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書評、映画評

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Filmarksや読書メーターに記録しているレビューを元に、更に作品を深堀りします。
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記事一覧

映画「悪は存在しない」(濱口竜介監督)

映画「悪は存在しない」(濱口竜介監督)

面白い映画だった。以下の考察やインタビュー、解説を参照した上で感じたことを整理する。ネタバレを含むので、先に映画を見ることをお勧めする。

「寝ても覚めても」、「ドライブ・マイ・カー」の2作品で濱口竜介監督作品にハマり鑑賞。こちらの記事も読んでみてほしい。私は下の記事で「第四の壁を越えて私たちの現実と地続きである恐怖感がこの監督の持ち味なのではないか?」と書いたが、「悪は存在しない」もやはり同様に

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中之島 香雪美術館 特別展「珠玉の西洋絵画:モネ・ルノワール・ピカソ-和泉市久保惣記念美術館所蔵品展-」に行ってきました

中之島 香雪美術館 特別展「珠玉の西洋絵画:モネ・ルノワール・ピカソ-和泉市久保惣記念美術館所蔵品展-」に行ってきました

皆様ごきげんよう。えりりちゃんですわよ。梅雨明け前とは思えぬ暑さにやられている皆様も多いと思いますが、そんな時はエアコンの効いた美術館でお嬢様気分で過ごすのがおすすめですわ。

ということで、先週日曜日に中之島フェスティバルタワーWEST 4階に所在する中之島 香雪美術館 特別展「珠玉の西洋絵画:モネ・ルノワール・ピカソ-和泉市久保惣記念美術館所蔵品展-」に行ってきました。

香雪美術館に訪れるの

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寝ても覚めても

寝ても覚めても

こんばんは、えりりちゃんだよ。皆様ご機嫌麗しゅう?

今日は前々からしたかった映画の話をします。映画「寝ても覚めても」についてです。それも、感想というよりはこの映画を通して感じている不思議な経験について書きます。是非観て欲しいのでできる限り作品のプロットに関するネタバレは避けますが、フラットな状態で見たい方はぜひ先に映画を見てからこちらの記事を読んでもらえると嬉しいです。

この映画は柴崎友香原作

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読書感想文:うみべの女の子(浅野いにお)

読書感想文:うみべの女の子(浅野いにお)

みなさまご機嫌よう。3月中はとても忙しくてまったくブログ更新ができませんでした。いよいよ春が来ました、季節の変わり目ですが皆様体調は大丈夫ですか?

今日のエントリは、浅野いにおの漫画「うみべの女の子」の感想です。作品の内容からどうしてもセンシティブな内容になり、また作中のネタバレも含むので気をつけてください。また同作者の「おやすみプンプン」もこちらで書評を書いていますので、有料で恐縮ですがよろし

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感想文:失恋ショコラティエ(フジテレビ、2014年)

感想文:失恋ショコラティエ(フジテレビ、2014年)


新年明けましておめでとうこざいます。新年一発目の記事は最近見たフジテレビ系ドラマ「失恋ショコラティエ」の感想文をお届けする。

概要このドラマは、水城せとなによる漫画「失恋ショコラティエ」を原作としたテレビドラマで、フジテレビ月9枠、ジャニーズ主演&ジャニーズ主題歌という、普段私は全く見ないタイプのドラマである。友人のブログエントリで興味を持ち、気軽な気持ちで見始めたが、色々と思うところがあり、

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メビウスの輪

メビウスの輪

そうなんだってさ。Threadsで見付けてびっくりしたんだけど、私は上の七段落の全てで女性側のセンテンスに共感してしまった。特に熱しにくく冷めにくい性格の私は、いつも徐々に誰かを好きになるし、離れると徐々にどうでも良くなってしまう。遠距離恋愛が続かなかった理由もコレだと思う。

男は男らしく、女は女らしく。私はそんなクソくだらない生き方をするつもりは更々ないし、誰かにそれを強要するつもりも一切ない

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読書感想文:おやすみプンプン(浅野いにお)

読書感想文:おやすみプンプン(浅野いにお)

浅野いにお作のこの漫画、主人公であるプン山プンプンの7年間に渡る成長を描く青春漫画だ。大学時代に同期の何人かが読んでた覚えがある。そのタイミングで俺も読んでおけばよかったのだが、独特な作風が放つサブカル感から少し敷居が高い感じがして、結局読まずじまいでいた。

そんな中、俺自身が30歳になった今年の七夕に限定の全巻読み放題がビッコミサイトで公開され、有り難く週末を使って全話読んでみた。

全話読み

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異性に「好きな映画とかありますか?」を聞かれた時の正解が永遠にわからないから教えてください、何でもしますから

異性に「好きな映画とかありますか?」を聞かれた時の正解が永遠にわからないから教えてください、何でもしますから

何でもするとは言ってない。本日は2023年上半期にみた映画の感想をまとめてみたいと思います。最近、映画のレビューアプリ「Filmarks」をかなり真面目に活用していて、見たい映画の管理と、見たあとのレビュー投稿をやってます。よければFilmarksアカウントもフォローしてね。

それでは、上半期で特に印象に残っている映画を順不同で載せていきます。ネタバレはできる限り避けます。今年の上半期、かなり忙

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読書感想文: 明日、私は誰かのカノジョ

読書感想文: 明日、私は誰かのカノジョ

久々のブログ投稿は読書感想文である。半年以上下書きを寝かせてしまったが、折角なので推敲して投稿する。明日、私は誰かのカノジョ、通称"明日カノ"である。

断りとして、オレは第四章であるKnockin’on Heaven’s Doorまで読了済みである。明日カノの露悪的な数々のエピソードを受けて、じゃあどうすればあの若者たちが幸せに生きれたのか?とオレは考えている。その時点でオレは、あの若者たちを作

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