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中国人が見た日本:日本の警官が語るエピソード(二)~誠実が面接官を圧倒した~

老警官は、いつも手際よく、気取らない話を無限に繰り広げた。

大学を卒業すると同時に、4年間学んだ獣医学をやめ、幼い頃からの夢であった警察官になることを熱望していた。就職の面接で、3人の面接官から「大学時代に起こった誰にも言えない出来事を自由に話してください」と質問されたという。YDさんは「大学1年の時にキャンパスで5千円札を見つけ(当時、大学生のアルバイトの時給は300~400円で、5千円は大金)、すぐにポケットに入れた。寮に帰り、まず財布のお金が減っていないかどうかをチェックしたところ、金額は減っておらず、拾ったお金は確実に自分で落としたものではないことを確認した。 ところが、それを警察に渡さず、「散財」するために出かけたというエピソードを語ったという。

3人の面接官のうち1人は、「自分の不道徳な行いを面接で堂々と話すほど正直な人は、これまでの面接官キャリアで見たことがない」と笑ったそうだ。 その素直さが、憧れだった警察官を実現させたという。

結局、その正直さが面接官たちを「感心させた」わけだが、この経験を通して、彼は「人間にとって正直さがいかに大切かを痛感した」と語っている。 私が「本当に素晴らしいですね」と反応すると、また別の「正直な話」を聞かせてくれた。

YDさんの末娘も警察官だが、親友の一人が銀行の面接を受けたとき、ライバルたちは彼女より良い学校出身で、容姿端麗で、何のアドバンテージもなかったという。 質問に答える順番がくると、こう答えたという。「私も他の面接者たちと同じように、事前に回答を用意して来たので、流暢に答えることがでます。ただ、私はそんなことはしたくないです。私が仕事を求めるのは、幸せな人生を求めるためであり、それだけで志望動機としては十分だと思います」。果たして、銀行はライバルたちでなく、彼女を採用した。YDさんが補足するには、娘のこの親友は、結婚して子供を持ち、銀行を辞めてとても幸せな生活を送っているそうだ。

「誠実な心」だけがずっしり重い「果実」を結ぶことができる。これはどこの国でも同じである。

【出典】https://www.toutiao.com/article/7114963007070962210/?log_from=9a0ba538688a68_1665024222394
【翻訳】松本忠之

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