋滞に巻き込まれ、駐車待ちでまた相当な時間を費やしてしまうということにもなりかねない。
運悪くそんな時に車で(家族で)来られたら、パパに運転を任せておいて、みなさんはさっさとお城にお向かいください。見学を終えてお城から出てくる頃には、パパも駐車場に着いていることでしょう。
でもやっぱりお勧めは、時間が読めてしっかり計画が立てられる電車でのご訪問です。みなさんそろって、お城へと向かいましょう。
姫路駅北口を出てからお城の大手門まで、ゆっくり歩いても約20分、徐々に近づいてくる天守にワクワクしながらのウォーキングをお楽しみください。
では、ここからは徒歩での出発を想定してのご案内です。
まず駅を出てすぐ、右(東)側、駅ビルの前にサンクンガーデンがあります。(キャッスルガーデンという愛称)
見下ろしてみてください、地下1層分掘り下げられた公園なのですが、小川が流れていますよね。
実はここ、城の外堀をモチーフとしていて、周囲の城下町を取り込んだ総構え城郭だった姫路城では、このあたりまでが外曲輪エリアだったのです。
そう、すでにみなさんは白鷺城内に足を踏み入れようとしているのです。(同時に世界遺産のバッファゾーンでもあります)
お城へはまっすぐ北へ。見えてますので迷子になる方はほぼいません。
この直線850mの歩行者道路は、*「ほこみち」の指定を受けていて、季節の花々が植えられている花壇やウッドデッキ、ベンチが置かれているくつろげる場所でもあります。
お天気のよい日は、途中にある姫路名物「駅そば」などをベンチでいただくのも良いです。
この駅そば屋(まねき)さんは、大手前通りの左(西)側の歩道にあります。また、右側の歩道には、ヤマサ蒲鉾さんの「城下町どっぐ」の店があります。
見た目はアメリカンドッグ、中身はチーズかまぼこ。できたてほかほかは絶品です。
往きと帰りにそれぞれ食べていただくのがよろしいかと。^^
実はこの大手前通り、太平洋戦争中の空襲で焼け野原になった街を整備された一部なんです。1945年7月3日深夜、姫路の中心部はB29大編隊の空襲により多くの人が亡くなり、市街も壊滅状態になってしまいました。
「えっ!?その時姫路城は大丈夫だったの?・・・」ですか、それは後ほど天守の項でお話ししましょう。
なお、この大通りの1本東には、みゆき通りという商店街があります。
地元の方は、こちらをブラブラしながらお城への往き帰りを楽しんでいます。(紫外線は避けたい!という方々にもオススメ)
逆に1本西の通り、実はこの道こそ江戸時代の大手筋。
お城の玄関口であった中の門(中堀を渡ったところ)に続いていたのです。
先の空襲で、城下町の風情はほぼ失われてしまっていますが、往時をイメージしてこちらの道を行くのも(お城マニアやリピータさんには特に)お勧めです。
お夏清十郎で有名なお夏の実家「但馬屋」もこの筋にありました。
という内に、そろそろ天守が大きく望める中曲輪に入ります。
白鷺城は三重の堀に囲まれていて、歩いてきたここまでは外堀と中堀の間、すなわち外曲輪を来たのですが、ここからは中曲輪。
中堀の内側になります。
東行き一方通行の国道2号線よりお城側です。
ストリートビュー風?にすればこんなところでしょうか ↓
そう、この辺りの国道2号線は、中堀だったのです。
大正から昭和の初めにかけて埋め立てられました。
当時の市長は、「堀音吉」さん。
「それやったら、堀埋吉(うめきち)やないか」と市民に揶揄されたのは言うまでもありません。
お城前にやってきました。
右手には大手前公園という広場(よくイベントなどやってます)。
左手にはお土産屋さんやお食事処がたくさんある、家老屋敷跡公園になります。
さあ、あと少しで白鷺城です。
3.桜門橋~内堀と大手門【いざ!異次元ワールドへ】
桜の季節には、今年も内堀を上の画像のような和船が運行されているはずです。
乗船希望者が多ければ予約が必要、となってしまうのですが、この船には是非乗っていただきたい。
船頭さん手漕ぎのこの船。ゆる~く堀をめぐりながら解説もしてくれて、とにかく癒やされます。
石垣を覆うように咲き誇る桜を愛でながら、静かなクルーズを楽しみましょう。
内堀は一部動物園内に入り込んでいますが、そこから眺める天守は絶景中の絶景!。歩いて眺める風景とは、全く違った景色が広がるはずです。
登城前に(見学時間を考慮すると2~3時間後の)予約を(是非)お取りください。
和船はお帰りの時の楽しみにおいといて、まずは桜門橋を渡って内曲輪へ。
桜門橋。かつては木橋でしたが現在はコンクリート製のこの橋、年間200万人近くが往復します。
目の前に大きな大手門が見えますが、江戸期には、桜門橋を渡ってすぐに桜門という比較的小さな門がありました、そして現在の大手門辺りに桐の二門、いわゆる枡形になっていてその出口が桐の一門と、橋を渡ってからの狭い範囲に3つも門があったのです。入り口からして厳重な防御となっていたんですね。
現在の大手門は、1938年に日本陸軍によって建てられたもので、開口部が高く広いのは高射砲などを運ぶ軍用車両のためといわれています。
そして、ここからがいよいよ世界遺産のコアゾーン。いざ!大手門をくぐって三の丸広場に入りましょう。
4.三の丸広場【千姫の春やむかしの夢の跡】
さて、大手門を入って見学入り口(有料入場口)までに左側に坂があります。
坂の上には、江戸期中頃まで城主が住んでいた御本城という御殿があったのですが、その二つの坂が桜と城を撮るための絶好のスポットになっています。
次の三枚は、そんな通路や坂からの画像です。
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というところで、次回はいよいよコア中のコア、二の丸から天守へと向かいます。
↑ 次もよろしくお願いします。
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