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異性に「好きな映画とかありますか?」を聞かれた時の正解が永遠にわからないから教えてください、何でもしますから

何でもするとは言ってない。本日は2023年上半期にみた映画の感想をまとめてみたいと思います。最近、映画のレビューアプリ「Filmarks」をかなり真面目に活用していて、見たい映画の管理と、見たあとのレビュー投稿をやってます。よければFilmarksアカウントもフォローしてね。

それでは、上半期で特に印象に残っている映画を順不同で載せていきます。ネタバレはできる限り避けます。今年の上半期、かなり忙しかったような気でいたけど、案外ちゃんと映画観てたな。


私ときどきレッサーパンダ(2022)

めっちゃオススメ。私ときどきレッサーパンダ。ピクサー制作のヒューマンドラマ系。舞台は日本とサンフランシスコの間みたいな感じでベイマックスを思い出した。ちょっとのアニメ要素も感じさせるコミカルなタッチの中に、毒親と過干渉、共依存、思春期の戸惑いとアイデンティの確立というシリアスなテーマが描かれている。この辺の心のザラつきを娯楽映画として違和感なく見せる脚本とピクサーの力量に脱帽した。やはりピクサーは語るべき物語を語るべきタイミングで作る会社だ。現代の推し文化もよく描かれていて、4Townマジ最高。ライブ行きたい。

RRR(2022)

めっちゃオススメ。RRR。インド映画では同じ監督のバーフバリを視聴済みだったがあまり刺さらず、こちらは心の底から楽しめた。熱気、リズム、ムンバイやデリーのダイナミズムを感じ、また宗主国であり革命の対象であった英国への憎しみや憧れの葛藤、異なる部族ごとの大義、大団円で踊られるダンスの爽快感など、インドという大国で受け入れられる映画の要素をまとめ上げるとRRRになるのか?と思いが巡った。映画館で3時間過ごすことに全く後悔がない傑作。ハリウッドにはない、グローバルサウスのダイナミズムを感じてほしい。

ちなみにインド人の同僚に早速RRRの感想を伝えたところ「あー流行ってるよね、僕は見てないけど。インド本国ではこっちが流行ってるよ」と以下の映画「パターン」を教えてもらった。シャー・ルク・カーン主演の映画がかなりアツいらしい。日本でも9月に公開されるので絶対みんなで一緒に見に行こうな。

あらすじだけですでに面白そう。デリー上空を舞うインド最高のエージェント……興味あります。

シン・仮面ライダー(2023)

シン・仮面ライダー。全員にオススメではないが一度は見てほしい。エキスポシティのIMAX GTレーザーで鑑賞。いやほんとマジで庵野……ビル6階分相当のIMAX GTの超大画面で鑑賞する緑川ルリ子可愛いよハァ……可愛過ぎて俺の胸のプラーナが騒ぐ……すみません取り乱しました、ともかく人間性を失った者たちの孤独、絶望に向き合う姿、私(わたくし)を滅して他者を救う姿。自立するバイク(あれホンダの実際のロボ技術だよね)。日本のヒーロー像や世界観の構築に納得感がある。

ただしちょっと暗い場面が暗すぎてこれは頂けない。後から初代へのオマージュを込めた演出だと知ったがちょっと酷すぎる、こちとら追加料金払ってIMAX GTで見に来てるんで、しっかりはっきりくっきりHDRで見せてほしい。世代や今まで見てきたものによって評価が変わりそうだが、平成生まれで平成仮面ライダーしか通ってない私の視点ではめっちゃ良作だった。庵野さん文句言ってすみません、やっぱり一度は見るべき。

ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013)

ウルフ・オブ・ウォールストリート。営業職の人にオススメ。途中まで「ここから破滅への一途が始まるの?一体どうなっちゃうの?ドキドキ〜」という気持ちで観れたが、嵐の中に船で突入する辺りから「草、もうコイツら好きに破滅してくれよ、知らんわ」という気持ちになった。

