おひとりさま旅行記vol.3 日光
月に一度の方位取りは、まあまあ忙しい。
帰ってきたら翌月の吉方位を確認し、予算や距離の条件内で最大のパフォーマンスが出るように場所を決めるのは、なかなか難儀だ。
最近コスパとかタイパとかいう言葉をよく聞くが、なんだか生き急ぐ感じがしてつまんなくない?と思っていた。
ところが結果をを求めるとそうなっちゃうものよね、と、自分にはとことん甘い。
さて、今月の吉方位は北だ。500kmまで行けるのでかなり遠くまで行ける。この条件だと、いつも新潟まで行っていた。
今回もそのつもりで旅行会社のサイトを見ていたら、随分と値上がりしている。
いや、すごく高いわけではなく、緊急事態宣言明けの格安時期に何度か行ったので、その時とつい比較してしまうのだ。
先月ちょっぴり贅沢をしてしまったし、今月は引き締めたいのよね…と悩んだ挙げ句、今回は日光へ行くことにした。
日光は、方位取りを始めた年によく行った場所だ。
その時は北は200kmまでの制限があったから日光がギリギリのラインだったんだけど、病気持ちの人には良い土地だよと気学の鑑定士から聞いていた。行ってみると確かに土地の氣みたいなものがいい。
そしてどこへ行ったときよりも一番よく眠れて旅行疲れもなく、元気になって帰って来たのが日光なのだ。
最近は長距離を取れる場所ばかり行っていてご無沙汰していたけれど、久しぶりだと新鮮な気持ちになる。
6年前とは違う目で見ることもできるかなと楽しみだった。
6年前の日光も、外国人旅行客は多かった。が、今回はその比ではない。
今市駅で日光行きの電車に乗ったら、乗客の1/3が外国人だった。
一瞬、海外にでも来たのかと思うほどで戸惑ったが、東照宮行きのバスは半数が外国人で、インバウンドの凄さを肌で感じる。さすが観光地だね。
ホテルの側には酒蔵があって、折角だから見学をしてみたいなと思い調べたら、予約は2名からということ。こんな時おひとりさまはちょっぴり辛い。
ダメ元で問い合わせたら英語対応ではない時間帯の予約客のOKが出ればご一緒にどうぞ、とのことだった。
時間帯が微妙だったので辞退したのだが、その時間以外は英語対応なんだな〜と思うと、やはり外国人のお客さんが多いのだろう。
実際、日光駅前の大通り沿いのお店は英語表記のメニュー表が必ず出ているし、駅員さんも流暢に英語で対応している。
私がぼーっと生きていた6年の間に、時代はずいぶん進んでいたらしい。
なんとなく置いてけぼりな気分で、居場所がないような、居心地の悪い感覚を少しの間味わっていた。
話は戻るが、酒蔵の店舗は朝8時から開いているということなので、チェックアウト前に散歩がてら行ってみることにした。
日差しが強く風はひんやりの5月の朝は気持ちがいい。
通り沿いに酒樽が積んであり、一目で酒蔵とわかる門のだいぶ奥に店舗はあった。
いかにも造り酒屋っていう雰囲気の建物。静かな佇まいの古い家屋の中に、たくさんのお酒が並んでいる。
私は今はほとんど飲まないが、若い頃は日本酒が大好きだった。(とはいえ、人と会った時に飲む程度ですよ。)
自分の好みは知っているので、磨きがかかっていない純米のお酒を迷わず選んで購入。
量もあまりいらないし、持ち帰るのも大変だから一番小さいのを頂いてきた。
ここには井戸水があって、お酒の仕込み水にしているという。
容れ物があったらどうぞお持ちくださいということなので、遠慮なくペットボトルと水筒に頂いた。
飲んでみると、ふくよかでどっしりとしたお水だった。
お水取りをしていた頃、京都の伏見で頂いてきたお水と似ている気がする。
あの辺りも酒造りが盛んなところだったから、こういうお水はお酒に合うのかもね。
酒蔵の向かいには道の駅がある。開店と同時に入ったら、野菜、果物、お弁当、おみやげ物がずらりと並んでいて、あちこち目移りした。
野菜も果物も新鮮で安いし、加工品も美味しそう。買って帰りたかったけれど、重さと暑さで断念し、諦めた腹いせに日持ちするお菓子などをあれこれ買ってしまった。
今度は段ボールに詰めて送ろうかなと思ったが、そういえば前回もそう思ったなと、自分の学習能力のなさにガッカリする。
ホテルに戻ってパッキングした後、今市駅から日光へ向かい、前段の話の続きになるわけだが、下調べもしていなかったのでいつも通り二荒山神社へ参拝に行く。
今回は修学旅行の子どもたちがいっぱいで賑やかだったのだけど、朝早い時間の清浄な空気と朝もやの中にそびえ立つ拝殿は鳥肌が立つくらい神聖な雰囲気があるので、神社好きな人は是非行って欲しい。
いつもはここでバスに乗って駅へ戻るところなんだけど、新緑が清々しく気持ちがいいので、歩けるところまで歩くことにした。
途中でお昼ご飯にしたが、そこから駅までの20分の距離をのんびり歩いて、バスでは見落としていたたくさんの素敵なお店を見つけて、久しぶりにワクワクするような感覚になった。
とにかく和の建物が素敵で、入っているお店も建物に合うようしつらえてあるのがなんともお洒落だ。旧くて新しい。
色調の揃った街並みは美しくてそぞろ歩きにはもってこいだし、美味しそうなお店もいっぱいあって、これなら歩きながら気に入ったお店でちょこちょこ買い食いもありだなぁなんて、考えただけでも楽しい気分になる。
駅前周辺はもちろんだけど、今度は中禅寺湖の方へも行ってみたいし、お蕎麦も食べたいし、SLも乗りたい。
次の宿題がいっぱいできてしまった。
そうだ、東照宮も大人になってから行ってない。
これから北が吉方位の時は距離を取るのが目的ではなく、あえて行きたい街、日光になるのかもしれない。
さて、次に備えてもらってきたパンフレットを熟読して、ひとり作戦会議に入ることにする。
そう思えるのも、慣れてきた今だからかもしれないね。
今回の旅で使ったお金
宿泊費 6,900円
交通費 約7,400円
ほか弁 450円
おやつ 149円
酒屋さん 670円
道の駅 1,330円
JR(今市→日光) 210円
バス代(二荒山神社まで)350円
コインロッカー 700円
二荒山神社入場料 300円
チャーシュー丼 1,590円
クリームパン 346円
合計 約20,395円
(※道の駅でタガが外れてしまい、普段買わないお土産を買ったため予算オーバー。コインロッカーとかバス代とか地味に値上げされたのも痛かったな。勉強代は次に活かします!)
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