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アニメになった児童文学から見えてくる世界

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1975年から2009年まで (1997年から2007年まで中断) 放映されたアニメ世界名作劇場シリーズなどの作品をめぐる考察。
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#レミゼラブル

アニメになった児童文学から見えてくる世界<12>:ロードムービーの魅力

アニメになった児童文学から見えてくる世界<12>:ロードムービーの魅力

1975年より毎年放映されていた、アニメ世界名作劇場は、1996-1997年の「家なき子レミ」を最後の作品として一時中断して、十年の空白期間を置いて、2007年に「少女コゼット・レミゼラブル」において再開。

しかしながら、再開後第三作目の「赤毛のアン」の前日譚である「こんにちはアン」をもって、アニメ作品としては異例の長さの二十六年に亘った長い歴史を終えました。

日本経済が活性化に向かえば、世界

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アニメになった児童文学から見えてくる世界<3>:児童虐待が虐待ではなかった時代

アニメになった児童文学から見えてくる世界<3>:児童虐待が虐待ではなかった時代

1975年より毎年テレビ地上波で放映され1990年代後半には視聴率低迷に苦しんでいた「世界名作劇場」は1997年の「家なき子レミ」を最終作として終了。

しかしながら10年間の空白期間を経て2007年には「世界名作劇場」は二十一世紀らしいデジタルアニメとして復活。

満を期して登場した二十一世紀の第一作目は、十九世紀フランス・ロマン派最高の詩人である大文豪ユーゴーの畢生の大作「レ・ミゼラブル=惨め

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アニメになった児童文学から見えてくる世界<2>:働かされる子供たち

アニメになった児童文学から見えてくる世界<2>:働かされる子供たち

十九世紀から二十世紀までの児童文学に顕著なのは、働く子供たちの存在。

先日紹介したエクトル・マロ原作「家なき娘」をアニメ化した「ペリーヌ物語」には、当然ながらたくさんの働く子供たちが登場しました。

旅中で出会う子供たちは誰もが働いていて、学校などには通ってはいません。十九世紀後半のヨーロッパの有様です。十三歳のペリーヌが辿り着いた工場のあるマロクール村の女工たちもペリーヌと同世代の少女たち。

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アニメになった児童文学から見えてくる世界<1>: ペリーヌ物語

アニメになった児童文学から見えてくる世界<1>: ペリーヌ物語

新型コロナウイルス感染症のために、このところ隔離生活を続けているのですが、貴重な時間を無駄にしないために、普段はあまり見ることのない懐かしいアニメをYouTubeで見つけました。

わたしは昭和の終わりの生まれなのですが、子供の頃に大好きだったアニメシリーズがありました。スポンサーの会社が何度か変わり、おかげでシリーズ全体の名前も統一されてはいないのですが、総称として、世界の児童文学を一年ほどの時

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