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グリーン(多元型)組織とは Vo7.

以下「ティール組織」の中で紹介されている組織の発達段階の中にある「グリーン(多元化)組織」について、「グリーン組織」である弊社の事例を踏まえて紹介させていただきます。5つの段階が以下の図にて表されていますが、人の意識の発達段階を表しており、5つの段階はすべて、前段階の階層を内包していると説明されています。ティール組織はすべての組織の特徴を持ち合わせていますが、ティール組織を目指すのか、グリーン組織を目指すのか、はたまたレッド組織を目指すのか、何が良いか悪いかではないという理解が必要です。

ティール組織「組織の発達段階の変遷」

グリーン(多元化)組織とは?

「グリーン組織(多元化)」は「オレンジ組織(達成型)」と似たような組織構造ですが、個々の価値観や多様性、人間らしさを重視する組織です。
わかりやすい比喩としては、「家族」です。殺伐とした家族も世の中には存在すると思いますが、そうではなく、円満な家族を想定です(笑)。
メンバーの意見は尊重され、合意形成を重視しています。
ヒスが家族と言っても「トップや経営陣が社員の生活を守るからついてこい」という意味合いではありません。それはどちらかというとレッド組織の要素に近い組織です。

グリーン組織の文化

  • 個人が尊重されるべきだと認識している。

  • 変化と意思決定に社員が積極的に関わることができる。

  • 異なる見解を容認し、受け入れる姿勢をもつことができる。

  • コミュニケーションが成立するために時間がかかる事と理解している。

  • 会社の進展と社員の生活向上を優先している。

  • 対話することで問題解決を目指す。

業務毎にみるグリーン組織

組織構造

オレンジ同様にピラミッド構造で基本的には運営されます。
ただ、現場メンバーの権限は多く、リーダーは「サーバント型のリーダー」を求められる組織であり、現場を支援する存在です。組織を「逆ピラミッド」で表現すると理解しやすいと思います。最下部である社長が実務に関わることは殆どなく、理念やビジョンを実現するための価値観を築きながらメンバーをサポートする組織構造になっています。


オンボーディング

オンボーディングとは、新たに採用した社員の受け入れから定着および戦力化を早期に行なうための施策のことですが、企業文化に早くなじめるように教育プロセスが用意され、受け入れる部署のメンバーを中心に全社員が歓迎ムードを生み出し、よりオープンな関係性を築く機会(歓迎会や各種イベント等)を提供することがあります。


採用活動

グリーン組織は、自分たちの文化を守ることを重視している組織です。
スキルや能力を判断した採用のみではなく、組織への適合、いわゆるカルチャーフィットが重視される採用が主流です。価値観が合う人を採用する傾向にありますが、能力はあとからでも身に付けられるものの、価値観は変え難いからという考え方がベースにあります。
※弊社の場合は「5つの価値観」と呼ばれるバリューに共感いただけるかどうかを重視しています。


教育・トレーニング

グリーン組織もオレンジ組織と似たような研修が用意されます。オレンジ組織と異なるのは、上司や経営陣がサーバントリーダーとして部下や社員を教育・トレーニングする傾向にある点です。従って、昇進するためには実務能力や実績のみならず、全社、いわゆる他者への貢献心(利他主義)や価値観を体現できている言動が見られる人物かどうか?などが判断基準になっています。


役職(職位)

オレンジ組織とほぼ同様ですが、リーダーやマネージャーはサーバントリーダーとして一緒に伴走する段階から一歩前進して、結果に対して臆することなく、挑戦させる、やらせてみる、任せてみるといった覚悟を持って部下を信じる器が重要視されます。


会議やミーティング

グリーン組織では合意形成が重要視されています。
社内や社内外に関わらず、多くの利害関係者が参加するミーティングが存在します。会社の文化や価値観を浸透するための機会やミーティングが開催されることもあります。懸念される点としては、意思決定にかかる時間が著しく増えてしまい、競争環境の中にある事を忘れ、注力しなければならない営業活動や戦術の実行などに遅れが生じやすい点です。事前の社内ヒヤリング機能(アンケート等)を活用するなど、生産性とのバランスをとる工夫が必要と言われています。


意思決定の軸

意思決定はビジョンや価値観、ブランドコンセプトを基準に行われます。
現場には意思決定権が多く与えられており、顧客へのサービス提供や価値観を守ることができます。背景として、経営陣よりも現場のメンバーのほうが顧客と触れており、顧客のことを理解しているはずだという考え方がベースにあるためです。現場で発生する事象には良い事も悪い事も存在しているはずですので、クレーム情報の吸い上げや対応品質に対し、牽制できる仕組みを用意したり、方針を浸透させることが大切です。


チームワーク

グリーン組織では、個人の意思を尊重する組織のため、個人の感情や大切にしている価値観、夢や目標を他のメンバーと共有したり、相互に傾聴する機会を用意することがあります。また一部の組織においては、SDGsに対する取り組みやCSRのために外部のコミュニティ等にも参加したり、顧客とのコミュニティ活動を行うことがあります。


戦略

グリーン組織では戦術レベルの権限は各メンバーに分散されていますが、一定のスピードを担保するため、経営戦略や方針についてはトップマネジメントによって決定されます。外部環境分析を行い、自社のビジョンに基づいて戦略の意思決定がされる組織です。


情報の流れ

グリーン組織では、全情報ではないにしろ、オープンブックマネジメントが行われていることが多い組織です。より多くの経営情報が公開されており、現場メンバーの意思決定を支援するようになっています。ただし、現場メンバーに主体性が見られない状態の場合、せっかくの情報やデータなどの事実が活用されず、得たい成果や状態は手に入り難く、一部の主体性を発揮できる人材への期待が集中する傾向にあります。


変化への対応

グリーン組織では、何らかの変化に対応したり、課題解決するために、都度、合意を得ようとする傾向があります。階層構造はあるものの、階層や部門をまたいで話し合ったり、プロセスに関与する機会が与えられているため、現場のメンバーは所有感を感じることができます。ただ、所有感を持った現場のメンバーや現場のメンバーを束ねるマネージャーの決断力や意志決定が弱いと変化への対応は遅れます。


グリーン(多元化)組織を求めている理由

組織の発達段階と言われる5つの組織構造。
創業したのは2001年。2006年に法人設立をしている。
当時の社員数は4名。親会社から異動の経営1名でスタートしている。
会社の沿革を見ながら組織の変遷を振り返ると、まさに「5つの組織構造の変遷」を辿っていることに気付きました。
全社や部門に関わらず、トップダウンでの意思決定はスピード感があり、新規事業(携帯電話のリユース事業や真贋判定を提供するサービス等)や弊社が運営するエコスタイルのFC展開など、一気に進み、気が付けば創業10年目には12店舗体制まで成長していました。
しかしながら、組織としての成長段階に必要だったマネジメントの知見や経験不足、組織に必要な組織文化を醸成するための理念やビジョン、中期視点での戦略が浸透しておらず、膨張していた組織の成長は鈍化しました。
改めて組織構造の変遷を辿り、弊社の現状として、まだまだオレンジ(達成型)とグリーン(多元化)の合間にある組織の成長段階にある状態です。
グリーン組織を比喩される「家族」のような本音をぶつけ合える組織、主体性を発揮してくれる社員一人一人の考え方を尊重する機会を設けながらもスピード感持って経営していきたいと思います。その先に包括するティール(進化型)組織へのシフトがあると信じて。

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