見出し画像

白状しますが、白杖を使うようになりました

白杖の白状(こくはく)

 
 僕は外出する時は、白杖(はくじょう)を持って出かけます。
 
 目の見えない人が持つ、あの白いつえです。みなさんも街中で時々見かけると思います。

 
 さて、問題なのは、目が見えないことの定義です。

 僕は2年ほど前から弱視が進み、いつも白い霧の中にいるような感覚です。濃霧の中で生活しているような感じです。

 障害者手帳も持っています、等級は4級です。

 しかし、全く見えない訳ではありません。

 目の前に人がいれば、それが誰かは分かりづらいですが、人がいることはわかります。

 白黒反転機能を使えば、パソコンやスマホを使うこともできます。現に、今もこの文章を書いて、投稿しようとしています。

 白杖を使う人は完全な盲目の人ばかりではないのです。
 
 電車の中で席をゆづって貰うことがありますが、そんな時はスマホを見るのはなんとなくバツが悪いです。

 しかし、予め乗り換え案内などで次の行動を確認しておかないと、駅にある時刻表や乗り換え案内は見えないのでこまったことになります。

猫は見えますが、桜の花や車は見えません


白杖は魔法のつえ

 はじめは白杖を使うのに物凄くためらいがありました。

 自分自身が弱視であることを認めたくない、そんな思いが強かったからです。

 ですが、人混みの中で人にぶつかってしまい、ぶつかった相手は当然気分は悪いでしょうし、中には喧嘩ごしで凄んで来る人もいます。

 それを避けようと、流れの中で立ち止まると、たちまち挙動不審者です。社会は思った以上に世知辛いのです。
 
白 杖を持つようになると、この悩みは解決しました。

 取り敢えず人は避けてくれるようになりましたし、二歩前を杖で探ることで人にぶつかることも少なくなりました。

 例えぶつかっても理解を示してくれます。

 街中で途方にくれることがあっても、不審者扱いされることもありません。

 それどころか、お手伝いしましょうか?と声をかけてくださる方もいます。

人は関心のないものは見えない


 白杖を使うようになって、見えてくることもあります。

 人は関心がないもは見えないのだなってことです。

 街を歩くとかなり多くの方が、白杖に気づかず直進してきて、杖の前で慌てて方向転換をされます。

 随分前から、視界の中に存在をとらえていても、直前にならなければ 見えてはいるが見てはいないということがわかります。

  立っていることは平気なので、声をかけないでオーラが出ているのかもしれませんが、電車で席をゆづろうと申し出る人は思った以上に稀です。

 無関心というよりは見えていないのだなということがここでもよく分かります。

 僕自身は、健常者の頃は割とそういうことはしてきたつもりなのですが、案外気づいていなかったことも多かったのだろうと思います。

白杖を使うようになって、思ったよりも同じ境遇の人が多いことに気づきました。

 自分がその立場に立って関心を持ったから、見えてきたのです。

 まあ、みなさんスマホに夢中だから仕方はないですかね(微笑)

 僕は、これからも白杖を持って、ガンガン出歩きたいと思います。

 同情は無用ですが、存在は見つけてくださいね!

 今後ともよろしくお願いします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?