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教科書文学のすすめ3「雨ニモマケズ(宮沢賢治)」そういうものに私もなりたい

今日は3月11日ですね。

私はあの頃、大学生で、朝の5時からコンビニでアルバイトをしていました。

アルバイトのあとは講義がなかったので、帰宅して仮眠をとっていたのですが、その最中、姉からの電話で起こされたのが、15時でした。

「あなただけ連絡がつかなくて、心配してた」

そう言う姉の声は、強張っていたように思います。

「大変なことになっているからテレビをつけて」

飛び起きてテレビをつけた、あの時の、あの中継の衝撃は、何年経っても忘れることができません。

当時、私の恋人は、東北にいたのです。

あの日、たくさんの方が亡くなりました。

なんとか生きていた恋人も、人が変わったようになってしまいました。


残された私はどう生きるのか?という答えの出ない問


雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ朿ヲ[#「朿ヲ」はママ]負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ

南無無辺行菩薩
南無上行菩薩
南無多宝如来
南無妙法蓮華経
南無釈迦牟尼仏
南無浄行菩薩
南無安立行菩薩

青空文庫より

この「雨ニモマケズ」を、みなさんはこれまでの人生の中で、何度読んだことがありますか?

不思議なことに、この「雨ニモマケズ」は、私自身、何度も読んだことがあるのに、読んだときの状況や心情、人生経験によって、心に響く部分が違ってくるような気がするのです。

小学生の時には「野原ノ松ノ林ノ蔭ノ 小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ」の部分のリズムの良さが心地よく、好きでした。

高校生の時には、東西南北の部分でなんて言っていたかな?と、ふと気になり、読み返しました。

大学生の時にはやはり、印象深い「雨ニモマケズ 風ニモマケズ」のフレーズが思い起こされました。

三十路の今は「ミンナニデクノボートヨバレ ホメラレモセズ クニモサレズ」が私の目標です。

みなさんは、今、どのフレーズが心に残りましたか?

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