金融証券業界に勤めたことはないものの、外資IT界隈で営業職をやっている身としては、稼ぎまくってる層のある種のイカれた職業倫理感の描写が結構リアルに感じたのと、ラストシーン「俺にペンを売れ」の時のレオ様の目が「ワーカホリックなアメリカ人ってこういう目するよな〜あるある」と感心した。あいつらホントいつ寝てるんだろう、24時間メールの返信返ってくるし。

この映画の3時間、決して有意義な3時間ではなかったが爆笑と時折戦慄の3時間だった。ハリウッド版全裸監督って感じ。見終わったあとに心に残るものは何もないが、それがいい。

AIR/エア(2023)

AIR。じゃあさっきの映画が営業職におすすめなら、こっちはマーケティング職の人にオススメかも。リーバイスの501、ジープのチェロキー、ギブソンのレスポールに並ぶようなアメリカ文化を支える不朽の名作エア・ジョーダンが生まれた経緯を描いたマーケティングドラマ。マット・デイモンの小太り中年な役作りがすごい。最後まで面白く見れた、まだデジタルマーケティングもなかった頃の実話。80年代の空気を感じさせる選曲も抜群に良い。マイケル・ジョーダン本人の顔は最後まで見れないが、とにかくオカンが良い。

劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室(2023)

劇場版MER、かなり良かった。ドラマシリーズも大人気で、「移動式の手術室があったら救命医療が進化するのでは」というテーマを描いた作品の劇場版。邦画としては久々にオススメ。出来れば先にドラマも見てほしい。MERチームの良さに改めて感動する。音羽先生の過去、鴨居チーフのキャラ立ちもいい味出してる。泣きました。

エンドロールで流れる現実の救急医療関係者の姿に更に涙。脚本やストーリーは正直ご都合主義満載だし突っ込めばキリがないのだが、現実の救急医療に繋がる何かがある。MERカーが虚構と現実の垣根を崩していく不思議な感覚があった。あと賀来賢人が本当に格好いい。賀来賢人になりたい。

ボクたちはみんな大人になれなかった(2021)

森山未來が主演。映画「モテキ」のときより演技に渋みがある。「なりたかった大人になれてる?」。グサリとくる危うい質問だ。伊藤沙莉の繊細な演技が素晴らしい。七瀬も不安定で人間くさくて良いキャラしている。

この映画で感じたのは「思い出補正」。おそらく伊藤沙莉演じるかおりのシーンはいわゆる思い出補正で美化されていて、実際のかおりはあんなに可愛くなければ綺麗な思い出でもないんじゃないだろうか……でもそれは私たちの思い出も同じで、10年以上前に本当に好きだった相手というのは何割か美化されている。思い出の余韻に最後浸りながら、元キリンジ・堀込泰行の歌声がやさしく寄り添う。加齢とともに昔の思い出の価値が高まっていく良さが人生の良さであることを確認させてくれる映画。年をとるって良いよなぁ。。

結局好きな映画、なんて答えれば良いんですか?

タイトルの話に戻りますが、異性に好きな映画を聞かれたときにみなさんは何を答えてますか?私は毎回正解がわからないので候補を考えました。無難な映画を用意したので、意中の相手に合わせて使い分けてください。

誰でも知ってる映画で話題を繋げたい:バック・トゥ・ザ・フューチャー
一緒に盛り上がりたい:スクール・オブ・ロック
映画通感を出したい:ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
サブカル感を出したい:パルプ・フィクション
OLマインド見せていきたい:プラダを着た悪魔、マイ・インターン
家で女の子と映画観ていい感じになりたい:サメ映画全般
ワイルドな俺をアピールしたい:ファイト・クラブ
ワイルドなV8を称えたい:マッド・マックス 怒りのデスロード
意中の相手が右翼だ:永遠の0
エモい同棲を狙っている:花束みたいな恋をした
むしろ嫌われたい:大怪獣のあとしまつ
何なら別れたい:ミッドサマー

ご活用いただけそうでしょうか。ちなみに私は考えることを放棄したので、聞かれた場合はここ数年で一番面白かった「インターステラー」を答えます。2023年下半期はSF映画に集中する予定なので、オススメあったら教えてください。中国SFの金字塔「三体」もNetflixでドラマ化が決まったので熱く語りたいよ。。

それではみなさまも良い映画ライフを。

かしこ


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